【最終処分場が先か】 廃炉の即時実現と核廃棄物処理は不可分です 【犯人捜しが先か】

投了しました

@NO0614さんよりタイムアップ宣言がありましたので、まとめとなりました。

まとめ

「核廃棄物最終処分場を何処に作るか？」
この問題は最終的にはここに帰結し、これに答が出せないが故に、最終処分場がなければできない全てのことが滞ります。

推進派は最終処分場行きを免れるわけではないが、再処理することで少しでも先送りにし、時間を稼ぐことができます。

漸減脱原発派も同様。そして少なくとも現時点で炉内にある核燃料は、使っても使わなくても核ゴミになるのだから、使い切ってからでいいじゃないか、という考え。これも若干ではありますが時間稼ぎの猶予はあります。

即時反原発派は、そうした猶予なしに「今すぐ！」を訴えているわけですから、その目標を実現しようと思ったら、最優先でこの先送りされてきた問題に答を用意しなければならないのは即時反原発派です。

国際条約上は、国内で地上/地表保存とされていますので、これを素直に守るなら日本国内のどこかの自治体の合意を取り付けた上で最終処分場――永久的に保管する施設を作るより他に選択肢はありません。
問題は、
「どこに作るか」
に絞られます。
または、誰もそれに合意しない場合、
「誰が強制徴用、強制執行し、どのように補償するか」
になります。

別の切り口からの提案として、大深度海底静置保存（海洋投棄）がありますが、これは現時点では国際条約上は認められていませんが、核テロリストからの保護と半永久的に「手を掛けずに保管できる」という意味では大変有力かつ、国内政治上の障害が小さい（自治体の反対が小さい）などの点から、実現性が大きい案だろうと思います。ネックは国際社会だけです。

仮に今後、原発が再稼働せず廃炉になるとしてこれ以上核ゴミが増えなかったとしても、また原発の利用が再開されても、この最終処分場は避けることができません。
推進派、脱原発派、反原発派の全てが同じテーブルについて考えることができる唯一にして究極のテーマです。

「だれがそうしたのか？」
という犯人捜しや過去を詰ることにリソースを費やすのは不毛です。
「これからどうするのか？」
にこそリソースを費やすべきであり、それは「どこに？」の一点に絞られる問題だと思います。

これが解決できない限り、廃炉もありません。

追補

ここでは焦点を絞るため、
「核廃棄物最終処理場を作らねば廃炉は実現できない」
「核廃棄物最終処理場は国内の何処か（地層）に作らねばならない」
という、現実に検討されている（が事実上頓挫している）「地層保存」という方針について検討していますが、これの他にも案はないではありません。

議論の最中に何度か登場した「大深度海底静置保存」は、ガラス固化＆缶に封入した廃棄物を、日本海溝に竪穴を掘って沈める、というアイデア。

• 時間経過とともにいずれマントルに飲まれて完全処理が可能であること
• 保管場所が深海なのでテロリストなどによる核物質奪取を回避できること
• 一度沈めてしまえば保管に人間の手を患わせないこと
• 日本はいずれ深海のレアアース/レアメタル他の海底資源を採掘する技術の獲得を必要としているので、採掘後の廃坑を保管場所とする

などのメリットがあります。
デメリットは、海洋汚染の可能性（これはほぼ考慮しなくてよいと思いますが）、その可能性を念頭に置いた国際条約による制限の二点。

もうひとつは「再処理して燃料として売却」することです。
国内の使用済み核燃料を再処理して再生燃料とし、これを準国産核燃料として利用するというのは、元々の原子力行政の方針の中にありました。
が、国内での原発稼働がままならないなら、それらを前提とした現在の使用済み核燃料は宝の持ち腐れになります。
これらを再処理した上で、今後原発導入を進めていく途上国に燃料として輸出することで、日本が資源（燃料）輸出国、または海外の使用済み燃料の再処理を引き受ける国になる、というのはどうか――？　という案。

ただこれも、再処理工場関連も含めてストップしている状況と、核燃料の出入りに対する恐怖心や「国外に核物質を輸出する」ということに対する自責心も働いて、反原発派の気に入るところではないかもしれません。

「宇宙に打ち上げる」については打ち上げ失敗時のリスクが甚大なので現時点ではカウントしていませんが、この他にも方法があれば逐次検討していきたいところです。