クローズアップ現代「“薬漬け”になりたくない~向精神薬をのむ子ども~」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

6月13日に放送されたものを文字起こししています。 進行:国谷裕子アナ ゲスト:石川憲彦(児童精神科医)
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とし @toshihiro36

<ナレーション> 宮尾医師は感覚を脳に伝える神経の発達が、遅れているのではないかと指摘しました。遊びを通して手先や体全体の感覚を養うことを勧めました。薬だけに頼るのではなく、問題行動の背景に何があるのか。子どもの気持ちに寄り添いながら、考えることが大事だと伝えています。

2012-06-14 05:43:58
とし @toshihiro36

<ナレーション> 周りの大人が気持を受け止めることで、回復に向かった女性がいます。裕子さんが向精神薬の服用を始めたのは、中学2年生のとき。ストレスから吐き気が止まらなくなり、精神科を受診したことがきっかけでした。心身症と診断されて入院、服用に加え点滴でも向精神薬を投与されました。

2012-06-14 05:48:49
とし @toshihiro36

<ナレーション> 意識が朦朧とし、歩くこともトイレに行くこともできなくなってしまった裕子さん。薬による治療は8年にわたりました。

2012-06-14 05:52:29
とし @toshihiro36

母親:おかしい、これはおかしいね。なんで止まらないんだろうって。どんどん悪くなるのは変だよって、治療をしていってて思ったんですよね。

2012-06-14 05:55:11
とし @toshihiro36

<ナレーション> 裕子さんの母親はインターネットで見つけた医師に、セカンドオピニオンを求めました。すると裕子さんの症状は、薬の副作用だと指摘されたのです。母親は薬を少しづつ減らしていくことにしました。薬に頼らず、娘の気持ちに寄り添いながら支えていく決意をしたのです。

2012-06-14 05:59:05
とし @toshihiro36

母親:減薬していくだけじゃなくて、家族の総括というか…この子が言い始めるとか、この子が何かしようとするのを待つ側にならないといけないというか…

2012-06-14 06:01:58
とし @toshihiro36

<ナレーション> 減薬に取り組んだ時の、母親の日記です。向精神薬を減らすにつれて、裕子さんは薬の激しい離脱症状に苦しむようになります。「奇声を上げて、『キャー』と起きてくる」「中学生の頃の夢が怖いと言う」「身体が固まり、呼吸ができない」

2012-06-14 06:08:43
とし @toshihiro36

母親:この辺にある刃物でもなんでも持って、「あーっ」ってなっちゃう。1回は、刺しちゃうみたいなこともあったし。

2012-06-14 06:11:14
とし @toshihiro36

<ナレーション>  母親は裕子さんの苦しみを受け止め、ずっと見守り続けました。薬を減らしはじめて6年、症状は徐々に改善しました。裕子さんはしまい込んでいた自分の気持ちを、母親に打ち明けるようになりました。

2012-06-14 06:14:24
とし @toshihiro36

母親:この子も言えなかったことを、言えるようになってるなとか。長い時間をかけて伝えようとする言葉を、夜中までかけて…朝方まで(娘が)言うのを待つ。本当にこの子と向き合って、これで良かったと思います。

2012-06-14 06:17:56
とし @toshihiro36

<ナレーション> 裕子さんは先月から近所の農家で、野菜の出荷を手伝い始めました。自分がやりたかった仕事です。

2012-06-14 06:19:46
とし @toshihiro36

裕子:自分の感情があっていろんなことができるので、どんなことでも嬉しいし楽しいし。いろんなことにチャレンジしたいです。

2012-06-14 06:21:33

スタジオに戻ります

とし @toshihiro36

国谷:今のリポートで薬に頼るのではなく、宮尾先生は「もう少し子どもの立場に立った対応が必要だ」とおっしゃってましたけれども。どのように見てらっしゃいました?

2012-06-14 06:24:38
とし @toshihiro36

石川:まったくその通りですね。発達障害であろうとなかろうと、子どもの行動の背景には必ず心の動きがあるわけですね。その心の動きさえわかると、ダメだと思っていることが全く違って見えてくる。

2012-06-14 06:28:38
とし @toshihiro36

石川:例えば、ある子どもは牛乳のにおいが嫌なので、給食を食べないようにして我慢していた。それでも食べさされると吐いちゃう。それを繰り返すうちに、我慢していると食べろと怒られるので...我慢というのは子どもにとって一生懸命の行為なのに、それを否定されてどうしていいかわからなくなる。

2012-06-14 06:35:14
とし @toshihiro36

石川:それで教室の中で、いろんな行動をし出す子どもがいる。そこが表面だけみると、いろんな行動を起こす変な子だと見られて、病院に連れてこられることがありますし。あるいは、よくちょっかいを出すので連れてこられる子どもがいるんですが、

2012-06-14 06:41:48
とし @toshihiro36

石川:大抵の子どもが何かするのは、気分を変えたいか認められたくてするんですよね。そういう子どもを押さえつけるんじゃなくて、むしろ役割を与えてみる。役割を発揮したらみんなが喜ぶし、自分ができたと思うとすごく嬉しくなる。そうすると、ちょっかいを出すという行為が楽しいものに変わってく。

2012-06-14 06:46:42
とし @toshihiro36

石川:病気と見るんじゃなくて、その背景にある心をどうやったら生かせるか。その子の特色を生かせるかというふうに見ていく必要があるんだけれども…今の先生たちは、そのゆとりを奪われているように思いますね。

2012-06-14 06:49:32
とし @toshihiro36

国谷:実際に薬の投与が必要だというお子さんもいらっしゃる。しかし薬を投与しなくても改善できるというのは、どれくらい?

2012-06-14 06:51:56
とし @toshihiro36

石川:12歳ぐらいまでの子どもは、よほど生命の危機にあるとか生活が危ないということを除けば…そういう数%の人を除けば、ほとんどが実は薬なしで問題を乗り越えていけると考えています。

2012-06-14 06:56:40
とし @toshihiro36

国谷:先ほどのリポートにもありましたけれども、長期的な薬の体への影響って、まだわかっていないんですよね?

2012-06-14 06:58:18
とし @toshihiro36

石川:ええ、実は調査自体が…これは原子力の問題と同じで10年・20年・30年ではすまないほどの問題が、調査の中で出てくると思うんですね。しかしそれを手掛けた研究は非常に少ないし、ようやくヨーロッパの一部で危険を警告するような雰囲気は出てますが、まだ確定したものは出てません。

2012-06-14 07:30:04
とし @toshihiro36

国谷:薬をいったん始めて大量に飲んでいると、それを止めることが難しいんですね?

2012-06-14 07:31:58
とし @toshihiro36

石川:ええ、止めることはできるんですけれども…慎重に止めないと、止めること自体による、向精神薬には離脱という恐ろしい反応がありますし…薬によってはてんかんで命がなくなることもあるので、必ず医者と相談する。

2012-06-14 07:38:04