放射線からの防護か、放射線の防護か?

ICRPに関するドイツ語の文書の拾い読み。拾ったとこに関してはだいたい何か元になる資料が引用されていますが、そうでないところも多いので、全体としてなにかとても信用できる文書というわけではないですが、ポインタとしてはまあ使えるのではないかと思います。
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Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49PxhLl の続き。さらに80年代の終わりになると、色々な調査によって、当時のICRPのリスク評価は10分の1くらいに過小評価していたということを示す研究も出てきた。

2012-02-22 12:41:01
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49PxhLl の続き。これを受けて、ICRPも独立な調査グループを作って勧告の見直しをすることになった。委員の中にはリスク評価を4倍にするべきという人もいた。1986年にはコモで会議が開かれる。

2012-02-22 12:41:07
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49PxhLl の続き。会議の結果どうなったかというと、「職業被曝の線量限度の見直しをするまでの十分な情報ではない」ということになった。一般被曝限度の1mSv/yも変更なしで、1990年になるまで勧告は変わらなかった。

2012-02-22 12:41:14
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49PxhLl の続き。一方イギリスの放射線防護機関は独自の勧告で、ICRPの3分の1から4分の1の線量限度をおいた。この動きを受けてICRPは生物的な概念でなくacceptable riskから社会的なtolerable riskを使うことにした。

2012-02-22 12:41:20
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49PxhLl の続き。1990年にはICRPの新しい勧告(pub. 60)が出版される。ここでは、新しい調査に基づいて放射線のリスクが4倍から5倍に改められたのに、線量限度は全く減らされなかった。

2012-02-22 12:41:26
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49PxhLl の続き。そのころには放射線のリスクがもっと大きいことを示す研究も出てきていたが、これらはICRPで採用されることはなかった。その理由の1つは、新しい研究は広島-長崎のデータと合わないからということだった。

2012-02-22 12:41:32
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49PxhLl の続き。1977年の勧告(pub. 26)では、50mSvの被曝がでガン死リスクが1/2000増えるということになっていた。これは、当時の言葉では「acceptableな被曝量の下」ということだった。

2012-02-22 12:41:37
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49PxhLl の続き。これが1990年の勧告では次のように変わる。まず、一年ごとの線量限度は柔軟でないので、5年で100mSvまでとする。これは年平均では20mSvまでということになる。

2012-02-22 12:41:44
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49PxhLl の続き。この間放射線のリスク評価が4-5倍に改められたのだから、これはガン死のリスクが1/1000増えるということになる。acceptableなリスクが以前の2倍になったわけだが、これに関する説明は何もなかった。

2012-02-22 12:41:49
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49PxhLl の続き。一年では最大50mSvまで被曝してよいということになった。ICRPはこういう被曝はALARA原則に基づけばほとんど起こらないと言ったが、再処理施設やウラン濃縮過程ではさらなる高線量被曝が起こっていた。

2012-02-22 12:42:01
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49PxhLl の続き。このほかにも、フランスの放射線防護機関はさらなる柔軟性のため生涯1000mSvを求めた。その後、ICRPは1990年の勧告で生涯1Svの文言を加えて、原子力産業には歓迎された。

2012-02-22 12:42:07
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49PxhLl の続き。20年間ICRPに協力したKarl Morgan http://t.co/Ffsg9EeO は次のように言った。「ICRPは歴史上有用だったが、一度も原子力のエスタブリッシュメントに反対したことはない。」

2012-02-22 12:42:12
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49PxhLl の続き。20年間ICRPに協力したKarl Morgan 「私は、そのような組織(ICRP)に自分の人生をささげてよいのかどうか確信が持てない。」おわり。

2012-02-22 12:42:16
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49KZHCb の補足。新しい勧告(ICRP pub. 60)では、前の勧告(pub. 26)から比べて新しい証拠が集まって、同じ線量でのリスクが4-5倍に修正され、労働者の線量限度は50から20mSv/yに引き下げられた。

2012-06-14 08:13:38
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49KZHCb の補足。線量限度の引き下げに関するフランスの当局は労働者に関して生涯1Svの限度を要求した。フランス原子力委員会の専門家のコメント「引き下げは大衆と原子力産業の労働者に心理的な悪影響を与える。」

2012-06-14 08:13:45
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49KZHCb の補足。リスクの修正の前は、大衆の1mSv/yの限度はtolerableとされていた。リスクが5倍程度に修正された後もこの1mSv/yは変更がなかった。これはICRPに協力したMorganからも批判された。

2012-06-14 08:13:52
Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

これhttp://t.co/d49KZHCb の補足。リスクが大きくなってもそれは必ずしも限度の引き下げを意味はしない、という。ALARA原則によって大きなリスクも吸収できるのだ、と。(この件参照文献なし)

2012-06-14 08:14:02