哲学クラスタ、十蘭とぼろんじが選ぶ夏の文庫百選。後編
@juranic この復刊は角川GJだった。出せば売れる作家だからもっと復刊あるかもね。短編にもおもしろいのがたくさんあるので青空文庫で見てみるのを皆様にオススメしておきます。
2010-07-04 00:58:34ウラジーミル・プロップ『魔法昔話の研究』齋藤君子訳 講談社学術文庫 プロップは『昔話の形態学』でプロット分析を打ち立てた研究者として有名だけど、その論文集。構造主義との対決や影響としても重要な人物。
2010-07-04 01:01:54『美しき惑いの年』カロッサ、岩波文庫。カロッサの自伝的小説3部作の最後。医学部の学生時代を描いたもの。これで大学にあこがれた。もう一度大学に希望を見出したい人びとに捧ぐ。73
2010-07-04 01:04:52まだ出てないから超古典にしよう。ソフォクレス『オイディプス王』岩波文庫 藤沢令夫訳 悲劇の最高傑作といわれる作品。希望と絶望に同時に向かっていくということが悲劇の本質。その視点からオイディプスの行動を見ると悲劇性がよく分かる。74
2010-07-04 01:08:53『ツァラトウストラはこういった』ニーチェ、飜訳は数あるが、岩波文庫の氷上英廣版がもっとも良いと思う。ただ、こういった寓意的表現でしか語らないからニーチェの全貌を掴むのは本当に難しいね。全2巻。75,76
2010-07-04 01:11:10ロシア枠があまりいなかったな。ドストエフスキー『罪と罰』 岩波文庫 江川卓訳 ロシア正教の影響と土着信仰の名残が味を加えてるのは間違いない。読めないという人は倒叙モノのミステリとおもって読めばいいと思う。酔っぱらい万歳の話。全3巻で79
2010-07-04 01:16:00『知性について』ショーペンハウエル、岩波文庫『~について』はほかに読書、自殺の2冊があるが、細谷貞雄訳のこれが一番読みやすい。『意志と表象としての世界』の著者のエッセイ。ヘーゲルが悪いんだヘーゲルが悪いんだヘーゲルが悪いんだ
2010-07-04 01:17:37ロシア枠を続けよう。チェーホフ『六号病棟・退屈な話 他五篇』 岩波文庫 松下裕訳 短編集はいろいろあるけど医者がらみという天でまとめられたこれはいい作品がそろっている。「六号病棟」は医者が主人公。まともに見える狂人と対話していたら自分も入院させられちゃったというお話。81!
2010-07-04 01:20:53沙翁抜かしたらいかんわな『マクベス』新潮文庫の福田恆存訳で。正直シェークスピアは語ることがないな。数ある作品ではこれが一番だと思うけど。82
2010-07-04 01:21:36@juranic ロリコン歓喜の『ロミオとジュリエット』じゃないのか。13歳の娘が行き遅れと言われる時代があったってうらやましゲフンゲフン
2010-07-04 01:22:40ではロシア枠の続き。プーシキン『スペードの女王・ペールキン物語』岩波文庫 神西清訳 『オネーギン』と迷ったが取っつきやすさでこっちを取ろう。「スペードの女王」は特に悪戯じみた話として好きだ。83
2010-07-04 01:26:56『ヴァレンシュタイン』シラー作岩波文庫、『群盗』とかが有名なシラーだけど、実は円熟期の史劇はかなり面白い。わずかな時間の出来事だけど、密度が濃い。マクベスの影響が顕著。84
2010-07-04 01:27:41ジョーク枠を一つ追加。ハラルト・シュテュンプケ『鼻行類』 日高敏隆・羽田節子訳 生物の生態について書かれた研究論文という体裁を取った本。問題はその生物が架空の存在ということだ。生物学奇書のひとつ。85
2010-07-04 01:30:53『テロルの決算』沢木耕太郎、文春文庫山口二矢を扱った有名ノンフィクション作品。事件が起きたのが1960年だから、半世紀たったんだね。86
2010-07-04 01:31:46そろそろ投げやり風味になってきた気がするが……ギョーム・アポリネール『一万一千本の鞭』 角川文庫 須賀慣訳 たぶん絶版だとおもうけど。エログロ小説、どっちかというとサドマゾ系よりスカトロジーちっくだけど愉快なお話。87
2010-07-04 01:35:06大分疲れてきたが、たまには専門で読み始めてるものを。『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』フッサール、中公文庫。最後の著作にして到達点。付録の草稿もデリダが独立して取り扱うほど興味深い。88
2010-07-04 01:35:43