じゃがりこさん深夜シリーズ

刑事訴訟と真実の追求について
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じゃがりこ @jaga_rikoo

心斎橋通り魔容疑者、幻聴を口に…調書作成拒む : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://t.co/7LBhxbac

2012-07-08 00:14:58
じゃがりこ @jaga_rikoo

調書作成に応じるか否かはあくまで被疑者の任意。しかし、こういう報道に接すると、いかにも被疑者が何の反省もしていないように見える。

2012-07-08 00:16:55
じゃがりこ @jaga_rikoo

その背景には、取り調べ可視化を目指し、可視化や取り調べの弁護士立ち会いが実現するまでは、捜査機関による調書作成に協力すべきでないとする弁護士の弁護方針が影響していることも少なくない。

2012-07-08 00:17:50
じゃがりこ @jaga_rikoo

とはいえ、それは弁護士の(多くの場合個別の事件における当該方針の当否の判断とはひとまず離れた)理念によるところが少なくないように思われる。実際に問題のある取り調べがなされているか否かとは関わりなく、被疑者に署名指印拒否を指示する弁護士も少なくないからだ。

2012-07-08 00:19:13
じゃがりこ @jaga_rikoo

取り調べというものに対する負のイメージについては否定するべくもないが、訴訟は真実を見いだす場であるというのが基本でありたいと思う。真相解明を後退させ、場合によっては真相解明を妨害してまで、軽い刑、軽い事実認定を実現するのは、弁護士としていかがかと思う。

2012-07-08 00:21:12
じゃがりこ @jaga_rikoo

実際に犯した罪について、それを正面から受け入れ、あるべき重さの刑を受け入れることは、被疑者当人の更生のために不可欠だし、社会から再び受け入れられるためにも避けて通れないところと思う。

2012-07-08 00:23:34
じゃがりこ @jaga_rikoo

被疑者が、あたかも刑事訴訟をゲームか博奕のように受け止め、運良く刑が軽く済んだなどと、後で舌を出すようなことになれば、その場合の刑はおそらく当人にいかほどの効果ももたらさないし、被害者の報復感情は宙に浮いたままになりかねない。

2012-07-08 00:24:57
じゃがりこ @jaga_rikoo

取り調べ可視化論が、総論的には一定の説得力を持つ反面、各論的には今ひとつ説得力を有しないように思われるのは、それが、捜査妨害をすることによる不当な無罪判決あるいは不当に軽い判決の獲得に向けられている印象をぬぐえないからではないか。

2012-07-08 00:26:31
じゃがりこ @jaga_rikoo

署名指印拒否戦術を起訴前捜査を通して行い続けた被告人が、法廷で、なるほどそれは真実だと思われる供述をした事例は、知る限り思い当たらない。法廷での供述は、多くの場合自己弁護に満ちたものであって、事実を偽るという意味では、捜査機関による作文と大差ないように思われることが多い。

2012-07-08 00:29:58
じゃがりこ @jaga_rikoo

もちろん、事実を偽ることを、被告人がするか、捜査機関がするかでは法的に大きく異なる。刑事被告人に法廷で正直であれとする規範はないから、モラルのレベルでは感心しないが、違法ではない。他方で、捜査機関が虚偽の証拠を作成することは明らかにその職務に反するもので、違法である。

2012-07-08 00:33:12
じゃがりこ @jaga_rikoo

ただ、刑事訴訟を通じて真実を知りたいという大方の国民感情からすると、双方が事実をともすれば曲げてまで自己に有利な判決を得ようとしている現状は、憂慮すべきことといえるように思う。できるならば、双方ともにフェアプレーであっていただきたい。

2012-07-08 00:34:35
じゃがりこ @jaga_rikoo

刑事訴訟に対するこのような考え方は、残念ながら少数派なのだろう。手練手管を駆使して、自己に有利な判決を得ようとすることの何が悪い、という感覚の方が主流かと思われる。

2012-07-08 00:36:53
じゃがりこ @jaga_rikoo

なお、以上は、当事者双方が真実を持ち寄るのが真相解明に資するという素朴な観点を前提にした議論だが、訴訟における立証責任を基本に据えれば、また違う視点が出てくる。

2012-07-08 00:38:23
じゃがりこ @jaga_rikoo

刑事訴訟では、検察官が主張・立証責任を負う。他方で、被疑者・被告人は黙秘権を有する。したがって、被疑者・被告人は、情報を検察官に与える義務はないし、法廷でもそれは同じだ。

2012-07-08 00:39:23
じゃがりこ @jaga_rikoo

これをつきつめれば、被疑者は捜査機関に対して事件について語る義務はなく、したがって調書への署名指印を貫くことはもちろん、黙秘を続けて構わないし、そもそも取り調べに応ずる義務さえない(ただし、日本では取り調べ受忍義務は実務上肯定されている。)。

2012-07-08 00:40:36
じゃがりこ @jaga_rikoo

そのことは事件が刑事法廷に移ってからも同じであり、被告人は一切の供述を拒んでよい。現在の我が国の多くの事件がそうであるように、嘘を交えた自己弁護の供述すらしなくてよい。それによって不利な事実認定はされないし、してはいけない(これをすれば明確な黙秘権侵害となる。)。

2012-07-08 00:41:53
じゃがりこ @jaga_rikoo

これはこれで、法の理念に忠実な姿といえるだろう。少なくとも、真実に反する証拠を持ち出さない分、まだしも好感が持てるというべきか。

2012-07-08 00:43:53
じゃがりこ @jaga_rikoo

事件について、自分は法曹の倫理として真相を曲げたくないということが、クライアントの利益と相反するときに、どう振る舞うべきかということは、ある意味で永遠の課題、のはずなのだが、これを永遠の課題だなどと言っている時点で、青いとか甘いとか言われてしまう。それでいいものかどうか。

2012-07-08 00:53:35
じゃがりこ @jaga_rikoo

隠蔽工作が度を超していて、傍若無人なのは、むしろ旧態依然だと言うべきではないのかな。昔はどこでも当たり前、今も田舎では当たり前。情報化が進み、地域の紐帯がゆるむほどに隠蔽は成功しにくくなる。

2012-07-08 00:58:44
じゃがりこ @jaga_rikoo

原告が請求原因を主張立証すべきなので、求釈明にも仕方ない面はある。ただし、事態を把握しているべき学校側がこういう答弁書を提出したことは見識を疑われる。提出前に、誰も疑問に思わなかったのかな。 / “大津市、遺族にいじめの日時特定要求 …” http://t.co/8Thy4qlS

2012-07-08 01:28:15