お話「空に一番近い猫」

自分がツイッターに垂れ流した創作童話のまとめ。
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ヨコシマくん @QUIZcat

「やっと、一緒に飛べる」 黒猫の魂がただの少女となった天使を抱きしめた。黒猫は泣いた。天使も泣いた。水たまりが大きくなっていく。塔を沈ませるくらいに。辺りを全て飲み込むくらい。二人は空き地を湖に変えるまで泣いて、ただひたすらに泣き続けて、最後に一緒に星になった。

2012-06-14 01:01:29
ヨコシマくん @QUIZcat

……秋の満月が昇る夜。月明かりに負けることなく輝く星座が二つある。丁度湖の真ん中に建つ塔の近く。誰が最初に呼んだのか、寄り添うように瞬くその星座達を、人々は「天使座」と「子猫座」と呼ぶようになった。そして、塔の建つ湖は「涙の湖(ティアレイク)」と名づけられている。

2012-06-14 01:05:23
ヨコシマくん @QUIZcat

この話はこれでおしまい。

2012-06-14 01:06:20
ヨコシマくん @QUIZcat

…この塔は今も、秋の綺麗な満月が昇る夜のお祭り「満月祭」の舞台になっている。そちらの世界では十五夜と言うのか。 この日に塔の屋上で愛を誓い合ったカップルは長続きすると言う迷信まであるようだが、この悲恋についてはあまり知られていない。…天使と猫が見守っていてくれると考えれば、まぁ。

2012-06-14 01:09:53