リターン・ザ・ギフト #4

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「知らねェ」ジェノサイドは言った。「買った恨みをいちいち覚えていたら、キリがねェだろうが」「そいつはヒデェー……」エルドリッチが笑った。「俺はてめェーをバラバラグチャグチャにする事が楽しみでよォー……はるばる追っかけてきたッてェのによォー」「思い出せねェものは仕方ねえ」 21

2012-06-11 12:50:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「そりゃあよォー……思い出させたうえで殺してェがよォー……手ぶらで帰るのも面倒くせェー……」「しつこい奴は、ムカつくぜ」シュイイイイ!ジェノサイドのバズソーが音を立てる。エルドリッチが毒々しい色の舌で口の周りを舐める。明け方の空に流星が光った。イクサの火蓋が再び切られた! 22

2012-06-11 12:59:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ジャカッ!エルドリッチが左手ショットガンを構えた。「イヤーッ!」ジェノサイドはバズソーを投げる!BLAM!散弾がバズソーを弾く。相当に強靭な合金で鍛えられており散弾では破壊不可!ジェノサイドは逆の手のバズソーを投げる!BLAM!逆の手のショットガンから放たれた散弾が弾き返す!23

2012-06-11 14:34:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

バズソーチェーンは弾かれ、ジェノサイドの両手が開く。「こいつでェー……おしまいかなァー」エルドリッチが笑った。ジェノサイドはそのまま突進!BLAM!エルドリッチは左手ショットガンの二発目を発射!「俺は!」ジェノサイドの胴体にスイスチーズめいて着弾!肉が爆ぜるが突進は止まらぬ!24

2012-06-11 14:42:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハ、ハ、ハァー。無理できんのかァー?ニンジャの肉はもうねェーだろォー」エルドリッチが右手ショットガンを構える。「俺を殺して食うまでよォー!?」BLAM!二発目を発射!「俺は!」ジェノサイドの右肩に被弾!肩がえぐれ、千切れかかる!突進は止まらぬ!エルドリッチが鎖鎌を構える! 25

2012-06-11 14:48:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「いただきィー!」繰り出される鎌!逆袈裟に切り裂かれるジェノサイドの胸板!そして右上腕をも切り裂き、腕を切断!迸るゾンビー血液!「俺は!」だが……突進は止まらぬ!振り上げた左拳がエルドリッチの顔面を!「俺はジェノサイドだ!」直撃!「グワーッ!?」 26

2012-06-11 14:51:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

エルドリッチは仰向けに地面に倒れ込み、その勢いで3メートル滑る!ジェノサイドはなおも走りながら左手を打ち振る。鎖が唸り、バズソー明け方の空を舞う!「俺はジェノサイドだ!」振り下ろす!「ウオオーッ!?」エルドリッチはかろうじて横転!一瞬前に体があった場所をバズソーがえぐる! 27

2012-06-11 14:54:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「危ねえェー……ハッ、ハッ、ハッ!危ねえェー!」エルドリッチは城壁のへりに掴まって起き上がり、振り向きながら蹴りを放つ!「イヤーッ!」ジェノサイドは避けぬ!その首に蹴りが直撃し、120度回転!だが止まらぬ!振り上げた左腕を……脇腹に叩き込む!「イヤーッ!」「グワーッ!」 28

2012-06-11 14:59:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ちくしょォー……不利くせぇなァー……」転がりながら起き上がったエルドリッチは毒々しい色の唾を地面に吐き捨る。「無茶しやがってよォー……」「俺は!」既にジェノサイドはワン・インチ距離だ!「ジェノサイドだ!」「グワーッ!」丸太めいた蹴りをエルドリッチの脇腹に叩き込む! 29

2012-06-11 15:04:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「喰われるのは!」エルドリッチはかろうじて城壁のへりの上に立った。その背後は……圧倒的断崖!「ごめんだよなァー!」ジェノサイドはバズソーチェーンを振り上げ、叩きつける!「イヤーッ!」「イヤーッ!」エルドリッチはバック転を繰り出す!飛んだ!断崖へ! 30

2012-06-11 15:07:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アスタァァァー!ラァァァー!ビスタァァァー!」落ちながらエルドリッチは大の字に手足を拡げ、哄笑した。ジェノサイドは120度曲がったままの頭を左手で掴み、ボギボギと音を立てて無理矢理に戻した。そして城壁から下を見下ろす。コートをはためかせながら、エルドリッチは落ちてゆく。 31

