【ゾンサバ小説】軍人サークと小さな夢【7日目~9日目】

診断メーカーのゲーム「ゾンビサバイバル」の結果を元に勢いで書いた小説です。 今回ついに他のプレイヤーとの絡みが!さよならぼっち!そしてこんにちわぼっち! @hasaziusさんとハサキちゃん、ご出演ありがとうございました。 【最初】1日目~2日目:http://togetter.com/li/330602 続きを読む
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7日目

へっぽこぴーすけ @hpsuke

【7日目】(7/2)今日のhpsuke:【同行者】廃屋で、親を失った少女(アイテム扱い。【探索】【休息】【アクシデント】で受けるダメージ常に半分。端数切り捨て)が同行を申し出た。連れて行くかどうかは好きにせよ。 →連れて行く。【体83食84】【親を失った少女】

2012-07-07 23:52:43
へっぽこぴーすけ @hpsuke

リッカは反省していた。自分が突っ走ってしまう性格であることは自覚している。だが、明け方までノンストップでふらふら街を彷徨った挙句、どこだかわからない場所で事故を起こして動けなくなるのはあんまりだ。まして途中で何度もサークの静止を無視しているのだから始末に終えない。173

2012-07-07 23:53:24
へっぽこぴーすけ @hpsuke

事故のあと、見つけた廃屋で倒れるように眠りについたサークは、その間、一言も喋らなかった。限りなく気まずい時間だった。恐る恐る顔を伺うが、そもそも表情の読めない強面である、怒っているようにしか見えなかった。無言の圧力にリッカは背を小さくする。正直、ゾンビより怖い。174

2012-07-07 23:55:01
へっぽこぴーすけ @hpsuke

そして今、続いて眠りについたリッカが目を覚ました時には、すっかり午後になっていた。不思議なことに心が少し楽になっている。極限の体験で一線を振り切ってしまったのか?サークはまだ寝ていた。相当疲れているのだろう。考えてみれば彼が死にかけたのも自分のせいだ。起きた後が恐ろしい。175

2012-07-07 23:56:28
へっぽこぴーすけ @hpsuke

だが待ってほしい。サークを絶体絶命の危地から救い出したのは事実だし、周囲にゾンビのいない安全地帯まで逃げ切ったのも事実だ。少しは褒めてもらっていいんじゃないか。むしろよくやった方だと言えるだろう。命の恩人だ。感謝してほしいくらいであ「…おい」「ひゃあああ」176

2012-07-07 23:57:59
へっぽこぴーすけ @hpsuke

思わず変な声を上げて反応してしまったリッカが振り向くと、サークが目を覚まし、マットの上に起き上がっていた。「な、なにさ。脅かさないでよぅ」強がるが、声が震えてしまう。「助かった」「え?」「お前が来なければ確実に死んでいた。ありがとう」「あ、そ、そうだよね、うん」177

2012-07-07 23:59:21
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「だが!もう二度とあんな無茶な真似はするな。車の運転もできない癖にゾンビの群れに突っ込むなど自殺行為だ」「運転できるし!大体行かなきゃあんたが」「次は見殺しにしろ」サークの言葉に一瞬思考が止まるが、次の瞬間、リッカは沸騰した。「なんだそれ…。馬鹿にすんな!」178

2012-07-08 00:01:26
へっぽこぴーすけ @hpsuke

つい先刻サークを恐ろしいと思ったことなどすっかり忘れて、リッカは怒声を張り上げた。「なんなの?人をなめてんの?あんたが死んだことにあたしが責任感じないとでも思ってんの?なわけないだろ!人をなんだと…思ってんだあんたは…!」震える声を、サークは黙って聞いていた。179

2012-07-08 00:03:23
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「そうだな。悪かった」あっさり謝ったサークにリッカは目をしばたかせた。「お前の気持ちを考えてなかった…とまでは言わんが、軽視していた。馬鹿にしてすまなかったな」「…わかりゃいいの、わかりゃ」そこまで言ってリッカは疑問を感じる。あれ、なんであたしが許す方なの?180

2012-07-08 00:05:08
へっぽこぴーすけ @hpsuke

妙におかしくなり、リッカは小さく破顔した。思ったよりこのおっさんは怖くないのかもしれない。「改めて。あたしはリッカ。よろしく」「サークだ、リッカ」さっきまでと同じ感情の読みにくい強面ではあるが、このゾンビより強い男が、自分を少し受け入れてくれたようにリッカは感じた。181

