ヨウカイスレイヤー第一話「コウマカン炎上」#7

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(「オヌシがお嬢様とやらか」「そうだ。……フン、やはり人間は使えんな」「その人間に殺されるのがオヌシだ」「サクヤ＝サンに勝った程度で吸血鬼の私に勝てると思うな」「魔神だろうが吸血鬼だろうが関係ない。ヨウカイ、殺すべし」)

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ヨウカイスレイヤー・第一話「コウマカン炎上」#7

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「ヨウカイスレイヤー。フン、何がヨウカイ殺すべしよ」レミリアの声からは苛立ちが露わだ。「メーリン＝サンはダンマクが弱い。パチュリー＝サンは病人で、サクヤ＝サンにいたってはただの人間だ」「……」「だがサクヤ＝サンは優秀な掃除係。ワタシの手を煩わせることない優秀な人間だ」1

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「今までの侵入者はメーリン＝サンのカラテで全て追い返せるほどに弱かった、ゆえに、ワタシの手を煩わせる相手は貴様が初めてだ。ワタシに勝てるものはいない。貴様もワタシの敵ではない。ではなぜ必要のない門番を雇い防御を固め、外敵を阻まんとするか。わかるか？」「……」2

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「面倒だからだ！」レミリアは言い放った。「必要のないこと！吸血鬼はヨウカイの中でも最も力を持つものの一つ、ゆえに下級ヨウカイや人間の相手をするまでもない！ワタシが勝てぬものはもはや日光しかあらぬ。だがもうそれも今克服した。ワタシの敵はもはやおらぬのだ！」3

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「……だがオヌシはブザマにも私に殺される運命だ」ヨウカイスレイヤーは口を挟んだ。「メーリン＝サンとサクヤ＝サンはすでに屠った。パチュリー＝サンとやらは知らぬが、マリサ＝サンに引導を渡されたであろう。面倒？同感だ。早く貴様を痛みつけ始末し、エンカイを開かせてもらう」4

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「ムッハハハハハ！運命だと？笑わせる。やはり人間程度に、誇り高き吸血鬼の考えは分からぬか！」レミリアは高らかに笑った。「来い！ヨウカイスレイヤー＝サン！貴様なぞ赤子めいて捻りつぶしてやろう。ワタシは最も強い。貴様よりも遥かに強い。それを身を持ってわからせてやろう！」5

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レミリアは荘厳な仕草で両手を胸元へかざした。その両手から紅色の霧が迸り、有形のダンマクを作り出す！ゴウランガ！なんという強力なダンマク生成力か！やがてそれは槍めいた棒状のダンマクを、いや、実際槍を作り出す！6

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「ムッハハハ、ムッハハハハハハ！」レミリアはその槍を手にし、構えた。4フィートほどの背丈であるレミリアと同じほど、いや、それ以上の長さはあろう得物だ！槍頭には「グングニル」という禍々しいルーンカタカナの刻印が光る。7

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対するヨウカイスレイヤーは、「妖」「殺」と書かれたメンポで口元を隠し、タタミ針と追尾ザ・フートンを構える。その眼にはジゴクめいた薄紅の光が灯る！「思い知らせてやろう、ヨウカイスレイヤー＝サン！ワタシの礎となるべし！」「イヤーッ！」ヨウカイスレイヤーが飛びかかる！タタミ針投擲！8

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「ムウン！」レミリアは巨大槍グングニルを振るうと、ヨウカイスレイヤーの放ったタタミ針ショットをすべて粉砕！「イヤーッ！」ヨウカイスレイヤーはレミリアの頭上を飛び越えながら、すかさず追尾ザ・フートンを4枚投擲！レミリアめがけ一直線に飛ぶザ・フートン！9

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「ムウン！」レミリアは槍を振るうことで生じた遠心力に逆らわず、むしろその力を利用し、巨大槍ごと体を回転！4枚すべてのザ・フートンを瞬時に串刺しにし、さらにグングニルの槍先がヨウカイスレイヤーのミコ装束を切り裂く！「グワーッ！」ひるむヨウカイスレイヤー！10

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「イヤーッ！」さらにレミリアは、ひるんだヨウカイスレイヤーめがけいきなりグングニルを投擲！小さな体のどこからその力が湧き出るのか、グングニルは超音速でヨウカイスレイヤー目掛け飛来！「イヤーッ！」ヨウカイスレイヤーはブリッジでこれを回避！11

