欧州委の「電子書籍は文化財とみなされない」に関する個人的意見
- iamdreamers
- 3076
- 0
- 0
- 0
先日の欧州委の電子書籍に関する見解(http://t.co/yI4s7oJD)から、欧州での著作物について、ちょっと考えてみる・・・
2012-07-09 20:09:45上の記事から一部抜粋
欧州委員会(European Commission:EC)は今週、昨年から欧州圏で問題となっている電子書籍への付加価値税(VAT、日本でいう消費税)論争について、「電子書籍は書籍に該当しない」と結論付けた。
EU加盟国では原則として、紙書籍の付加価値税は平均5.5%前後と低いが、電子書籍は欧州委員会(EC)の取り決めにより「文化財」とみなされないため、付加価値税は20%前後と高い。
欧州委のプレスリリース
EU legislation allows Member States to apply reduced VAT rates to a limited list of goods and services set out in Annex III to the VAT Directive. Downloading of digital books is regarded as a service supplied electronically, which is not included in this list and cannot therefore be taxed at the reduced rate.
記事によると「電子書籍は欧州委員会(EC)の取り決めにより「文化財」とみなされない」とのこと。ということは、書籍は「文化財」とみなされている、ということと読みとれる・・・
2012-07-09 20:10:58じゃ、書籍の何が「文化財」とみなされているのか・・・「書籍」は次のもので構成されている。①記載された文書・作品、②挿絵や表紙の絵、③書籍を形作る紙。
2012-07-09 20:11:33この中で、書籍の本体・本質は何かというと、①の、紙に印刷された作品そのものだと私は思う。②は①に準じたもの(文章で表現された作品世界を、別表現にしたもの)と思う。③は作品本体である①②の出力媒体にすぎない。
2012-07-09 20:12:12電子書籍の場合、この三つのうちのどれが提供されるか、というと①と②の二つ(場合によっては②は除かれるが、①が除かれることはありえない)。
2012-07-09 20:12:41ここで欧州委の見解「電子書籍は文化財とみなされない」に戻ると、①と②は文化財ではないことになる。そして、書籍は文化財なのだから、文化財としてみなされるのは、ただの加工された紙にすぎない③だけ、ということになる。
2012-07-09 20:13:10これって何かおかしくない?この欧州委の見解からすると、何も書いていないまっさらの本も「文化財」ということになり、逆に作家の創作した作品(著作物)は文化財ではないことになるよ?
2012-07-09 20:13:44さらに言えば、真白のメモ帳は文化財として認められるけど、そこに作家や挿絵画家が一つの作品を直筆で書き上げたとしても、文化財としての価値は最初の真白なメモ帳と変わらない、ということになる・・・
2012-07-09 20:14:10・・・ということで、このニュースリリースにおける欧州委の見解はおかしいと思うし、作家・挿絵画家を莫迦にした見解だと考えている・・・
2012-07-09 20:14:44