「じゃあ、また次の冬に会いましょう?かき氷でも振る舞ってあげる」「……実際死ぬので遠慮しておくわ」「冗談よ」レティはくつくつと笑う。「それでは、私は異変の元へ向かわねば。お嬢様の障害を叩き潰す。ところで、チルノ=サン」「?」 23
2012-06-24 19:22:41「瓶を返すわ」「それは、アタイの聖戦に必要な!」「それは何かしら?チルノ=サン」「こ、これは、その」チルノは慌てて逃げる!「待ちなさい!」「だって!レティの魂を安らげるのに……!」「そこに安らぎは実際無い!イヤーッ!」「アイエッ!」チルノはツッコミを受け、がくりと項垂れる。 24
2012-06-24 19:25:28「オタッシャデ、レティ=サン。カラダニキヲツケテネ!」「オタッシャデー」次の瞬間、イザヨイ・サクヤは姿を消していた。残された二人は、終わり行く冬を惜しむように雪だるまを作り始めた。 25
2012-06-24 19:26:18雲の上にたどり着いたイザヨイ・サクヤは驚愕していた。本来凍える寒さであるはずの空中が、ほのかに暖かいのだ。「どうやら、レティ=サンの言っていたことは本当のようね。上空のほうが暖かいなど、素敵すぎて涙が出るわ」風に混じって舞う、桜の花びら。 27
2012-06-24 19:29:13「春ですよー」「あれは……春ヨウセイか」春ヨウセイ、リリーホワイト。彼女は春が近づくと現れ、人々に春の到来を告げるヨウセイである。「春ですよ、イヤーッ!」だが、彼女には欠点がある。春の訪れを告げたいあまり、その溢れる想いがダンマクとして放たれるのだ! 28
2012-06-24 19:31:27「春ですよ!」「春ですよ!イヤーッ!」「グワーッ!」通りすがりのクローン毛玉にダンマクをぶつけ、飛ぶ!「春ですよ!」「春ですよ!」「春ですよ、イヤーッ!」「グワーッ!」通りすがりの雑魚ヨウセイにダンマクをぶつけ、飛ぶ!「春ですよ!イヤーッ!」 29
2012-06-24 19:32:46「イヤーッ!」サクヤはダンマクを回避し、ナイフを構えた。だが、次の瞬間!「グワーッ!?」リリーホワイトの結界にザ・フートンめいたショットが突き刺さる!さらにそこに飛来するマホウ・ミサイル! 30
2012-06-24 19:35:32「春……アババババーッ!サヨナラ!」リリーホワイトの結界は爆発四散!ムゴイ!確かに彼女は無差別だった!だが考えて頂きたい。ここまでされる謂れはない! 31
2012-06-24 19:36:59「ドーモ、サクヤ=サン。オヌシも無事に着いたのだな」「オイオイ、ヨウカイスレイヤー=サン。サクヤ=サンがそんなあっさりオタッシャするわけないだろう?」「ドーモ。信頼していただいてるみたいでなによりね」 32
2012-06-24 19:38:03「ところでお二人さん……何か音楽が聞こえないかい?」「音楽?」「うむ、聞こえるな。まるで、楽団のような」雲の上で聞こえるはずの無い旋律。それは、春の訪れを祝うように賑やかで、また不自然なほどに騒がしかった。 33
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