読売新聞7/16の男女産み分けについての記事に関する島薗進氏の呟き

島薗進 @Shimazono

１「技術進歩　倫理置き去り」読売7/16。これは男女産み分けについての記事。 http://t.co/yW9TSsrQ　 　 本年2月からこれまでに90組が日本からタイに行き、産み分けのために体外受精し着床前診断で男女を選んで妊娠。

島薗進 @Shimazono

２「技術進歩　倫理置き去り」読売。米本昌平氏評「男女産み分けは医療ではなく、どんなに切実な理由があったとしても親の好みをかなえるもので認めるべきではない」「科学技術はどんどん進歩するが、それを使いたいという人間の欲求に全てを委ねるべきではない」生命倫理の根幹に関わること。

島薗進 @Shimazono

３「技術進歩　倫理置き去り」読売。「タイでは医師会の指針で男女産み分けが認められていないが、罰則規定はなく、クリニックなどで行われている」「着床前診断を実施する医療機関は１０施設ほど。実施件数は5年前に比べ２，３倍に増え、ほとんどが外国人だという」「仲介業者の話では希望者は」

島薗進 @Shimazono

４「技術進歩　倫理置き去り」「インターネットなどで募集し費用は渡航費を含め約150万円」「タイは近年技術の進歩と安い価格で、海外の患者が集まる「医療ツーリズム」の先進地になりつつある。各国で規制がある生殖医療についてタイは事実上の規制が緩いことも患者が集まる要因になっている」

島薗進 @Shimazono

５「技術進歩　倫理置き去り」「このニュースは現在の科学技術と倫理の関係を理解する助けになる。倫理的には肯定できない行為を経済的利益のために裏で容認する。国際的な無政府空間があることが倫理規範を軽んじる言い訳にされている。原発でもそうだったが、科学者は「倫理置き去り」を知っている。

島薗進 @Shimazono

６「技術進歩　倫理置き去り」読売。政府も同様。だがそれを取り上げれば経済競争で不利になるから黙っている。国際的な経済競争の非倫理領域に対して、国家はそれを利用する体制。私は政府の生命倫理委員会（生命倫理専門調査会）で国際的な倫理協議を進めることを日本から提案すべきと主張してきた。

島薗進 @Shimazono

７「技術進歩　倫理置き去り」読売7/16。生命倫理について国際的な倫理規制が必要だということを知っていながらほおかむりをする先進国。国家利益に通じる欲望自由主義を支えるのが功利主義。これも「魂の脱植民地化」@anmintei　の課題？参）拙著『いのちの始まりの生命倫理』春秋社