2012-07-08 00:07:04
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「しばらくついていくからそのつもりでね」「嫌だと言っても連れて行く。置いていけるはずがない」「場合によってはあたしがあんたを助けるから」「それはダメだ」「だからあんたは…」言い合いをしながら気付く。そういえばお礼を一言も言っていない。でも…それは後でね、とリッカは思った。182

2012-07-08 00:08:53

8日目

へっぽこぴーすけ @hpsuke

【8日目】(7/3)今日のhpsuke:【アクシデント】食糧を入れたバックパックを橋から落としそうになる! 一人では手が届かない! 食糧:-10(【同行者】がいるか、フォロワーの助けを得られるなら-3ですむ)【体83食81】【親を失った少女】

2012-07-09 23:03:29
ファサズ @fasazzz

今日のハサズ:【探索】なぜかあなたに懐いたゾンビ(アイテム扱い。毎日食糧+2。【アクシデント】が出た場合8のダメージ)、命令すれば食糧を探してくれそうだが連れて行くか? 食糧:-2 http://t.co/zRXgN8Ve 【八日目】 体力93) 食糧97

2012-07-03 00:15:39
へっぽこぴーすけ @hpsuke

出発は互いの名乗りの翌日、早朝になってからのことだった。現在地の把握、全身の傷の手当て、今後の方針の確認、そして通るべきルートの選択。これらの準備に時間を要したからだ。特に傷の確認は念入りで執拗だった。ゾンビ化の警戒のためである。幸い、その兆候は見られなかった。183

2012-07-09 23:05:19
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「そんなの見てわかるもんなの?」前を歩き始めたサークにリッカが尋ねる。サークはぶっきらぼうに返した。「一言で言うと、かさぶたが出来ない。いつまでも膿んだままなら感染を疑っていい」「ふーん…」この事実はモールでエイミに確認した。治療薬の特徴もその時に聞いている。184

2012-07-09 23:06:32
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「あんたがゾンビになるとかマジ勘弁してよ。手がつけられないから」「動きは緩慢になるし、思考力も止まる。落とし穴にでも誘導すれば問題ない」「なんでそういうことを言うかな!」「冗談だ。ならないから安心しろ」リッカは足を止めた。この男が冗談を言うとは!しかも全然面白くない。185

2012-07-09 23:07:40
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「じゃあ、あたしがゾンビになっちゃったらどうするの?」リッカが意地の悪い疑問を呈すと、サークは即答した。「治療薬を探し、リミットまでに発見できれば治療する。発見できなければ好きなタイミングで介錯してやる」「…あの、冗談ですよね?サークおじさま?」「どうだろうな」186

2012-07-09 23:09:04
へっぽこぴーすけ @hpsuke

調べたところ、二人を乗せた車は町の外れまで暴走していたことが判明した。道路脇で派手に横転したワゴンがこちらに尻を向けている。これはもう使い物にならないだろう。横転の瞬間、咄嗟に抱きしめられ、衝撃から守られたことをリッカは思い出す。つくづく迷惑しかかけていない。187

2012-07-09 23:10:41
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「あのさ。怪我、マジで大丈夫なの?」恐る恐る確認してみるが、サークは涼しい顔だ。「必要な固定はしたし、一日休んで疲れも癒えた。問題ない」包帯を巻くことすら「足手まとい」と断られたことを(そして本当に足手まといだったことを)思い出す。適切な巻き方があるのだそうだが。188

2012-07-09 23:11:57
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「とにかく、目的地までかなり距離があるのが目下の問題だな」目的地は遺棄された軍の基地だ。そこで武器を補給し、通信設備の修理が可能か確認する。ボブたちとも合流できるはずだ。「周囲を警戒しつつ、数日かけて歩いていくしかないだろう」「はい、その、ほんとに反省してます」189

2012-07-09 23:13:12
へっぽこぴーすけ @hpsuke

「それはいい。それよりお前こそ大丈夫か。長旅になるぞ」「それくらいどってことない。ガラスの十代なめんな」本当は体力に自信など全くないが、リッカは強がった。「荷物は全部持たせちゃってるしね…」「荷物か。正直ありがたい。置いてきたつもりだったからな」「ふふん、感謝してよね」190

2012-07-09 23:14:36
へっぽこぴーすけ @hpsuke

避難所の誰かが廊下で見つけて持ってきたのだろう、トラックの中にサークのバックパックがあることにリッカは気付き、飛び出す時に掴んで持ってきたのだ。「おかげでしばらく食料の心配がない。相当な負担減だ」「もっと褒めていいんだよ」「さて、行くか」「ちょ…無視すんな!」191

2012-07-09 23:15:57