為末大（daijapan）さんの【建前と本音】について

爲末大 Dai Tamesue　熟達論発売中 @daijapan

おはようございます。今日は【建前と本音】について

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以前に書いたけど、なんで撲滅は機能しないと思うかについて。撲滅はとても美しくてすっきりとしていて魅力的なんだけど、現実として無くし得ないものも世の中にはある。そういう時は、変に理想を語るよりは最悪の事態を招かないシステムを組む事が大切だと思う。

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聞こえのいいスローガンを掲げる時、人は頑張れば達成できる、達成できないのならそれは現場の努力不足だ、になりやすい。理想的すぎる美しいスローガンを掲げられそれに罰則が伴うと、現場は実際にそれを達成するよりも、達成しているように見える事に意識が向いてしまう。

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撲滅を信じる事は大事だけど、前提としてそれが可能かどうかによって取る戦略もまた違う。警察の目的は犯罪撲滅だと思う。でも、実際にそんな事はあり得ない。だから警察という機能はずっと残り続ける。ほぼ撲滅できた病気もある。無くせるものと無くせないから叩き続けないといけないものの二種類ある

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僕は日本的精神論とは、組織が掲げたスローガンと現実のギャップの責任を個人に取らせる事だと思っている。精神論は現実的にそれが可能かというより、可能でなければならないのだ、から入るから、すごく個への負担がかかり、誰も信じちゃいないただの建前で終わったりする。

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やればできると若者は信じている。その内にやってもできない事が増えてくる。大人は建前として、理想論としてやればできると言うのだけれど、それを信じている人もいる。できるはずなのにやってもできないのは、自分の責任だ。少しずつ自分に絶望し始める。

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変えたくても変えられないもの。消したくても消せないもの。人生の知恵とはそういうものとどうつき合うかにあると思う。変えられないをほったらかすでもなく、足掻いて自分か誰かを責めるでも無く、淡々とそれと向き合いマネジメントする。現実を認める事から始まると思う。

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【終わり】本音と建前はあるのだけれど、建前から始まる戦略は大体的外れになって機能しない。現実はどうなのか、という現場の本音から戦略は立てた方が機能しやすい。現実離れした建前をスローガンに掲げ、言い訳をどう作るかという機能ばかりが発達しすぎているように、僕は思う。