東電の撤退問題を解く鍵

野村修也先生の連続ツイートをまとめました。
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野村修也 @NomuraShuya

東電の撤退問題を解く鍵は、誰が残留人数の決定権を持っていたかという点にある。残留人数は炉の状況によって決まるため、決めるのは発電所長となっていた。本店はその決定を待っていたが、現場は事故対応に追われ、結局14日中には決定されなかった。SR弁が作動し一息つくことができたからだ。続

2012-07-18 22:42:48
野村修也 @NomuraShuya

その間、清水社長は海江田大臣らに電話で連絡しているが、退避のシナリオは決まっていなかったので、まるで官邸の意向を探るかのような曖昧な内容だった。東電に不信感を持っていた海江田大臣に全員撤退の申し出と聞こえたのも仕方がない面があるが、その時点ではまだ退避人数は決まっていなかった。続

2012-07-18 22:51:39
野村修也 @NomuraShuya

深夜に再び2号機の状態が深刻になったため、午前2時ごろ清水社長と武藤副社長が吉田所長に電話をし、緊急対応チームを残して退避することを決めた。東電が残留人数を決めたのはこの時が最初だった。その後官邸に呼ばれた清水社長が菅総理に対して全員撤退を否定したのは、この決定を踏まえたもの。

2012-07-18 23:04:41
野村修也 @NomuraShuya

全員撤退と理解した海江田大臣は、枝野官房長官や福山官房副長官らにそれを伝えたため、東電が全員撤退を考えているとの理解が広がった。しかし、その一方で、枝野官房長官の証言によれば、仮眠中の菅総理を起こす少し前に、吉田所長の意向を確認し、残留して頑張る意向であることを確認している。

2012-07-18 23:11:10
野村修也 @NomuraShuya

官邸にいた伊藤危機管理官は、官邸にいた東電の者から東電が全員撤退を考えていることを知らされたと証言しているが、我々の調査では、管理官に伝えたのは東電の者ではなかった(当時官邸には顔を知らない者がたくさんいたので役人を東電社員と勘違いした)ものと考えられる。続

2012-07-18 23:16:32
野村修也 @NomuraShuya

官邸が、残留人数は発電所長が炉の状況を見ながら決めることになっていたことを知っていたならば、吉田所長が残留を決めていることを確認した時点で、全員撤退問題が誤解であり杞憂にすぎなかったことに気づいたはずである。それを理解できなかった背景には、不信感を招く東電側の経営体質があった。続

2012-07-18 23:24:26
野村修也 @NomuraShuya

東電は、規制当局を虜にすることができるほどのパワーを持ちながらも、自らは矢面に立たず、責任を回避しようとする黒幕のような経営を続けてきた。清水社長の官邸に対する連絡の取り方は、事故後においてもなお、官邸に責任を負わせようとする姿勢の現れだったとみることができる。

2012-07-18 23:30:22
野村修也 @NomuraShuya

その意味で、東京電力は、官邸側の誤解を責め立てることができるような立場にはなく、むしろそうした事態を招いた張本人ということができる。続

2012-07-18 23:32:22
野村修也 @NomuraShuya

先ほどプライムニュースを見ていたら、福山元官房副長官が、私が公開質疑の場で示した資料を読み上げて、高橋フェローが「全員の撤退」と発言していることを全員撤退の証拠として強調していた。これを見ていて、やはり誰が残留人数を決めることになっていたのかを知らないことが良く分かった。

2012-07-18 23:41:00