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「ムウン！」レミリアが両手を突き出すと、手の平から伸びた光がグングニルを絡め取り、まるで伝説の槍使い、オーデイーンの投げた槍めいて、瞬時にレミリアの手の中へ手繰り寄せた！！「イヤーッ！」ヨウカイスレイヤーが反撃する間も与えず、再度グングニルを投擲！12

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ヨウカイスレイヤーは跳躍、投げ終わりの隙が出来たレミリアめがけタタミ針を投擲しようとする。「イヤーッ！」「グワーッ！」……悲鳴をあげたのはヨウカイスレイヤーだ！グングニルの柄が伸び、ヨウカイスレイヤーの脛をかすめ、出血！13

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トリック！ダンマクでできたグングニルは伸縮自在なのだ！実際これはヨウカイスレイヤーのウカツ！「ヌウーッ」着地し体勢を立て直すヨウカイスレイヤー。そしてまたも瞬時にレミリアの手元に戻る巨大槍。「ムッハハハハ！弱敵！イヤーッ！」再度グングニルを投擲！14

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「イヤーッ！」ヨウカイスレイヤーは連続バク転の後跳躍し、伸び迫り来るグングニルを回避！そして連続タタミ針投擲を試みる。「イヤーッ！」ナムサン！一度に放たれたタタミ針の束が十字架めいた群となってレミリアに向かう！十字架とは吸血鬼の弱点なのである！15

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しかしレミリアはこれに全く動じない。グングニルを再度その手に宿すと、一振りで全てのタタミ針を破壊！おお、ブッダ！無敵と自称するレミリアには十字架など野良ヨウカイのダンマクも同然なのか！レミリアは槍を回転させ、目の前の人間を威圧する。16

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「ムハハハハ、十字架でワタシを倒せると思ったか、聖水でワタシを倒せると思ったか！アクビが出るぞ、ヨウカイスレイヤー＝サン！もう一度言おう。ワタシは無敵だ！メーリン＝サンとダンマクごっこですらないダンマク遊びをしたところで、ワタシのリアルダンマクの小指の先にも及ばぬ！」17

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「イヤーッ！」ヨウカイスレイヤーは追尾ザ・フートンを8枚投擲！だが、「イヤーッ！」「グワーッ！」すでにワン・インチ距離にまで詰めていたレミリアの空中2段ケリ・キックが炸裂！燭台を破壊しながらヨウカイスレイヤーが壁に激突！ナムアミダブツ！18

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「ウヌウッ……」体勢を立て直そうとはかるヨウカイスレイヤー。しかしレミリアがハヤイ！すでに背中側に裏回り、ゼロ距離から血色めいたダンマクを炸裂させる！「グワーッ！」逆側に吹き飛び、燭台を破壊しながらヨウカイスレイヤーが再度壁に激突！19

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「ムッハハハ！イヤーッ！」レミリアはまたも背中側に回り込み、ダンマクを炸裂！ふらつくヨウカイスレイヤーはガードが間に合わず、直に攻撃を受ける！「グワーッ！」またも吹き飛ばされ、先ほど破壊された一つ横の燭台に直撃、破壊！ナムサン！20

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その背後にはまたもレミリア！ハヤイすぎる！これが吸血鬼のスピードなのか！「イヤーッ！」「グワーッ！」燭台を破壊！「イヤーッ！」「グワーッ！」燭台を破壊！「イヤーッ！」「グワーッ！」燭台を破壊！「イヤーッ！」「グワーッ！」燭台を破壊！「イヤーッ！」「グワーッ！」燭台を破壊！21

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「イヤーッ！」「グワーッ！」大広間に存在していた全ての燭台が破壊！バイオローソクの火が消え、館を闇が包む！ヨウカイスレイヤーは壁から剥がれ落ち、地に倒れる。「フン、他愛も無い。貴様はこの闇の帝王の血筋に負けたのだ。……ハイクを詠め、ヨウカイスレイヤー＝サン！」「断る」22

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「……断る！」ヨウカイスレイヤーは全身から汗を流し、息も絶え絶えだったが、力強く言った。「オヌシを殺す……必ず殺し、異変を解決させる！」「ムッハハハハハ！ジョークならあの世でいくらでも言え、ヨウカイスレイヤー＝サン！」レミリアは笑いながら言った。23