ヨウカイスレイヤー第二話「ネオシラタマ炎上」#5

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YOUKAISLAYER @YKSLYR

ヨウカイスレイヤー・第二話「ネオシラタマ炎上」#5

2012-07-02 19:46:13
YOUKAISLAYER @YKSLYR

(あらすじ:冬が終わらない異変を追いかける三人の人間。コウマカンの瀟洒なルームキーパー、イザヨイ・サクヤ。普通のマホウ使い、タカギ・マリサ。そして我らがヨウカイスレイヤー、ハクレイ・レイム。)

2012-07-02 19:46:38
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(彼女たちはそれぞれ違った道を辿り、雲の上の結界へと至った。そこに響き渡る謎の音楽。これは異変を終わらせる者への讃美歌か、あるいは葬送曲なのか?)

2012-07-02 19:47:33
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「この音楽……ヨウカイの仕業では無いな。私のヨウカイ感知力がそう告げている」「もしかしたら、ユーレイの一種、ポルターガイストかもしれないな。こないだパチュリー=サンから借りた本で見たぜ!私は詳しいんだ!」マリサが胸を張る。 1

2012-07-02 19:48:41
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「相変わらずの盗人根性ね、マリサ=サン。パチュリー=サンが泣いていたわよ」「失礼な。死ぬまで借りるだけだぜ」「それは……ほとんど違法行為よ」サクヤが呆れたような素振りを見せる。「……ホロウ、ナッシン……」他愛ない会話をする三人のあいだに、何者かの音楽が再度響く! 2

2012-07-02 19:49:24
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アンブッシュを警戒する三人!だが、どうやらその気配はない。「ヨウカイスレイヤー=サン、どうも三方向から音楽が聞こえるみたいだぜ」「また手分けした方がよさそうね……各個撃破したらここに戻りましょう」「ああ、わかったぜ」ヨウカイスレイヤーも無言で頷く。 3

2012-07-02 19:50:40
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「ホロウ、ナッシン、エンター、サツバツ、ホロウ、ナッシン……」暗い歌詞とともに響き渡るバイオリンの音。それを追うヨウカイスレイヤー。目の前に、陰気なアトモスフィアを纏った少女あり!それを感知したヨウカイスレイヤーがアイサツする!「ドーモ、ヨウカイスレイヤーです」 4

2012-07-02 19:51:30
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「ドーモ……ヨウカイスレイヤー=サン。ルナサ・プリズムリバーです」「早速インタビューだ。雲の上なのに桜が舞うのは何故だ?」「……ああ、それはアレだ。春になると気圧が……下がる」ルナサは的を射ない答えを返す。「なるほど。答えぬならオヌシを殺し、結界を越える。三文芝居は不要だ」 5

2012-07-02 19:53:17
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「いや、違う……上昇気流と言いたかっただけだ」「そうか。だが変わらぬ。オヌシが私の邪魔をするのであれば、惨たらしくダンマクをかわし、倒す。そして賽銭が増える。慈悲は無い」「……狂人。私達の演奏を邪魔する雑音は、早めに始末する!」ルナサがバイオリンを構えた! 6

2012-07-02 19:54:51
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「激しく前後に動く……ほとんど回避行為……激しく上下に動く……あなたはルナティック……」「オイオイ、子供には聞かせられない歌詞だな……」マリサはキーボードの音と、流れるエロティック・テクノポップの主を探していた。 8

2012-07-02 19:56:33
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「しかしこの結界はヤバイ級だな……解き方が実際わからないぜ。何を隠してるんだ?」「それは企業秘密よ」「ドーモ、タカギ・マリサだぜ。誰だい?あんた」「ドーモ、マリサ=サン。リリカ・プリズムリバーです」「タを抜くとフーリンカザンになるな。私が知ってる数少ない暗号だ」 9

2012-07-02 19:58:10
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「そんなんじゃ開かないよ」「ところで、アンタ、何者だ?」「私たちはユーレイ楽団。この結界の先の宴に呼ばれて演奏会よ。その練習中」「ブルズアイ!」マリサは自分の予想が的中したことに喜ぶ。「ところで、その……宴で、エロティックテクノポップを演奏するのか?」 10

2012-07-02 20:00:23
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「そうよ、どうでもいいけど」「オイオイ……。で、結局、アンタはただの演奏家か。結界は開けなさそうだな」「せっかくだし、練習に付き合ってもらおうかしら。そちらからの攻撃は無しで」 11

2012-07-02 20:02:40
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「オイオイ、なんだそりゃ?」「姉さんたちも呼ぶわ。いい練習台を見つけた、って」「オイオイオイオイ、手助けは無用だぜ!」 12

2012-07-02 20:06:58
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「体温上がってきちゃって夢みたいー!」イザヨイ・サクヤは、BPM400で鳴り響くボーカル入りデス・ジャズと、それを奏でるトランペットの演奏者を求め、雲海を飛び回っていた。 14

2012-07-02 20:12:47
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「お嬢様には聞かせられぬな、こんな俗物の音楽は」そう呟くサクヤの目に、白くひょろ長いレーザーめいた物体が映った。「……アンブッシュか?それにしては的外れだな」だが、そのレーザーはぐにゃりと歪み軌道を変え、サクヤに向かってくる!アブナイ! 15

2012-07-02 20:13:21
YOUKAISLAYER @YKSLYR

「イヤーッ!」サクヤは身を捩り、レーザーを間一髪で回避した!チリチリとエプロンのフリルが焦げる!グレイズ倍点!「やるじゃない、私のユガミレーザー・ジツを回避したのはあなたが初めてよォー。ドーモ、メルラン・プリズムリバーです」 16

2012-07-02 20:13:41
YOUKAISLAYER @YKSLYR

「ドーモ、メルラン=サン。イザヨイ・サクヤです。ならば貴様は弱敵だな」「いきなり弱敵と断定するなんて、なかなか強引な相手ねェー」「あの程度のアンブッシュなぞ、私の主や友人たちが相手ならば、被弾することはないわ」サクヤは断言した。 17

2012-07-02 20:17:00
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「貴様がここで結界の邪魔をするかぎり、我がお嬢様の願いは叶わぬ。排除させてもらうぞ、メルラン=サン」「私の演奏を聞いて無事だった食料は無い。ミヤモト・マサシのコトワザ『弱い犬ほど実際やわらかい』の通り、ネギトロめいた犬肉にしてやるわァー!」サクヤは溜め息をついた。 18

2012-07-02 20:17:50
YOUKAISLAYER @YKSLYR

「イヤーッ!」「グワーッ!」ルナサの結界に針が突き刺さる!「強い……!」「どうした。オヌシも所詮、前口上ばかり立派なサンシタか」ヨウカイスレイヤーが吐き捨てるように言う。「ハイクを読め。カイシャクしてやる」「まだよ!」ルナサは姉妹と合流すべく、猛スピードで離脱! 20

2012-07-02 20:19:35
YOUKAISLAYER @YKSLYR

「メルラン=サン、リリカ=サン!」「困ったわァー、あの人間なかなかの強敵よ。こんなインシデントが起こりうるなんて」「でも、三人なら」「見つけたぞ、ルナサ=サン」ヨウカイスレイヤーが、逃げたルナサに追い付く! 21

2012-07-02 20:20:52
YOUKAISLAYER @YKSLYR

「ここにいたのか、リリカ=サン。まだ情報を聞いてないぜ」「メルラン=サン、まだイクサは終わっていないぞ」同じように、マリサとサクヤも合流する。「違うな……人間。追い詰められたのはお前たちの方よ」 22

2012-07-02 20:21:51