美学校特別講座「中ザワヒデキ文献研究番外篇」第四回
- qwertyu1357
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”すなわち彼にとっての観念美術は、自作の否定そして物質の否定であり、その意味では反芸術の一つの帰結といえました。一方で言葉あるいは観念は肯定されました。物質不信と観念希求の図式としては、プラトンのイデア論との同型性を指摘できると私は考えます。” #番外
2012-07-18 19:22:39”美術雑誌に出したその広告には「物質を信ずるなかれ 感覚を信ずるなかれ 眼を信ずるなかれ/あなたの出品物はあなたの手元に置いて それから発する無形のもの(虚の作品)を会場まで届けて下さい」との神秘的な文言が並べられました。” #番外
2012-07-18 19:29:07”1966年、東京で「松澤宥物質消滅式1966」を執行。これは「大カンバスが毎日縮減して行って最後に無くなって終うのをカンバスに対峙した椅子に座って見るというもの」でした。1967年、裏側には何も書かれていない葉書を知人に郵送するシリーズ「ハガキ絵画」を開始。” #番外
2012-07-18 19:29:48”第一回発信の表側(宛名面)には「すべての生物および無生物のための白紙絵画/人間に見せるのみならず 岩にも樹にも天にも鳥獣にも音楽にも自己増殖機械にも 私はそれを見せる 見よそこに ただ白色の円を」との超越的な文言が並べられました。” #番外
2012-07-18 19:31:11中ザワ「僕としてつっこみたいのは、「見よそこに白色の円を」ということで、pcではベクターで円を描けるのですが、出力するとビットマップになってしまったりするんですね、そういうわりかし美術の本質のような事を言っているんですよね。それを松澤はここでは白色の円と言っています」 #番外
2012-07-18 19:33:04”このように松澤宥の観念美術は物質の不在それ自体を作品内容とした点において、また、東洋神秘主義めいた粉飾をまとった点において、西洋のコンセプチュアル・アートとは区別されます。” #番外
2012-07-18 19:33:23”しかしながら初期に米国留学時の研究課題を「美の定量」とし、その後も美術の本質を問い続けた結果、自己否定の内在化として物質を捨象し概念性への還元を行ったという点においては、還元主義の一典型であるともいえます。還元主義は、美学的意味におけるモダニズムです*4a3。” #番外
2012-07-18 19:33:36”*4a3 美学におけるモダニズムとは自己批判的な還元主義のことであり、クレメント・グリーンバーグのフォーマリズムを指すこともあります。” #番外
2012-07-18 19:34:01”しかし私は、絵画形式を自明としない日本での還元主義は必ずしもフォーマリズムではないという考えから、松澤宥や、後述するもの派の芸術も還元主義でありモダニズムであると考えます。ちなみに米国のミニマリズムやコンセプチュアリズムも還元主義でありモダニズムです。” #番外
2012-07-18 19:34:18”そして、美学でなく通常の用法におけるモダニズムの語は、進歩思想や西洋的合理主義等さまざまな概念を含みます。松澤宥や、おそらく多くのもの派の作家たちは、反文明あるいは反西洋といったような意図から、自身の立場をを反モダニズムと考えていたと思われます。” #番外
2012-07-18 19:34:44#番外 RT @_mado__: コスース とは - コトバンク http://t.co/r8oozs2P @kotobankさんから
2012-07-18 19:34:54中ザワ「この後でてくるもの派でもそうなんですが、本人達は反モダニズムだと思ってやっていることは、僕は典型的なモダニズムだと思っているところがあります。」 #番外
2012-07-18 19:35:38”一つ目はパフォーマンスの動向です。1965年8月、グループ「位」は岐阜県の長良川畔で巨大な穴を掘り、一定の大きさに達してからまた埋め戻しました。1966年12月、靉嘔ほかによる日本のフルクサスとして、「バス名所観光ハプニング」が東京で行われました。” #番外
2012-07-18 19:38:20今読んでいる文章「現代美術史日本篇」>[4] 1964-1979 還元主義と多様性>4b 日本概念派(2)トリックス・アンド・ヴィジョン http://t.co/bfjYqFVn #番外 (live at http://t.co/RIdi729J)
2012-07-18 19:39:13