ハートネットTV「シリーズ貧困拡大社会 File.6 若い世代を襲う“住まいの貧困”」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

6月19日にNHK・Eテレで放送されたものを文字起こししています。 司会:山田賢治アナ ゲスト:倉田真由美(漫画家) 湯浅誠(反貧困ネットワーク事務局長)
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とし @toshihiro36

<ナレーション> 2008年の金融危機以降、違法な追い出しが増え、相談件数は50を超えました。最近では法律の目をかいくぐろうとする、悪質な手口も見られるといいます。

2012-06-20 16:01:52
とし @toshihiro36

林:これをちょっと見てほしいんですが、賃貸借契約書じゃなくって、施設付鍵利用契約書と書いてあるんです。 「鍵利用権として施設を使用することを目的とし賃貸権ではありませんので、居住権・営業権については認められません」という契約になっているんです。鍵を貸しているだけですと。

2012-06-20 16:09:33
とし @toshihiro36

林:ホテルなんかでいえば、その日のうちの料金を払わなかったら、その部屋には入れないでしょと。それと同じことですよ。

2012-06-20 16:17:05
とし @toshihiro36

<ナレーション> こうした違法な追い出しが広がっている背景には、賃貸契約のあり方が変化してきたことがあるといいます。近年、借主が家主と契約を結ぶ際不動産会社に加え、連帯保証人として保証会社と呼ばれる業者が加わるケースが増えています。

2012-06-20 16:21:37
とし @toshihiro36

<ナレーション> 借り主がこの保証会社に委託料を払うことで、家賃を滞納した時には代わりに家主に支払ってもらう仕組みです。ところが保証会社によっては借り主が家賃を滞納した場合に、肩代わりするどころか家主への家賃を保証するという名目で、違法な追い出しをするケースが相次いでいるのです。

2012-06-20 16:29:16
とし @toshihiro36

林:あくまでもビジネスとしてやってますんで、家賃が入らなかったということになると契約している大家さんに、自分たちが契約不履行の責任を問われてしまう。ということになりますから、早く出ていってもらう。また募集をかけて、新たな人に入ってもらった方がいいだろうと。

2012-06-20 16:33:14
とし @toshihiro36

<ナレーション> 本来、借り主を守ってくれるはずの保証会社が、手っ取り早く家賃を回収するため、違法な追い出しを繰り返す。雇用環境が悪化し収入が不安定な人が増えるなか、家を失うリスクが高まっているのです。

2012-06-20 16:36:11
とし @toshihiro36

<ナレーション> 突然アパートに鍵をかけられた森田さんも、保証会社によって追い出しを迫られています。しばらく連絡をとっていなかった親戚に頼み込んで居候できることになりましたが、家は手狭で長くはいられないといいます。さらに家を失ったことで、仕事にも大きな支障が出ています。

2012-06-20 16:41:16
とし @toshihiro36

<ナレーション> 個人で自動車の販売をしている森田さんは、自分の部屋を拠点に営業活動をしてきました。そのため顧客情報が入ったパソコンは部屋に残したままで、取り戻すことができません。

2012-06-20 16:43:44
とし @toshihiro36

森田:基本的に住むところがないと、何も動けないので。結果、その足元っていうんですか、そこがしっかりしてないとというのはあるもんですから。私が悪いといえば悪いんですが、それをくんでもらえないというのもちょっと不条理なのかなっていうのは、思うところはありますね。

2012-06-20 16:47:57

スタジオに戻ります

とし @toshihiro36

山田:この男性なんですが、現在弁護士と相談して保証会社との交渉を続けているということです。倉田さん、どうご覧になりました?

2012-06-20 16:50:56
とし @toshihiro36

倉田:どの立場に立つかによって、全然見方が変わってくる問題だなと。いきなり鍵をかけられて困っている方の言い分もわかるんですけど、家主さんは家主さんで2か月滞納されたら困るでしょうし。どうして解決していいか、わからなくなっちゃいますよね。

2012-06-20 16:55:28
とし @toshihiro36

湯浅:大家さんの側からするとお金が入ってこない。お金が入ってこないのは大問題ですけど、他方追い出されちゃうとこっちは生活の基盤を失うと。この重みがちょっと違うので、それで1か月程度の滞納であればそんなに簡単に出しちゃだめですよと。

2012-06-20 17:01:19
とし @toshihiro36

湯浅:大家と賃借人の信頼関係が壊れたといえるくらいのことがないと、簡単には追い出しちゃだめですよというのが、日本の裁判所の考え方だったんですが。この間に保証会社みたいなところが出てきて、悪質なところが大家や不動産屋に代わって出しちゃうという、事実上の脱法行為なんですが。

2012-06-20 17:06:40
とし @toshihiro36

湯浅:そういうことをやってきているということで、だんだんと住まいの不安定さが広がってきてるという感じだと思うんですよね。

2012-06-20 17:08:12
とし @toshihiro36

山田:そうした家を失うリスクがある一方で、こんなデータがあります。総務省の調査ですが、2008年の時点で全国に756万戸の空き家があるということなんですね。東京都だけでも空き家は75万戸に上っています。

2012-06-20 17:13:17
とし @toshihiro36

山田:そうした中、民間の支援団体が住まいの問題を抱える人たちのために、自分たちで家を確保しようと立ちあがりました。その活動を取材しました。

2012-06-20 17:14:55

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 東京・立川市のアパートに、住まいの問題を抱える人が助けを求めに来る部屋があります。NPO法人「さんきゅうハウス」。2年前ホームレスの支援活動を始めて以来、相談に来る人は年々増加。今では毎日15人ほどが訪れます。ここでは温かい食事を無料で食べられます。

2012-06-20 17:19:43
とし @toshihiro36

<ナレーション> 家も仕事もなく、食事さえままならない人たちにとって、唯一のくつろげる場所になっています。風呂も用意され、路上生活で疲れ切った体をリフレッシュできます。さんきゅうハウスを利用できるのは月曜から土曜の日中、午後12時から6時までです。

2012-06-20 17:24:33