2012/6/11 平川克美・内田樹 発言

21世紀に入ってから、複雑な状況を二項対立「だけ」に収斂させた奴ら(例:小泉純一郎)が、ある種の人気を得ている、ということへの批判、と私は解釈したのだが。
0
内田樹 @levinassien

おはようございます。今朝のツイッターは読みでがありましたね。桐生市の市議の話、片山さつきの話、上杉隆の話。どれにも、同じ心的傾向を感じました。世界を善悪二元論で片付けたいという欲望が強まっている。世の中の動きが複雑で予測が困難になるほど、「ワルモノ」局在論が勢いを増します。

2012-06-11 08:57:50
内田樹 @levinassien

「すべての悪をマニピュレイトしているワルモノがいる」という信憑は、世界のすべての出来事は神の定めた摂理に基づいて整序されているという信仰と構造的には同一です(裏返しですけど)。僕はこれをひそかに「ワルモノ信仰」と呼んでいます。

2012-06-11 09:01:49
内田樹 @levinassien

信仰を持っている人は自分が神を信じていることに自覚的ですが、「ワルモノ信仰」の信者たちは、自分が「ワルモノ」の全能と遍在を信じていることを知りません。

2012-06-11 09:03:35
内田樹 @levinassien

人間の知性は自分が何を信じ、何を基準にことの正否や適切性を判断しているのかについてどこまで自覚的であるかによって考量されると僕は思っています。「自分の無知」について知っている人、「自分の無能」の様態についてきちんと記述できる人、そういう人がほんとうに知性的な人だと思います。

2012-06-11 09:11:02
平川克美 @hirakawamaru

贈与交換が関係の継続だとすれば、等価交換とは、本質的に関係の清算である。言葉を単なる等価交換の道具としてしか考えられないものにとっては、人間関係も絶えず断絶し、更新する損得勘定の中でしか考量することができないということだ。

2012-06-11 15:58:37
平川克美 @hirakawamaru

相手が語る以上のなにかを聞きとること。自分が語る以上のものを伝えたいと思うこと。それが、言葉における贈与ということだろう。言い換えれば、相手の言葉をその最高の鞍部で聞き取ろうとすること。

2012-06-11 16:01:08
平川克美 @hirakawamaru

言葉に対する感性とは、その含意も含めて相手の言葉に耳を傾けられるということであり、自らの発する言葉の射程を配慮できるかということだ。

2012-06-11 15:48:22