2012-06-11 15:12:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハッ、ハッ、ハッハァー!」エルドリッチは豆粒ほどに小さくなった。一度、断崖の斜面にバウンドした。「アバーッ!」……「チッ」ジェノサイドは舌打ちし、よろよろと歩き出した。「腹が減ってしょうがねえ。身体も腐ってやがる」中庭のトレーラーを睨み下ろす。フブキが手を振る。「ド畜生が」32

2012-06-11 15:18:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

……「私は実際寛大であるが」リー先生は渋い顔で首を傾げた。「それはちょっとやめないか。寛大さをあまりに期待し過ぎだねェ」「そんなら取り引きは終わりだ。このクソ紙は他所でケツでも拭いて捨てるとするぜ」ジェノサイドは冊子を懐にしまい、キャンプ椅子から立ち上がった。「待ちなさい!」33

2012-06-11 15:26:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「復唱」歩きながらジェノサイドは言った。フブキが答えた「ひとつ、ジェノサイドをイモータル・ニンジャ・ワークショップは今後追わない。危害を加えない。ひとつ、研究過程で肉体を人間に戻す技術が得られ次第、ジェノサイドを呼び出し、無償で技術提供する。……先生?」リー先生は渋々頷いた。34

2012-06-11 15:33:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「まだあるだろ」歩きながらジェノサイドが言った。フブキはリー先生を見た。リー先生は渋々頷いた。フブキは言った。「ひとつ、ここからネオサイタマへの全旅程補償、カチグミクラス。当然この古城からガイオンまでは、そこの……悪趣味じゃないですわ!そこの悪趣味なトレーラーで送り届ける事」35

2012-06-11 15:36:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……まだあるだろ」歩きながらジェノサイドが言った。フブキはリー先生を見た。「これはどうかと思うネェ」「じゃあ決裂だ」……リー先生は渋々頷いた。「科学のためだねェ……今後、サンをつけて呼ぶ。ジェノサイド=サン」「フン」ジェノサイドは立ち止まり、冊子をリー先生に投げつけた。 36

2012-06-11 15:40:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ククーッ!」リー先生は悔しげに叫び、冊子を猛スピードでめくって確かめた。「本物だねェ。では、話は終わりだ。こんな場所にもはや用はないねェ。フブキ君。ジェノサイド=サン。とっとと乗りたまえ」彼は立ち上がり、トレーラーに向かう。フブキがキャンプ椅子を素早く畳み、担ぎ上げた。 37

2012-06-11 15:47:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「しかし肉体を戻したいとはナンセンスな!戻すとは、なんだねェ?君は詰まるところゼツメツ・ニンジャのソウルではないのかネェ?」「頓知に興味は無えんだよ……期待もしちゃいねえがな。てめェのアタマには」「君の評価観点は特殊かつ個人的ゆえ、その断定には一切同意しかねるネェ……」 38

2012-06-11 15:55:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

コラジは焚き火を消し、サイバー馬を起動させようとしたところで、川向こうのオブジェクトに気づいた。「アン?」こんなところまで追って来る賞金稼ぎが?……否、有り得ない。追っ手がコラジのキャンプを見つけたとして、その目と鼻の先で安心して一日夜明かしなどするものか。コラジでもわかる。40

2012-06-11 16:01:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

コラジは快楽殺人鬼であり、現在、辺境指名手配を受けての逃亡中であった。女子供をさらい、バイオサボテンに逆さにくくりつけ、血を抜いて殺すのだ。まだまだ死ぬには早い、もっと殺したいし、カラテ10段で、戦闘訓練も受けている。何度か賞金稼ぎを返り討ちにし、サボテンにくくった。 41

2012-06-11 16:05:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

コラジは毛むくじゃらの腹を掻きながら、バシャバシャと川を歩いて渡った。その手には危険な幅広のダガーナイフ。無防備な旅人であるなら、後ろから近づいてこれで脅し、サボテンにくくりつけてやるつもりだった。彼は川向こうのオブジェクトを睨んだ。チョッパーバイクを。 42

2012-06-11 16:09:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼は向こう岸へ上がり、見渡した。無人だ。チョッパーバイクと、牽引鎖に繋がれているタイヤつきの棺桶……「ハン?」コラジは笑った。ナンセンスだ。そして、おかしな事に、テント類は見当たらない。乗り捨てだろうか?……コラジは鼻をひくつかせた。ハッパの匂いだ。どこから?棺桶だ……。 43

2012-06-11 16:13:44