【あやかし草紙】まとめ 2012年葉月

タグ #あやかし草紙 #妖草紙 のまとめ、8月分。8月末まで随時更新。
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神威 鴉魔@テラー民🫠 @crow0404

月夜。闇鴉は夜空へと舞う。漆黒の翼を広げながら。魑魅魍魎が悪さしないよう、今日も見回りに行く。 #cr_poem #闇鴉 #妖草紙

2012-08-13 01:53:22
神威 鴉魔@テラー民🫠 @crow0404

君に背中を預けたい、そう思ってたのは随分と昔のこと。君はもういない…。そこで二度と会えないと気づいた。"大丈夫、お前ならうまくやれるよ"嫌だ!いくな! 君は笑顔で手を振り消え去った。あれ以来、私は…。願いが叶うなら、もう一度…君に会いたい…。 #Chrys #書き出し #妖草紙

2012-08-16 21:44:45
@sktkx

【タグ紹介】 #妖草紙 :「あやかし草紙」企画タグ。あやかし、妖怪などを登場人物にしたついのべや短歌、川柳、都々逸などに使用してください。あやかし好きの輪を広げませぬか?あやかしさんの参加もお待ちしておりますwww 【不定期】

2012-08-17 23:11:37
@sktkx

鬼灯のあかりを供に宵祭り あやかし集う 夜の静寂(しじま)に

2012-08-21 16:24:50
@sktkx

『それでお前さまは、一体、何を知っていると謂うんです?』声なき声が脳裏に響いた。目の前には、目と口と耳を封じられた人の子。微動だにせぬくせにそこには確かに笑みが含まれていた。人とはいえあやかしに近い力を持つというそいつに、俺は軽んじられていたのだ。 #書き出し #twnovel

2012-08-21 18:13:52
@sktkx

ああ、ちょっとごめんな。僕がここにおることはナイショにしてもらえるとありがたいんやけど。その代わり、祭りに連れてったるよ。でもな、あやかしたちの祭りやで、せいぜい人間やとばれんようにな。食われるで。 #アイコンでついのべ書いてみた #twnovel

2012-08-22 12:57:52
@sktkx

猫のお面を被っておどける君は、ちょいとまじないをかければどこからどう見ても猫娘。人とばれたら食われる言うてるのに、度胸があるのか無邪気なのか。「まあ、しゃあないな」連れてったると言うたのは僕やし。「手ぇ離したらあかんで?」念を押して、手を繋ぐ。 @junju_usako

2012-08-22 14:27:55
@sktkx

かくれんぼ。 かくれんぼ。 みんなが帰ったそのあとに まだ隠れてる狐の子。 誰にも見つけてもらえずに とうとう夜になっちゃった。 当たり前だよ、狐の子。 遊びに入れてと言えないで 隠れる真似をしてただけ。 それじゃあ誰も見つけてくれない。 ひとりぼっちの狐の子。 #妖草紙

2012-08-22 17:04:15
@sktkx

夏がさよならを言いに来た。「着物の裾が長いので、まだまだ暑いでしょうが」と苦笑する。だが、確かに朝晩の空気が次第にひんやりとして、虫が鳴き始めている。「また来年」そう言う夏に「お手柔らかに」と声をかけたら、声をあげて笑った。やはり夏は笑っている方が似合う。 #twnovel

2012-08-22 19:51:15
@sktkx

賭けをしよう。鏡の中の僕はニヤリと笑みを浮かべる。秘密の賭けをしよう。僕はその賭けにのる。何を賭ける?そうだな。これを。僕が取り出したのは心。鏡の中の瞳がキラリと光る。知ってるさ。ずっと欲しかっただろう?さあ、賭けを始めよう。 #twnovel

2012-08-22 20:14:31
@sktkx

「お嬢さん、夜道は危ないで。鬼灯をひとつ忍ばせていくとええ。きっと道を示してくれるで」

2012-08-22 20:46:48
@sktkx

三日月が今夜は妙に輝くから、お前の元へは行けぬだろう。あれは鋭き刃となって、俺に降り落ちてくるだろうから。俺の命くらいくれてやるのは構わぬが、月光に薄汚れた狐一匹照らされた時、お前がどんな表情をするか、それだけが何故か恐ろしい。 #twnovel #妖草紙

2012-08-23 19:53:13
神威 鴉魔@テラー民🫠 @crow0404

ナイショの約束、二人の秘密…。「待って…耳としっぽが出てるよ」「あ〜、ちゃんと隠さなくてはな」耳としっぽを隠せば、どこにでもいる普通の少年。「じゃあ…行こうか」「うん」二人は手を繋ぎ夏祭りへと赴く。それは人と妖狐の逢瀬。 #書き出し #妖草紙 #双忍

