NHKスペシャル「産みたいのに産めない~卵子老化の衝撃~」書き起こし #nhk

6月23日に放送されたものを文字起こししています。
50
とし @toshihiro36

川口:受精卵って読んでますけど、やっぱりすでに命があると思っているので。余計にダメだった時のショックっていうんですかね、この子たちに申し訳ないというか…

2012-06-24 12:39:09
とし @toshihiro36

<ナレーション> 川口さんの家には、誰も使っていない部屋があります。10年前に家を建てた時、生まれてくる子供のために作った部屋です。

2012-06-24 12:41:28
とし @toshihiro36

川口:やっぱり早く使える日が来ないかなとは思ってますね。ちょっと空回りしてますけど、今は。早く使える日が来るといいなと思っています。

2012-06-24 12:43:36
とし @toshihiro36

<ナレーション> 卵子の老化が原因での不妊治療は、保険の対象にはなりません。川口さんが、これまで6回の治療にかけた費用は180万円。一部助成金が出ますが、大半は自己負担です。40歳で体外受精がうまくいくのは1割に満たないと、見尾さんから説明を受けています。

2012-06-24 12:48:31
とし @toshihiro36

<ナレーション> それでも川口さんは、7回目の体外受精に臨みます。

2012-06-24 12:49:37
とし @toshihiro36

川口:卵子も老化してくるし、卵巣もだんだん弱ってくるので…やっぱりできるだけ早く結果を出したいという気持ちがあるので。焦っていると言われればそれまでですけど、休んでなんかいられないっていう感じですね。

2012-06-24 12:53:13
とし @toshihiro36

<ナレーション> 子供が欲しいという、患者の切実な思いを受け止めてきた見尾さん。医師ですらどうすることもできない卵子の老化という現実を前に、苦悩を深めています。

2012-06-24 12:56:04
とし @toshihiro36

見尾:多くの方が結果が出なかった時に、涙を流されて…がっかりされて、失意の表情をされるんですね。我々としてはご夫婦になんとしても喜んでいただきたい、夢をかなえてあげたいとやってますけど…そういう現実にぶつかると申し訳ない気持ちも生じますし、自分たちの無力さも感じますよね。

2012-06-24 13:01:12
とし @toshihiro36

<ナレーション> なぜ卵子の老化による不妊がここまで広がったのか。今回行ったアンケートからは、女性を取り巻く社会や環境の変化がその背景のあることが見えてきました。

2012-06-24 13:04:47
とし @toshihiro36

アンケート回答:「私の世代は女性総合職として期待され始めた世代で、出産どころか結婚自体はばかられた時代でした」「私はいわゆるロストジェネレーションの世代。就職氷河期だった。それでもなんとか得た正社員の職。努力し続けていたら、いつの間にか30代になっていた」

2012-06-24 13:10:41
とし @toshihiro36

アンケート回答:「キャリアが落ちついてから子供を持つことを検討しましたが、すでに妊娠しにくい年齢です。仕事を持つ女性にとって、厳しい社会だと痛感しています」

2012-06-24 13:13:27
とし @toshihiro36

<ナレーション> 結婚や出産を顧みる事ができずに、働き続けてきた女性たち。首都圏に住むこの女性も、そうした一人です。佐藤直美さん44歳、2年前から不妊治療を続けています。佐藤さんは大学卒業後、医療関係の仕事に就きました。

2012-06-24 13:18:33
とし @toshihiro36

<ナレーション> 女性の社会進出が本格化し、男性と同じように働くことを求められた時代でした。

2012-06-24 13:19:12
とし @toshihiro36

佐藤:20代で結婚しなくてもいい。もう20代はとにかく仕事で。自分が社会で一人前にならないと、認めてもらえないという思いが強かったです。

2012-06-24 13:22:15
とし @toshihiro36

<ナレーション> 30代になると重要な仕事を任され、残業や休日出勤も増えました。専門性を高めるため、家に帰っても勉強を続ける毎日でした。

2012-06-24 13:25:39
とし @toshihiro36

佐藤:いろんな仕事を任せてもらえるようになって、今まで学んできたものが生かせるようになった時でしたね。結婚のことはすごく言われて、でも全然気持ちがそこに向かない。

2012-06-24 13:28:31
とし @toshihiro36

<ナレーション> ようやく結婚したのは41歳のとき。子供はすぐに授かると思っていました。これまでに3回体外受精を行いましたが、うまくいっていません。

2012-06-24 13:30:47
とし @toshihiro36

佐藤:今思えば、何やってたんだろうって思いました。(卵子の老化を)知らなかった自分が悪かったんじゃないかと思ったり…自分を責める気持ちがあるんですね。

2012-06-24 13:33:17
とし @toshihiro36

<ナレーション> 卵子の老化による不妊を、自らの責任として抱え込む女性たち。アンケートからは、夫が不妊に向き合わないことが、さらに女性たちを追い詰めている現実も浮かび上がってきました。

2012-06-24 13:36:11
とし @toshihiro36

アンケート回答:「体の不調、精神的負担それをパートナーが理解してくれない。なぜ自分一人が苦しむのか。治療は二人でするものです」「夫が検査を拒否し続けたのも、治療に時間がかかったところです。不妊は女性が原因という考えが、まだまだ根深くあると思います」

2012-06-24 13:40:43
とし @toshihiro36

<ナレーション> 田中智子さん、46歳です。25歳で結婚、8年経っても子供ができなかったため、夫の誠さんに「一緒に病院で検査を受けよう」と何度も話しました。しかし、誠さんは拒みつづけました。もしも不妊の原因が自分にあったらと恐れていたのです。

2012-06-24 13:45:30
とし @toshihiro36

誠:実際に病院に行って(自分が原因で、子供が)できないと言われる怖さもあって、ちょっと行く勇気がなかった。

2012-06-24 13:47:48
とし @toshihiro36

智子:その話をすると、すごく嫌がるんですよね。もうそこには触れられないといいますか。もう絶対に行かないの一点張りだったので。よっぽどプライドを傷つけるのかなと思いまして。それ以上言ったら、何かが壊れるんじゃないかと思ったり…

2012-06-24 13:51:34
とし @toshihiro36

<ナレーション> 誠さんがようやく検査を受けたのは、結婚してから13年後。原因は誠さんにありました。それでも体外受精をすれば、子供はできると説明されました。このとき智子さんは、すでに38歳になっていました。

2012-06-24 13:55:57
とし @toshihiro36

智子さんの日記:体外受精を10回以上繰り返し、一度は妊娠しましたが、流産してしまいました。「卵子の老化が原因」と医師から言われました。

2012-06-24 13:58:41