為末大さん@daijapanの【純粋な世界】について　「純粋である為に、周囲も純粋にしてしまうのはやっぱり弱さ。」

爲末大 Dai Tamesue　熟達論発売中 @daijapan

おはようございます。今日は【純粋な世界】について

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子ども達は多かれ少なかれ純粋な世界観というのを持っていて、正義は貫かれ、悪は裁かれ、皆が納得した平和な結論があると思っている。だけれど、現実世界はそうではないから、どこかで反抗期のようなものを経て人は社会と折り合いをつけていくのだけれど、この純粋な世界のまま生きていく人がいる

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純粋な人で作られた組織は、本音と建前がない。スローガンを掲げていても、ちゃんと別の落としどころを考えている所とは交渉のしようがあるけれど、本当にスローガンを純粋に信じている場合、往々にしてスローガンはきれいすぎて現実離れしたものが多いから、とても落としどころが見つけられない。

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純粋な人は妥協できない。一番達成したい目標があり、第二、第三と続く場合、普通は何が譲れて何が譲れないのかを交渉で決めていく。でも純粋な人は妥協自体が悪だから、要求に順番がない。順番がないから全部をのむか、のまないなら的になるかという二者択一をいつも迫る事になる。

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どうしてもきれいな法則、ルールに貫かれた世界を人は作りたがるけど、それは難しい。例えどんなに高い理想を元に作られたルールであっても、それでくっきりと一色に染めてしまえば、もしくは染めようとすれば、そこにはすでに全体主義的色合いを帯びた、息苦しい世界ができあがる。

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連合赤軍も青年将校も戦時日本。動機の純粋性に拘るというのは日本の癖のように思う。美しすぎるスローガンを掲げて、妥協を一切許さぬようになった純粋集団は危ない。純粋な世界は一色の世界で、灰色も他の色もない。他の色や灰色を許容しませんかと言った時点で、その人の純粋性は疑われ粛正される

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正義なんてないじゃないか、思ってしまうような世の中で、それでも何か一つ自分の中で守り続けるものが大切なんだと思う。純粋である為に、周囲も純粋にしてしまうのはやっぱり弱さで、俗世間で自分なりの純粋さを保とうと努力する。泥中の蓮。

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【終わり】目の前にいて異論を唱える相手を、こちらの考えに染上げてしまいたい。そういう欲求を如何に抑えて、静かに話し合えるかどうか。世の中が一色に染まる事なんて無くて、それぞれがそれぞれの色のまま折り合いを付けてけんかせぬよう混ざり合う事しかできないんだと、僕は思う。