RPG～神林ワールドでのロールプレイ

夢乃 @iamdreamers

プリズム・・・「パズラー」で刑事が妻と訪れた先は、巨大な遊園施設「SOWランド」だった。ひとつは休暇を楽しむため、もう一つはかつて逃した殺人犯の影を追って。

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そこはかつての東京を模した、超巨大施設。訪れた客たちはSOWランド内でだけ使える通貨－チケット－円で、過去の世界でロールプレイを楽しむ。

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刑事も、成り行きからとはいえ、失敗した銀行強盗としてのロールプレイを楽しんでいたが、追っている殺人犯Dを見つけて追跡を開始。けれど、結局は逃す。

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SOWランドの外に出ようとタクシーに乗るも、円を持っていなかったため逮捕される。ロールプレイはいつまで続くのか？それともこれが現実？いつから？Dを追ってから？それとも、そもそもの最初から？

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仮想と現実の狭間で、刑事は自分を見失ってゆく・・・

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甘やかな月の錆・・・４年生の少年は母を愛していた。ふくよかな体付き、長い髪、優しい声・・・

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新年。少年は４年生になった。そして、ほっそりした体つきの母を愛していた。けれど、何かが違う気がする・・・お母さんがお母さんじゃないような・・・

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サーラントでは新年になるたびに、不死人の記憶は消去され、同じ一年の生活を繰り返す。少しだけ変わった構成で。毎年、設定を調整しながら同じゲームを繰り返すように。

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けれど少年は、出会った死人からもらったスプレーを使い、大人への階段を歩き出す。かつて愛した母と、恋人として出会うために。

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過負荷都市・・・人は毎日、与えられた役割を演じて生活を送っている。子供はクォードラムから与えられた役割を、大人は自ら選んだはずの役割を。

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苦しいことも自らが望んだこと。他人と関わる役割もまた。けれど本当はすべてがソリテア。人はそれに気づかずに都市の負荷を重くする。

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そして都市も役割を演じている。人も街も、すべてはロールプレイ。それをすべて制御しようとする人々もまた、その役割を演じてソリテアに興じる。

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そして、過負荷に陥った世界は壊れて再構成される。その後の世界もソリテアか・・・

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我語りて世界あり・・・完全に個性のない世界。個性がないから名前もない。人は毎日働きに行く。そして毎日帰ってくる。どこに行き、どこに帰っても、辻褄が合うように、人はアクティブに役割を変える。

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自らに名前を付けたことで世界の仕組みに気付きはじめた少年たちの手によって、世界の仕組みは少しずつ変化を始める・・・

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「語り手」が語ることによって、世界はロールプレイの場から現実の場へと収まってゆく・・・

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「語り手」が生まれたから彼らは名前を付けたのか、名前を付けたから「語り手」が生まれたのか・・・それらは相互に必要だったから、同時に生まれたのかもしれない・・・