公文俊平先生によるNetSmart第1章のまとめ

ハワード・ラインゴールドの新著「NetSmart」のまとめです。
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Shumpei Kumon @kshumpei

スマート① いつもながら情報が早い@yukifujinoさんに、ハワード・ラインゴールドの新著 Net Smartがでたことを教わる。そこでさっそくKindle Storeで一冊購入。とりあえず序章を読んだので、その紹介と感想を連ツイしてみます。

2012-06-13 10:58:49
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート② この本の表題は『ネット・スマート』、中心テーマは「デジタル・ノウハウ」あるいは「デジタル・リテラシー」だが、どれも日本語になりにくい。

2012-06-13 10:59:12
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート③ そもそも「ノウハウ know-how」という言葉が、日本語にしにくい。「なんであるか (what)の知識」に対して「どうすればいいか (how)の知識」、つまり「認識知」に対する「実践知」のことだが。まあ普通にいえば「仕方」、「やり方」、「こつ」だよね。

2012-06-13 11:00:29
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート④ ならば「デジタル・ノウハウ」はどう訳すか。「デジタル」を日本語にすることはもう諦めるとして、「デジタルに暮すこつ」とか「デジタルなこつ」あたりでお茶を濁すしかないかな。

2012-06-13 11:00:58
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑤ 同じく「デジタル・リテラシー」も「デジタルな技能」くらいに考えておけばよかろう。ハワードも「リテラシー」という言葉を「技能(スキル)」の意味で使っていると言い、しかも今日ではそれは社会的技能になっていると強調している。

2012-06-13 11:01:18
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑥ 健全な情報社会を作っていく上で有用な、社会的技能としての「デジタルなこつ」ないし「デジタルな技能」は、①注意、②参加、③共働、④情報の批判的な摂取(つまり「ゴミ」の看破)、⑤ネット知能(ネットスマーツ)の五つだと著者はいう。

2012-06-13 11:01:40
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑦ では、「スマート」とはどういうことなのか。10年近く前にでたハワードの前著の表題は『スマートモブズ』だった。

2012-06-13 11:02:50
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑧「モブズ」は「群衆(mob)」の複数形で、「スマートモブズ」の原イメージは、当時のケータイをスマートに使いこなしていた渋谷の「親指族」や、ケータイメールで連絡を取り合って腐った大統領を追い出したマニラの民衆だった。

2012-06-13 11:03:08
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑨ だから「モブズ」には、「モバイルズ」の意味も――多分はからずもだが――こもっていた。

2012-06-13 11:03:27
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑩ というわけで、あの本で使われた「スマート」という形容詞は、デジタルなモバイル情報通信端末をうまく使いこなせる知識や能力がある、という意味だった。

2012-06-13 11:03:45
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑪ 今回の『ネット・スマート』では、「スマート」が名詞になっている。その意味は、端末だけでなく、ネットそのものをうまく――「賢く、人情厚く、とりわけ注意深く」――使いこなす(知能、つまり知性や能力)のことだ。

2012-06-13 11:04:05
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑫ 情報化・デジタル化が人々を「エンパワー(増力)」したことは間違いない。だがそれを手放しで喜んでいるわけにはいかない。その力を人々がいかに注意深く使いこなせるかどうかに、情報文明社会の未来がかかっているというのが、著者の問題意識だ。

2012-06-13 11:04:28
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑬ 要するに、技術の進歩がよりよい社会を自動的にもたらしてくれることはなく、日々進歩する技術を活用していく上で、人々がどれだけきちんとしたデジタルなこつないし技能をもてるかどうかがカギになるのだ。

2012-06-13 11:04:46
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑭ 20世紀の産業社会では、人々が車をいかにうまく運転できるかに、人々自身の安全や成功も、社会全体の安全や発展もかかっていた。だから自動車教習所ができ、運転免許制が導入された。21世紀の情報社会での「自動車」は、「オンライン・ツール(モバイル情報通信機器)」になる。

2012-06-13 11:05:12
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑮ 情報社会では、「参加のアーキテクチャー」(ティム・オライリーの言葉)のおかげで、人々の利己的な情報活動(ブログや、ソーシャルメディア)が、ウェブや検索エンジンのような公共財を生みだして、さまざまな情報や知識へのニーズが社会的にみたされていくだろう。

2012-06-13 11:06:25
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑯ それは、産業社会では、アダム・スミスが予見したように――「職業選択の自由」のような「参加のアーキテクチャー」のおかげで――人々の利己的な商業活動が市場という公共財を生みだし、さまざまな財やサービスへのニーズが社会的に満たされたのと同様だろう。(これは私の感想)

2012-06-13 11:06:47
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑰ 参加のアーキテクチャーが情報社会でうまく活用されるかどうかは、それを使う人々のデジタルな技能にかかっている。

2012-06-13 11:07:06
Shumpei Kumon @kshumpei

スマート⑱(私のつけたし:そうだとすれば、いずれは「デジタル教習所」や「デジタル免許制」のようなものができてくるのかも。それらは、デジタルな技能の習得と発揮のための、社会的な仕組みなのだから。)[連ツイ終り]

2012-06-13 11:07:27