①箭内道彦さんが「1枚目のアルバムがなんでそんなに完成度が高いかっていうのは簡単な話で1枚目にはそのアーティストのそれまでの人生が詰まってるから。だからセカンドアルバムからが大変で、そうならないためにはデビュー前にアルバム十枚分くらい作っておかなきゃならない」って言ってた。
2012-06-03 20:33:45③そこまで考えて「アーティストのファーストアルバム」のように「ただの男の初SEX」が成功するのだろうか?って考えた。
2012-06-03 20:36:23④だいたい、曲を何曲も作ってまとめれば「アルバム」にはなっても、オナニーを何回もしてまとめても「SEX」にはならない。それはただのティッシュくしゃくしゃボール製造器だ。ゴミが増える。地球の敵だ。エリエールは少し儲かるかもしれないが。
2012-06-03 20:39:11⑥というか、論点がずれていた。アーティストが曲を何百曲と作らなきゃいけないのはファーストアルバムだけの成功で終わりにさせないためであった。つまり、十回オナニーしても初SEXすら成功しないし、ましてや一万回オナニーしたところで何十年間可愛い娘ちゃんと遊んで暮らせる訳じゃない。
2012-06-03 20:44:41⑦では、まずただの普通の男が「初SEX」を成功させるには何をしたよいのか。アーティストのアルバム制作とは違ってこれには「女性というパートナー」が要る。じゃあ女性というパートナーとどこで出会うのか。そしてその後どうやって付き合い、そして「初SEX」に持ち込むのか。
2012-06-03 20:47:40⑧これはどうやらアーティストの問題よりも数百倍も難しい問題だ。どうすればいい、どうすればいい・・・と数時間考えた結果。。。「とりあえずツイッターやってる場合じゃないな」と思い、俺は町に出た。
2012-06-03 20:50:51⑨ユニなんちゃらというファッションブランドで「プリーズミーファック!」と英語で書かれたパンクバンドとのコラボTシャツを買い、そしてトイレですぐに着替えた。最初の作戦は強行突破だ。出会いなんてまってるのは時間が惜しい。あれ・・・いつのまにかただヤりたいだけになってね?
2012-06-03 20:53:33⑩でも根本的にアーティストのファーストアルバムの問題とは話が違いすぎる。だって「初SEX」を成功させるためには「SEX」をするしかないからだ。これはパラドックスだ。ん・・・待てよ?相手がいなくてもSEXの練習ができる唯一の方法があった!・・・ダッチワイフだ!!
2012-06-03 20:55:53⑪すると駅前のトイレで「プリーズミーファック」と英語で書かれたTシャツを着て目を輝かせる俺を見て、どこからか黒人のスーツ姿のボビーオロゴン似の男がやってきた。「フーゾク、ドデスカ」とボビーは言った。「ノーセンキューボビー!」と叫んで俺は家の方向へと走り出す。
2012-06-03 20:59:19⑫ここまできて風俗なんてゴメンだ。家に帰った俺はさっそくアマなんちゃらという通販サイトで適当にダッチワイフを買った。もっと高いイメージがしたがダッチワイフって意外と安いのか・・ほー。当日で届くというのでだんだん俺はソワソワし始めた。そして何故か俺は初恋の人を思い出したんだ。
2012-06-03 21:02:24⑬今現在の俺のスペックは大学一年生。だからあの初恋の人と出会ったのは・・・小学六年生だから六年前ぐらいか。近所に住んでいた「かよちゃん(仮)」は幼なじみのような関係だった。でも俺の中学受験がその関係を変えた。通う学校が変わるだけで住んでる場所は変わらないのに離れていく2人・・・。
2012-06-03 21:05:14⑭結局小6の卒業式ん時からかよちゃんとは話せてない。近所ですれ違っても、なんかお互い距離を置くようなそぶりを見せてしまう。あぁ・・・かよちゃんとSEXしてぇ・・・と俺は気付くとそう考えていた。なんて下世話な話だ。しかも全く現実的じゃない。いや!!俺は急いでカレンダーをめくった。
2012-06-03 21:08:26⑮来月ちょうど小学校の同窓会があるんだった!その時に、かよちゃんと色々話して、うまくいけば・・・同窓会にはものすごいものが秘めているということをよく聞く。まぁ、すぐにじゃなくても付き合うことはできるかも知れない。そんなとき、自宅のベルがなった。ダッチワイフが・・・きた!
2012-06-03 21:11:25⑯俺は急いで玄関まで走った。通販業者には確実に俺が何を頼んだかはばれているはずだから早く印鑑を押して対応を終えたかった。スリッパをはき、扉を開ける。そこにはクロネコなんちゃらの制服を着たかよちゃんが居た。
2012-06-03 21:13:58⑰「えっかよちゃん・・・!?」まさかそんなばかな・・・。「えっ・・・」と言うかよちゃん。一瞬見間違えたかと思ったが明らかにそれはかよちゃんだった。「サイテー!!」と言ってかよちゃんは印鑑ももらわずにアパートの廊下を走っていく。俺は巨大な絶望と、巨乳ダッチワイフの前に崩れ落ちた。
2012-06-03 21:17:43⑱「うおおおおお!!」と言って俺は部屋の奥にあるギターを取り出してこの言葉にできない気持ちを歌に託した。「あああああ!!」と叫びながらギターをかき鳴らす。程なくして玄関のベルがまた鳴った。どうせ同じアパートに住んでる人の騒音迷惑を伝えに来たんだろうと俺は思った。扉を開けると・・・
2012-06-03 21:20:38⑲そこには箭内さんが居た。「今歌ってたの君?」いやもう訳がわからない。とりあえず俺は「はい」と答える。「いやね、実はこのアパートの横を写真集の撮影で通りかかったときに君の歌が聞こえてさ。それがめちゃくちゃ良くて、良かったら俺のプロデュースでデビューしない?」う・・・そだろ。
2012-06-03 21:24:00⑳五年後。かつての冴えない大学生は売れっ子シンガーソングライターとなていた。サードアルバムを作りながら彼は「あー、デビュー前にもっと曲つくっときゃよかった・・・」と愚痴をこぼす。「今更何いってんだよw」と箭内が返す。・・・そう、彼こそが今の高橋優なのだ。 <終わり>
2012-06-03 21:27:07