2012-08-23 19:57:37
@sktkx

「僕は食えない狐やなあ。そう見せかけといて、本当は闇に紛れる猫かもしれん。え?どっちかって?それは君の好きな方でええよ。どっちにしても、ええ性格やしねw」

2012-08-23 20:06:02
神威 鴉魔@テラー民🫠 @crow0404

楽しかった祭りはもうすぐ終わる。「…また会える?」「当たり前だろ」妖狐は自信たっぷりに言った。「君が私の名を呼べば、すぐに駆け付けるさ」僕と同じ顔のお前が笑う。「約束だ」「うん、約束」指切りを交わす。夏祭り、狐火照らす石鳥居 #締め #妖草紙

2012-08-23 21:45:05
@sktkx

君の眠りに貘を仕向けよか。それとも優しい夢を運ぶよう夢魔に頼んでみたろうか。「何を企んでんだ?」人慣れした妖狐が僕を見てため息をつく。「安眠幇助やけど?」「人にあやかしをけしかけるんじゃねえ。逆効果だ」僕はあの子にゆっくり寝てほしいだけやのになあ。 #twnovel #妖草紙

2012-08-24 17:04:34
神威 鴉魔@テラー民🫠 @crow0404

愛してあげようか、この夕焼けが終わるまで。気まぐれに言うと君はため息をした。「断る。そんな短すぎる愛なんていらない」すると君は私の手をとった。「どうせなら、死ぬまで愛して…」「人間に告白されたのは、初めてだ」「…僕だって妖狐に告白したのは、初めてだよ」 #書き出し #妖草紙

2012-08-24 20:20:02
@sktkx

あの日から年の半分が雪に埋もれるようになった。白い白い世界。たった一人の人間が彼女の目の前で息を引き取ってから、世界は雪女の涙で満ちている。夏の間だけ雪は溶け、世界は息を吹き返す。今や世界の敵である雪女を愛し、彼女の涙を止められる者は、まだ現れない。 #書き出し祭

2012-08-25 03:09:00
@sktkx

夏の終わりを知らせるのは、寂れた神社の鈴の音。夏の姫様身を引いて、秋の姫様現れる。社の奥の光の向こう、神の庭からやって来て、からくれないの衣に触れた風にそっと言葉を託す。「山よ、色づけ。木の実よ、実れ。冬来る前に豊穣の実りを皆に与えておくれ」 #書き出し祭

2012-08-25 17:58:35
神威 鴉魔@テラー民🫠 @crow0404

黒猫が恨みがましい目でこっちを見ている。正確にいうなら化け猫か。「…そんな鋭い目つきで睨んでも困るんだけど」「じゃあご飯くれニャ」「…くれって」「こんな幼気な猫を見捨てるのかニャ?」「…人語を喋ってる時点で幼気じゃねーだろ」吐息。 #書き出し #妖草紙

2012-08-26 14:05:54
@sktkx

「くー」「・・・九夜月だ」まだ言葉もままならぬ幼子に耳を引っ張られながらぼそぼそと抗議しているのは、黒い猫又であった。金の目が満ち足りぬ月のようなので、名を九夜月という。「・・・くくっ」「今、笑ったな?」「許せ」「お前の子は少々乱暴が過ぎるぞ」 #妖草紙 #twnovel

2012-08-27 12:23:46
@sktkx

人の姿に変化すれば幼子から逃れられるだろうに、人に化けない猫又は頑固に猫の姿のままである。しかし、決して幼子に手をあげることはないのだ。「痛い」「ほれ、くーをいじめてはいかん」そう言って幼子を抱き上げた主を九夜月は睨み付けて呟いた。「・・・九夜月だ」 #妖草紙 #twnovel

2012-08-27 12:29:51
@sktkx

暗い赤が空を染めている。その色に妙な禍々しさを感じて、座敷童は俺の手をきゅっとつかむ。まるであの日を思い起こさせるような、血の赤。震える手を俺は握り返す。「大丈夫だ」もうお前にあんな思いはさせないから。うん、と頷く座敷童と青くなるまで空を見上げていた。 #twnovel #妖草紙

2012-08-28 07:13:11
@sktkx

風が涼しくなった。「そろそろ秋の姫がいらっしゃるな」「うむ」稲荷神社の狐の像がぽぽんと人型に化けた。金の狐が社を清め、銀の狐が宴を設える。「近隣に」「案内は出した」夕暮れにつくつくほうしと蝉が鳴く。日が沈み、蝉から虫に交代すれば、秋の宴の始まりである。 #妖草紙 #twnovel

2012-08-28 19:50:25
@sktkx

誰の一番にもなれない僕は風のように街をさまよう。光を避けて歩くうち、いつしか意味をなくした影も溶けて消えて人ではなくなる。さようなら。光の世界。ゆっくり僕の時間が止まった。 #twnovel #妖草紙

2012-08-30 16:59:27