- toshihiro36
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<ナレーション> しかし慣れない肉体労働で足にけがを負い、仕事に行けず食料の支援をけています。 漁船の乗組員をしていたという佐藤一郎さんです。日雇いの仕事が入るようになり、連日働き続けていました。
2012-06-23 11:11:38<ナレーション> 仕事は港での荷揚げ作業、マイナス20℃の冷凍庫の中で20キロの荷物を朝から晩まで運び続ける仕事です。休みも取らず作業を続けていたところ、腰を痛めました。
2012-06-23 11:13:21<ナレーション> 診断の結果は腰椎狭窄症。入院し、手術を受けることを勧められました。しかし経済的な理由で断りました。 2週間後、佐藤さんのもとを再び訪ねました。5日間通院したところで、治療費が尽きたといいます。
2012-06-23 11:22:53佐藤:通帳の残金は千円以下ですよ、もう。ほら(財布に)60円しか入っていません。体が変なふうになってしまったし、いったいこの先どうなるのかと思って…
2012-06-23 11:25:53<ナレーション> 美容室を再建した米谷康予さんです。開店して2ヶ月、予想していたようにはお客さんがもろらず、二重ローンを返済していくことが難しくなっていました。
2012-06-23 11:33:23米谷:仕事で県外に行っちゃってるお客さんとか…だから前にいた固定客の人たちの人数はいないだろうなっていう。借金の金額が少ないんだったら、たぶん何とでもなるかもしれない。でも2つ分というのは、かなり重いですよね。いったいどこまで働けばいいんだろう。
2012-06-23 11:37:20<ナレーション> 借金の返済を何とかしなければいけない。米谷さんは1500万円のローンが残った自宅と土地を、売りに出すことを決めました。津波で壊滅的な被害を受けた地区にある自宅。しかし行政による土地の買い上げや、代替地の提示など救済措置はありません。
2012-06-23 11:42:29<ナレーション> 建設業者やボランティアが、詰め所などに利用するかもしれない。一縷の望みをかけた米谷さん…しかしひと月たっても、買い手は現れませんでした。米谷さんは石巻に支所を作った復興庁に相談することにしました。二重ローンをどうしたらいいのか、頼れる先はもうここしかありません。
2012-06-23 11:47:05復興庁(電話):あの、自営業者様の二重ローンについてですね、相談窓口の方が石巻商工会議所のほうで相談する窓口があるんです。
2012-06-23 11:52:16米谷:政府広報の生活事業再建ハンドブックって、これかなりの数が震災から出てますよね。それでいつ(電話を)かけてみても、いつ見ても…すごい使えるようなことが書いてあるんですけど。いっつもこうやってたらい回しにされて…
2012-06-23 11:56:29米谷:とりあえず生きていく理由が見つかればいいんですよ。よし頑張るぞって。これだったらやっていけそうだって…それでいいんですよ。多くは望まないし、すごくラッキーだってことも望まないから…これだったらやっていけそうだって…思えればいいかなって。
2012-06-23 13:08:56米谷:そういう方向に動いてくれればいいんですけど、そういう方向にいっこうに動いてないから、他の人も全部。だから苦しんでいるんですよ、自営業者は。
2012-06-23 13:11:36<ナレーション> 元水産業の末永政次さんです。はたして仕事は見つかるのか。この日、希望する会社に面接の申し込みをしました。第一志望の会社の面接を受けられることが決まりました。しかし、思わぬ条件がつけられました。
2012-06-23 13:19:57ハローワーク職員:一定期間(3ヶ月)働かせてもらった後に、正社員での雇用がなるかならないかは…ご本人様が希望しない場合でも、事業主の判断で3ヶ月で終了してしまう可能性があるんです。
2012-06-23 13:24:20<ナレーション> 採用されても、働ける期間は3ヶ月。その後の保証は全くないというものでした。57歳の末永さん、先行きが見えないままの再出発です。 被災地で失業状態の人は、今も10万人を超えるとみられています。復興への道筋が見えないなか、被災地は2度目の夏を迎えようとしています。
2012-06-23 13:30:05