藤原編集室(@fujiwara_ed)さんのH・R・ウェイクフィールド『ゴースト・ハント』収録作紹介

藤原編集室(@fujiwara_ed)さんのH・R・ウェイクフィールド『ゴースト・ハント』収録作を紹介,関連情報等も追加
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藤原編集室 @fujiwara_ed

この作者得意の幽霊屋敷ものですが、面白いのはこの屋敷の主人が意地のわるい婆で、屋敷に出没する幽霊をネタに、使用人の中年女性を死ぬほど怖がらせるのを何よりの愉しみにしているところ。

2012-06-26 09:43:22
藤原編集室 @fujiwara_ed

事実、過去に何人も屋敷内で使用人が死んでいて、村の牧師夫人に言わせればそれは「恐怖のため」でした。老主人はわざと夜、人気のない部屋へ物を取りにやらせたり、夕食後にM・R・ジェイムズの怪談集や『ジル・ド・レの生涯』を朗読させたりして、使用人を精神的に追い詰めていきます。

2012-06-26 09:43:58
藤原編集室 @fujiwara_ed

シリアスな作風のウェイクフィールドですが、本作や「湿ったシーツ」などには、奇妙な、ねじくれたユーモア(sick humor)が横溢しています。心配した牧師夫人は、夫の牧師を動かしてなんとか彼女を助けようとするのですが・・・。

2012-06-26 09:44:31
藤原編集室 @fujiwara_ed

ちなみに「死の勝利」「湿ったシーツ」の訳者は倉阪鬼一郎氏。恐怖とユーモアの配合が絶妙な翻訳となっています。

2012-06-26 09:48:23
風間賢二 @k_kazama

いよいよ明日だ。H・R・ウェイクフィールドの短編集「ゴースト・ハント」(創元推理文庫)の刊行。M・R・ジェイムズやデ・ラ・メアなどの正調英国幽霊譚の最後の書き手と言われているが、実はもうひとりいる。ロバート・エイクマン。本邦では短編集「奥の部屋」がある。そんな彼の誕生日は今日。

2012-06-27 22:06:14
藤原編集室 @fujiwara_ed

H・R・ウェイクフィールド『ゴースト・ハント』(創元推理文庫http://t.co/JaXVM80Y)収録作紹介の八日目は、本傑作集を締めくくる中篇「蜂の死」。

2012-06-28 08:37:52
藤原編集室 @fujiwara_ed

オペラ歌手のディリスは、ウィーン公演から帰って以来、ある悪夢をくりかえし見るようになります。夢の中では、彼女の家の下に深い穴があいていて、その底に一個の巨大な爆弾が鎮座し、カチカチと音を立てているというのです。

2012-06-28 08:38:46
藤原編集室 @fujiwara_ed

いつかその爆弾が大爆発をおこすのでは、と不安がるディリスに、夫のテレンスは精神科医の診察を受けるよう勧めるのですが・・・。夢の暗示や呪いをテーマとしながら、初期のストレートな幽霊譚とはまったく異なる肌触りのモダン・ゴースト・ストーリーに仕上がっています。

2012-06-28 08:39:53
藤原編集室 @fujiwara_ed

この作品は作者の死後発見された未発表原稿で、アメリカでのウェイクフィールド紹介に尽力したオーガスト・ダーレスが、アーカムハウス刊行のアンソロジーに収録して、初めて陽の目を見ました。

2012-06-28 08:41:56
藤原編集室 @fujiwara_ed

初期の伝統的な幽霊譚から心理ホラー的味わいの晩年の傑作まで、英国怪奇小説の粋を集めたH・R・ウェイクフィールド怪談集『ゴースト・ハント』(創元推理文庫)、本日発売です。

2012-06-28 08:43:14
風間賢二 @k_kazama

H・R・ウェイクフィールド「ゴースト・ハント」(創元推理文庫)を恵贈賜りました。英国正調幽霊譚の最後の継承者であり、両世界大戦間に人気のあった短編の名手の傑作選。以前刊行されていた作品集「赤い館」から九編、他の既訳四編、本邦初訳五編の全十八篇。未発表中篇「蜂の死」が目玉らしい。

2012-07-01 19:15:02
風間賢二 @k_kazama

H・R・ウェイクフィールドの短編集「ゴースト・ハント」の元ネタ短編集「赤い館」をラインナップに加えている<魔法の本棚>叢書(国書刊行会)の全作品リスト。http://t.co/UXV4Y57fお次はロバート・エイクマンを今回の「ゴースト・ハント」のようにして復活させてほしいね。

2012-07-01 19:22:14
藤原編集室 @fujiwara_ed

今日はオーガスト・ダーレスの命日。ラヴクラフト作品の出版に尽力したダーレスだが、H・R・ウェイクフィールドにとっても恩人といっていい。戦後、英国では発表の場をなくしていたウェイクフィールドの短篇集をアーカム・ハウスから出版。没後発見された未発表作品をアンソロジーに収録した。

2012-07-04 09:25:32
藤原編集室 @fujiwara_ed

『ゴースト・ハント』のセレクションはウェイクフィールドBest of bestだと思っているが、「防人」(『恐怖の愉しみ』)、「ダンカスターの十七番ホール」(『怪談の悦び』)は、同じ創元推理文庫収録でなければ採りたかった作品。

2012-07-04 09:38:42
藤原編集室 @fujiwara_ed

現在、西崎憲さんが準備中の怪奇小説アンソロジーにも、ウェイクフィールド作品が予定されている。

2012-07-04 09:38:59
藤原編集室 @fujiwara_ed

ところで『赤い館』ではウエイクフィールドだったのが、『ゴースト・ハント』ではウェイクフィールドと、いつのまにか「エ」が小さくなっちゃって書誌的には面倒なことになってしまったが、これは『怪談の悦び』『怪奇礼讃』の創元表記に倣ったもの。御諒解いただきたい。

2012-07-04 09:43:39
藤原編集室 @fujiwara_ed

東京創元社F嬢より、ウェイクフィールド『ゴースト・ハント』重版決定のお知らせをいただく。「忽ち重版」。何度聞いても好い言葉である。

2012-07-05 12:50:56