NHKスペシャル「産みたいのに産めない~卵子老化の衝撃~」書き起こし #nhk

6月23日に放送されたものを文字起こししています。
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とし @toshihiro36

智子:なんとか自分の子供を、自分の手に抱きたいと思ったんですね。絶望という言葉…私はやっぱり自分の子供は抱けないのかなって…現実を突きつけられたとしか思えませんでした。

2012-06-24 14:02:11
とし @toshihiro36

<ナレーション> WHO・世界保健機関によると、実は不妊の原因の半分近くは男性にあるとされています。しかしそのことを自分の身に置き換えて考える男性は多くありません。自分の検査の遅れが妻の不妊を招いてしまった。誠さんはいま、自責の念にかられています。

2012-06-24 14:06:42
とし @toshihiro36

誠:もっと早いうちに言っていれば、たぶん(子供が)できていたと思いますし…二人の子供ができていたなという思いはあります。こんな思いはしなくても…それはすごく後悔しています。

2012-06-24 14:09:58
とし @toshihiro36

<ナレーション> 今回のアンケートでは不妊治療に取り組んだ男性からも、多くの声が寄せられました。

2012-06-24 14:12:13
とし @toshihiro36

アンケート回答:「自分に不妊の原因があると言われるのは、かなりの精神的ショックがある。社会的な問題としてとらえ、治療の必要性や精神的なサポート体制を整える必要がある」

2012-06-24 14:18:38
とし @toshihiro36

アンケート回答:「男性が原因での不妊が多いが、見栄や仕事の都合で、男性が率先して治療することが少ない。そのことを解決しないと、不妊治療の実績が上がらないと思う」

2012-06-24 14:19:29
とし @toshihiro36

アンケート回答:「いくつかの病院に通院した結果、男性不妊に詳しい医者はまだまだ少ないと知った。不妊治療はもはや女性だけの問題でないことを、もっと世の中に知ってほしい」

2012-06-24 14:21:58
とし @toshihiro36

<ナレーション> これまで国の不妊対策は費用の一部助成にとどまり、不妊を急増させている社会的要因には目を向けてきませんでした。厚生労働省は事態の深刻さを認め、今後実態の把握を進めて対策を検討したいとしています。

2012-06-24 14:25:31
とし @toshihiro36

小宮山厚労相:女性が働き続けながら(子供を)持ちたい時期、いちばん妊娠をしやすい年齢で、躊躇なく子供を産み育てたいと思ったらできる…そういう仕組みと意識を作っていくことが、非常に重要だと思います。政府としてもいままで足りなかった部分を、両輪でやっていきたいと思っております。

2012-06-24 14:34:55
とし @toshihiro36

<ナレーション> 不妊はいま世界共通の課題となっています。WHOは不妊に悩む人が、世界で1億8600万組になると推計。そして不妊は当事者にとって精神面だけでなく、社会的にも経済的にも重大な影響を及ぼす悲劇だと指摘しています。

2012-06-24 14:39:42
とし @toshihiro36

<ナレーション> 日本の状況の深刻さは、世界の中で際立っています。体外受精を行う女性のうち、40歳以上の人の割合はおよそ30%。他の先進国の2倍から4倍になっています。

2012-06-24 14:44:04
とし @toshihiro36

<ナレーション> 不妊の問題にどう取り組むのか、国を挙げて対策を進めてきたのがフランスです。人々の間では、卵子が老化していくことは広く知られています。年齢とともに妊娠しづらくなることを、国は教科書やパンフレットを通して若者に伝えています。

2012-06-24 14:49:15
とし @toshihiro36

<ナレーション> この問題への関心は高く、新聞や雑誌でも繰り返し取り上げられてきました。不妊治療を支える制度も、日本とは大きく異なっています。不妊治療に年齢制限が設けられているのです。

2012-06-24 14:52:35
とし @toshihiro36

<ナレーション> フランスでは体外受精などに全額保険が適用されますが、対象となる女性は42歳までです。年齢に制限はなく、費用の一部しか助成されない日本とは対照的です。時期を限って手厚くサポートすることで、できるだけ早く不妊と向き合うことを促しているのです。

2012-06-24 14:56:48
とし @toshihiro36

フランス生物医学庁・所長:フランスではよくこう言われています。「すべてのことには適した時がある」と。国としては子供を産むのを40歳ごろではなく、30歳ごろにしてほしいのです。それに年齢が上がるほど、不妊治療の体への負担が高くなりますからね。

2012-06-24 15:01:36
とし @toshihiro36

<ナレーション> さらにもうひとつ不妊治療を受けるために、欠かせない条件があります。男女そろって治療に臨むことです。病院にはそれぞれの診療科が設けられています。二人が不妊の原因を一緒に調べなければ、保険は適用されません。

2012-06-24 15:06:23
とし @toshihiro36

<ナレーション> 治療のため仕事を休む場合、会社に申請すれば男女とも認められる制度もあります。 卵子が老化する前に妊娠・出産ができるよう、社会全体で支える仕組みが整っているんです。

2012-06-24 15:08:46
とし @toshihiro36

<ナレーション> 各国が対策に乗り出すなか、日本は特に遅れていると指摘する研究者がいます。イギリス・カーディフ大学のジャッキー・ボイバン教授です。2年前、世界18カ国で妊娠に関する意識調査を行いました。日本は卵子の老化に関する知識が最低レベル。

2012-06-24 15:13:54
とし @toshihiro36

<ナレーション> 家族や友人と不妊について話し合う頻度は最下位でした。夫婦間でもめったに話さないという人がほとんどでした。ボイバン教授は不妊の問題をこれ以上深刻化させないために、社会全体で向き合うべきだと警告しています。

2012-06-24 15:17:22
とし @toshihiro36

ボイバン:日本の人たちは不妊についての正しい知識がないために出産の時期が遅れ、結果的に子供を持てなくなってしまっているのです。フランスの制度をそのまま日本に取り入れればよいというのではない。不妊の問題をタブーにせず、日本に最もふさわしいやり方を社会も個人も議論することが大切です。

2012-06-24 15:24:34
とし @toshihiro36

<ナレーション> 不妊について家族の間でさえ、触れるのを避けてきた日本。自らの体験を語ることで現状が変わればと、実名で取材に応じてくれた夫婦がいます。福岡県に住む永松昭洋さん41歳、ルミ子さん38歳です。

2012-06-24 15:37:37
とし @toshihiro36

<ナレーション> 昭洋さんは精子を作る機能に障害があり、そのことで周囲から心ない言葉をかけられてきました。

2012-06-24 15:38:09
とし @toshihiro36

昭洋:「子供はおらんの?」と言われると、いつも俺は彼女の名誉ばまもるために「俺ができないんですよ」とずっと口癖のように言ってきた。そしたら今度は、こいつも俺をかばって「私も子供はいらんけん」と。

2012-06-24 15:41:44