津島原発建設計画への反対運動

今から45年前、伊方に原発が建設される前に、愛媛県津島町での建設計画がありました。当時の反対運動により建設は中止。その経緯を@bellocaribeさんがつぶやいてくださいました。
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@fuuasumma

翌日、八幡浜市昭和通りの四電八幡浜営業所裏にあった原発建設準備所へ毎日新聞の菅田、朝日新聞の安延、南海放送の河田記者らが押しかけた。応接室で対応した小野PR課長の目の前のテーブルの上に、「酒くらい自分の金で飲む。バカにするな!」と彼らはお金を叩きつけるように置いた。

2012-07-10 23:02:53
@fuuasumma

先輩記者たちの尻にくっついて同席していた筆者は、その時の光景を三〇年経った今も記憶している。先輩たちの怒りの姿が、四国の片田舎で記者を続けてきた以後の筆者の人生に、少なからず影響を与えたと言えばおおげさだろうか。

2012-07-10 23:03:11
@fuuasumma

しかし、こうした記者たちも、記者クラブという得体の知れない組織に、自らを縛りつけていたことに気づかなかったのだ。そしてそうした記者クラブのあり方が、結果的には住民を軽視した中で、原発を誘致することを容易にさせたとも言えたのだ。

2012-07-10 23:03:15
@fuuasumma

原発を建設するのには、土地とともに海(漁業権)を買い取ることが必要だった。原発は、膨大な量の温廃水を捨てなければいけないからだ。ちなみに、三基の伊方原発が排出している温廃水の量は、毎秒一四一トン。これは四国で最大の流量を誇ると言われる徳島県・吉野川の水量と匹敵。

2012-07-10 23:03:33
@fuuasumma

伊方原発建設計画で、漁業権放棄を求めた海域は、漁業権消滅海域が165,000㎡、埋め立て部分は54,000㎡、漁業権制限海域390,000㎡、合計すると609,000㎡に上る。そして、温廃水の影響部分は4400,000㎡の海域。

2012-07-10 23:05:37
@fuuasumma

伊方町の町見漁協と有寿来漁協の二つの漁協が漁業権を持っていた。その中でも町見漁協が漁業権を持つ海域は、漁業権消滅海域など三四万平方メートル、温廃水の影響海域は二八〇万平方メートルを有していた。

2012-07-10 23:06:02
@fuuasumma

つまり、町見漁協が漁業権放棄することを拒否したら、原発建設は実現しなくなるのだ。それだけに、四電側にとって、漁協に漁業権放棄をさせること、海を買い取ることは、建設予定地の買収とともに最大の課題だった。

2012-07-10 23:06:10
@fuuasumma

1971年、わずか一年間に三度も総会を開くのは異常な事態だった。異常な事態が起きたのは、定期総会で「原発絶対反対」を決議した組合員の総意を破り捨て、「漁業権売渡し」を強行にもぎ取るためだった。

2012-07-10 23:06:48
@fuuasumma

四国電力が、伊方原発建設予定地の前面海域に最大の漁業権を持つ町見漁協(重岡太守組合長が七一年一月死去後は、松田十三正組合長・二〇七人)と伊方原発建設計画に伴う漁業補償交渉を、密かにはじめたのは七〇年一〇月からだった。

2012-07-10 23:07:49
@fuuasumma

しかし、この交渉は、漁協側は組合員に賛否を諮ったものでも、漁業交渉委員会を設置して行っているものでもなかった。松田組合長ら理事が任意に行っているものだった。

2012-07-10 23:08:02
@fuuasumma

すでに七一年四月二四日の定期総会までに五回の交渉が行われ、漁業補償額も、当初の漁協側の要求14億円、四電側回答1億7300万円から、漁協側7億4000万円、四電側2億5800万円まで歩み寄っていた。

2012-07-10 23:08:52
@fuuasumma

漁協理事者は、この莫大な漁業補償額を漁民に示し、漁業権を放棄、海を四電に売り渡すことを迫ろうと目論んでいた。四電に海を売り渡すのには、総会で組合員の賛成多数を得る必要があったのだ。

2012-07-10 23:09:25
@fuuasumma

ところが、71年4月24日の定期総会は、理事の思惑に反して、原発反対が多数を占めた。つまり、漁協は原発建設に反対し、海を売り渡すことを拒否したのだ。漁協理事と四電の間で進められていた補償交渉も、この反対決議で漁民に破棄されたのだ。

2012-07-10 23:09:49
@fuuasumma

この日から四電の町見漁協組合員に対する、激しい切り崩しが始まった。漁協組合員一人一人の原発に対する賛否の意志はもちろん、家族構成から、姻戚関係、影響力のある知人や友人まで、(続)

2012-07-10 23:10:09
@fuuasumma

プライバシーを細部にわたって調べあげ、「どうすれば、その組合員を原発賛成派として説得できるか」まで結論づける激しいものであった。

2012-07-10 23:10:17
@fuuasumma

こうした調査や資料作りは、四電職員や退職者(OB)が、組合員と接触しながら記録していった。つまり、四電職員は町役場の職員と共に住民のプライバシーの侵害、漁民の思想チェック、管理を行っていったのだ。

2012-07-10 23:10:40
Kino @quinoppie

大飯原発再稼働のときも、安全、安全と懲りない政府が繰り返していた。→「世界で原発が70基運転しており、原発は絶対安全だ…」 @fuuasumma さんの「津島原発建設計画への反対運動」をお気に入りにしました。 http://t.co/r1jNvOXn

2012-07-10 23:10:44
@fuuasumma

それは、決して四電職員が自主的に行ったものではない。四電という企業が、社命で住民のプライバシー、思想調査を行ったということである。

2012-07-10 23:10:46
@fuuasumma

伊方町九町の町見農協二見支部で開かれた定期総会。翌日71年4月25日付けの新愛媛は、総会での理事者(役員)と組合員のやり取りを次のように報じている。

2012-07-10 23:12:30
@fuuasumma

「組合員の中から『交渉委員会を作る前に組合委員に賛否を問、条件についても相談すべきではなかったか』と、鋭い質問が出された。これに対して、松田組合長は『反対しても原電は強行に建てられる。それより条件交渉したほうが、みんなのためだと考えた』と幹部の意見を答えた。

2012-07-10 23:12:44
@fuuasumma

しかし、組合員からは『組合員の中には全面反対の人もいる。その説得にも努めず、組合員をツンボさじきにしていた役員の考え方が問題だ』とつめ寄った。松田組合長は『反対すれば成田空港の二の舞になるだけだ。それでもいいか』と反論。

2012-07-10 23:13:01
@fuuasumma

組合委員は『漁場を潰され、どこで生きれるか。みんなの総意なら成田の二の舞いもいい』と追及、激しい応酬になった。一時は興奮した組合員の中から『バカヤロウ』『役員は総辞職しろう』と、激しい言葉があびせられ、会場は混乱した。」

2012-07-10 23:13:12
@fuuasumma

[差別語を含むが、原文のまま引用する]午後四時、組合員の中から『絶対反対。条件つき反対。賛成の三案で採決をとってほしい』との提案があり、採決したところ、三分の二以上の組合員が絶対案に同意した。

2012-07-10 23:14:26
@fuuasumma

これにより同漁協の態度は一転して、交渉委員のこれまでの交渉は白紙撤回されるとともに、四国電力側に原電設置反対を通告することになった

2012-07-10 23:14:29
@fuuasumma

ところが、この漁協の「絶対反対決議」は四電側に伝えられなかった。

2012-07-10 23:14:37