クローズアップ現代「なぜ真実がわからない~大津・生徒自殺 問われる調査~」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk 

7月24日に放送されたものを文字起こししています。 進行:国谷裕子アナ ゲスト:喜多明人(早稲田大学教授)
7
とし @toshihiro36

<ナレーション> 父親の意向を受け、学校は2回目のアンケートを行いました。しかし、不信感がさらに高まることになります。2回目のアンケートの質問はわずか2つ、「まだ伝えていないことはないか?」など簡単なものでした。

2012-07-24 21:13:23
とし @toshihiro36

<ナレーション> 「自殺の練習」など具体的な質問をすると、生徒への心理的負担が大きくなると配慮したといいます。その結果寄せられた情報はわずか16件。その中にも具体的な情報を書いた生徒がいました。

2012-07-24 21:16:37
とし @toshihiro36

<ナレーション> 「自殺の練習と言って首を絞める」「葬式ごっこ」…しかし学校は自殺の練習はすでに調査済みだとして、この生徒に改めて聞きとりはしませんでした。亡くなった生徒の父親には細かい情報は伝えず、「新たな情報は出てこなかった」とだけ報告していました。

2012-07-24 21:19:42
とし @toshihiro36

<ナレーション> 生徒たちからは、学校の調査に疑問を抱く声が出ています。

2012-07-24 21:20:51
とし @toshihiro36

男子生徒の友人:加害者を責めようとして書いているのではなく、被害者がかわいそうだから…「ごめん、何もできなくてごめん」って思いだから。学校はやってることが違う。本当のことが知りたいのに…まずそこからだと思います。

2012-07-24 21:23:32
とし @toshihiro36

<ナレーション> 調査に満足できないという父親、大津市といじめたとされる同級生らを相手取って裁判を起こしました。先週父親が発表した手記です。「学校任せでは限界があると感じています。一日も早く事実が解明され、息子と同級生の生徒さんに報告できることを望みます」

2012-07-24 21:27:20

スタジオに戻ります

とし @toshihiro36

国谷:今夜は学校で起きる事故や子供の自殺の問題に大変お詳しい、早稲田大学教授・喜多明人さん。そして取材にあたってきた大津放送局の橋本記者に来てもらっています。

2012-07-24 21:36:54
とし @toshihiro36

国谷:橋本さん、調査は行われましたけれども、結果として遺族の方々そして生徒・保護者にとって決して十分なものにならなかった。学校側としては、どう受けとめているんですか?

2012-07-24 21:38:09
とし @toshihiro36

橋本:学校側は当時、男子生徒が自殺したあと学校が動揺して、生徒たちの心のケアを考えながらできる限りの調査はしたと言っています。しかし調査結果は事実の全容解明を求めている遺族の思いとは大きなギャップがありました。そのため生徒や保護者からは不満の声が上がっています。

2012-07-24 21:41:17
とし @toshihiro36

橋本:先週、大津市教育委員会は「学校単独ではなくて、教育委員会が調査を担うべきだった」と当時の判断が誤っていたことを認めました。

2012-07-24 21:43:50
とし @toshihiro36

国谷:喜多さんは多くの悩みを抱える子供たちにも接してこられたわけですけれども、アンケートに綴られた子供たちの言葉というものをどのように受け止められましたか?

2012-07-24 21:46:11
とし @toshihiro36

喜多:私もアンケートを読ましていただきましたけれども、全校生の8割近い子供たちがこれだけのことを書きこむというのは前例がないことだと思っていまして驚いております。

2012-07-24 21:49:52
とし @toshihiro36

喜多:特に200近いいじめに関する事実をこれだけ書きこんできたということに対して、学校や教育委員会が真摯に向き合っていれば、また違った解決の道もあったのではないかと思うような感じさえしております。

2012-07-24 21:52:25
とし @toshihiro36

喜多:同時にいじめの事実の方は報道があるんですけれども、もうひとつ自分の気持ちはどうかということを聞いているんですね。そこには非常に多くの書き込みがあって。それを読ましていただくと、子供たち自身がこの問題に対して何とか解決したい。前向きに取り組みたいという気持ちが伝わってくる。

2012-07-24 21:56:10
とし @toshihiro36

喜多:たしかに今回の調査で子供たちの心のケア・配慮が必要だと。ですから調査に対して非常に「これ以上は」という気持ちを持たれたようなんですが、実は子供たちの共通の思いとして「今回のいじめを防げなかった」という子供たちなりの悔やんでいる部分があって。

2012-07-24 21:59:27
とし @toshihiro36

喜多:この気持ちを将来にわたって引きずるよりは、やはり子供たち自身が解決の主体としてこういった問題の再発防止に貢献することが、子供たちの気持ちを癒したり今後前向きに生きていけることになるんじゃないかと思っております。

2012-07-24 22:02:24
とし @toshihiro36

国谷:動揺を恐れて配慮したという現場と、子供たちの気持ちのギャップも大きいですね。ただそういった学校や教育委員会が主体となって調査を行うということになっていますけれども、結果として踏み込めない内容になってしまった。この限界の理由をどうご覧になりますか?

2012-07-24 22:06:13
とし @toshihiro36

喜多:生徒の書いたものは親の思いと共通する部分があって、やはり原因を明らかにして再発防止を図る。二度とこのような事件が起きないようにという思いは、親とか遺族そして子供たちの思いは非常につながっているという感じがするんですけれども。

2012-07-24 22:10:33
とし @toshihiro36

喜多:これに学校や教育委員会が一緒になって取り組めば、違う解決の仕方がありえたんじゃないか。しかし残念ながら学校と教育委員会と、遺族や子供の間に…実は原因究明をすればするほど学校の過失責任を立証してしまうというジレンマが現場にあってですね。

2012-07-24 22:14:34
とし @toshihiro36

喜多:実は賠償過失責任主義の賠償法制が、学校や教育委員会と遺族との壁になっていることは、現実として私たちが自覚しなければいけない問題だと思っております。

2012-07-24 22:17:33
とし @toshihiro36

国谷:さあ冒頭でご紹介しました文部科学省が去年6月に出した通知。通知にはこのようなことが書かれています。「遺族が学校や教育委員会の調査に不満な場合、中立的な立場の専門家を加えた調査委員会を設置すること」と記されています。しかし人選や進め方は学校や教育委員会が決めるとなっています。

2012-07-24 22:22:04
とし @toshihiro36

国谷:委員会は遺族にとって十分な真相究明がされ、そして情報が開示されるものになっているのか。愛知県で設置された第三者によりますこの委員会を取材していきますと、この委員会も遺族にとって大きな問題があることが明らかになりました。

2012-07-24 22:25:18

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 調査委員会で息子の自殺の原因を明らかにしようとしている山田優美子さんです。二男の恭平さんは、高校二年生だった去年6月亡くなりました。

2012-07-24 22:29:37