国会前に出現した路上解放区に関する考察

笠井潔さんのツイートをまとめました。
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笠井潔 @kiyoshikasai

ごく単純化していえば、刑事警察はデモと交通渋滞を市民社会の秩序という観点から整理し、両立させるのが仕事だ。しかし公安警察は、デモが革命権の行使に通じることを警戒し、少しでもその芽があれば暴力的に押し潰そうとする。

2012-08-04 02:47:23
笠井潔 @kiyoshikasai

反原発デモの警備や規制にかんして、麹町署から機動隊に主導権が移ったとすれば、それは刑事警察から警備警察への移行として理解できる。機構的には麹町署であろうと、警備課がデモ規制を担当していたとしても。ようするに警察権力は、反原発運動の高まりが国家秩序に挑戦しかねないと判断しはじめた。

2012-08-04 02:51:25
笠井潔 @kiyoshikasai

どのように平和的形態を維持しようと、大衆運動が政府の意志決定に介入するまでに大規模化すれば、それは国家秩序への挑戦であると警察権力は判断する。警備強化は道路占拠をきっかけとしたにしろ、本質的には運動の高まり自体への警戒が、そこにはある。

2012-08-04 02:54:59
笠井潔 @kiyoshikasai

たとえ道路占拠がなかったとしても、政府の意志決定に運動が介入し始めた時点で、やはり警備強化による運動の沈静化(端的には弾圧で蹴散らす)の方向に警察は動いたろう。それには戦術のゲリラ的な多様化で対抗し、さらに運動を大規模化するしかない。

2012-08-04 02:57:32
笠井潔 @kiyoshikasai

デモで樹立された民主主義国家は、デモを原理的に否定できない。しかし国家意志に挑戦するようなデモは禁止したい。この二重性が、デモは合法であり、同時に違法であるという二重性につながる。また警察の二重性にも。

2012-08-04 03:01:36
笠井潔 @kiyoshikasai

警察内部では、刑事より警備のほうが優位であるように、本質的には「デモ=合法」の方向より「デモ=違法」の方向に動く。とはいえ、頭ごなしに警察は敵だという固定観念は、ヘゲモニー闘争の観点からして運動の豊富化をさまたげかねない。刑事と警備の内部対立に介入する発想もあっていい。

2012-08-04 03:04:58
笠井潔 @kiyoshikasai

弾圧強化にゲリラ的な多様化で対抗するのは、「逃走=闘争」の人民戦争戦略の発想だが、敵の分裂を利用するのも同じことだから。いうまでもなく反原発は、現にある国家体制を前提としても(革命なしでも)可能な民主主義的課題だ。大衆運動の力で実現することを希望している。

2012-08-04 03:10:45