【MM2R】テツ戦記【あるモヒカン】

2011年末につけていた、MM2Rの妄想プレイ日記。 練習がてらまとめてみた。野バスかわいい。筋肉は正義。
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里村邦彦 @SaTMRa

テツは激怒した。イスラポルトから北を目指す事五度に渡り、その度、がらくたの巨人に殺されたからである。屈辱であった。テツは報復を決意した。まずはやつの攻撃に耐えられるだけの筋肉を身につけねばならぬ。サラはもはや突っ込みを諦めていた。強力な怪物に勝ちたいと考えるのは悪いことではない。

2011-12-11 22:17:26
里村邦彦 @SaTMRa

テツは空を見た。白いものが下りてきている。「雪よ」「雪か!」女衆が騒いでおり犬は走り回っているが、まず上半身裸なので寒い。これでめげるは筋肉が足りぬ。勝てぬ魔物も多く、テツは謙虚という言葉を思った。バイク二台と自律のバスの車列が、筋肉男を戦闘に雪中を行く。山道の先、鳥居が見えた。

2011-12-11 23:15:10
里村邦彦 @SaTMRa

テツは歓喜した。ウオトカが粘性を帯びるほどの氷点下であり、しかし全身からは湯気が立っている。タイシャーの氷窟、氷の壁を砕くという仕事だったがこれが難物であった。持ち込んだクルマの主砲すら歯が立たぬ。テツの鍛え上げた筋肉だけがそれを砕いた。「ムハハーッ!」「非常識な」結実であった。

2011-12-11 23:47:19
里村邦彦 @SaTMRa

テツは激怒した。己の不甲斐なさにである。それはひとの無力にでもあったろう。亀の甲羅は余りに強固で、今のテツに辿りつけるドラム・ドーの境地では歯が立たぬ。魂が尽きるまでチョップを打ちスパナを投げラリアットを撃ち込んでも奴は平然としていた。屈辱であり怒りである。テツは復讐を決意した。

2011-12-12 20:14:47
里村邦彦 @SaTMRa

テツは激怒した。たかが鮫、たかが氷で有頂天となった己に怒ったのだ。足らぬ。あまりに筋肉が足らぬ。モヒカンを焼かれ、凍らされ、血と毒液で濡らすことが何度あったか。テツは己への復讐を誓った。ところで背後そのでは、渋面のサラがミシカを説き伏せ、戦車砲を使うことを認めさせようとしていた。

2011-12-12 20:50:47
里村邦彦 @SaTMRa

テツは激怒した。行く先々で出くわす妙な二人組の事である。兄弟めいて見える男たちは、生身で挑んでくる割に銃器を使う。テツはそれに得心がゆかぬ。テツは彼らから強者の気配を感じている。テツはモヒカンと筋肉を信奉しており、奴らはモヒカンの気配を纏っている。だというのに何故武器を使うのだ。

2011-12-13 04:02:25
里村邦彦 @SaTMRa

サラは呆れていた。相方の事だ。手のかかる妹分は増えたが、相方はあの救い様のないモヒカンに違いない。今日、テツはビルを砕くと言い出した。ミシカは興奮しており犬は穴を掘っており、サラは諦めている。あのモヒカンは言い出したら必ず遂げるからだ。「ウオオーッ!」勝利の咆哮。サラは嘆息する。

2011-12-13 04:02:47
里村邦彦 @SaTMRa

テツは空を見た。奇怪な緑の煙で曇る空の下、クレーターの底には、山と積みあがった亀と蟻の屍。堅固なる怪物の代名詞であるこれらをテツは只管に狩り続ける。まだ足らぬ。「ねエ。いい加減飽きないの」「ウム」「なんで」「あの亀はもっと硬い」「ア、ソ」「スゲエ!」犬は腹をすかし、鼻を鳴らした。

2011-12-13 07:35:06
里村邦彦 @SaTMRa

テツは勝利の咆哮を上げた。トータルタートル墜つ。筋肉が、またも鉄とバイオを超えたのだ。ドラム・ドー(とテツが信仰する何者か)で練り上げたスパナ・スリケン、そして谷の陸亀を相手に編み出した必殺の体当たりが勝負を決めた。「やっちゃうンだもンねえ」「スゲエ!」「まったく。呆れたモンよ」

2011-12-13 08:05:32
里村邦彦 @SaTMRa

テツは激怒した。サイバネの塊のような男に撃ち殺されたからである。果たし状の名に心当たりはなかったが、筋肉とモヒカンに懸け、挑まれれば逃げるわけにはゆかぬ。男はマリアの事を何か言っていたが、テツにはまるで覚えがないことだ。しかも男は野の獣を狩るように、煙幕を炊いてテツを殺したのだ。

2011-12-13 17:29:20
里村邦彦 @SaTMRa

「あんたは強い! あんたは正しい!」町中が叫ぶ。だがテツは不満であった。筋肉のみでなく、男と同じく道具を駆使して競り勝ったからだ。男は狡猾で、腹立たしいが強かった。「誇りなよ」サラが言う。「あンたは人間だ。人間らしく勝ったんだ」テツはマリアの面影を見た。知らず、テツは涙していた。

2011-12-13 17:29:28
里村邦彦 @SaTMRa

「マツカゼ。お前わかるか」低いエンジンの唸りが答えた。テツはクルマに乗らぬ。しかし愛機がある。野バスのマツカゼ。牽引鎖なく勝手についてくる。人を運ぶためだけにある鋼のエンジンは、筋肉めいて好ましかった。今、マツカゼの同族が猛っているという。「わからんか」「なンでわかるのよあんた」

2011-12-13 18:47:23
里村邦彦 @SaTMRa

「ソレ使うの?」「おう」「本気で?」「おう」「スゲー! カッコイイ!」テツはようやく気に入りの武器を見つけた。テツは筋肉とモヒカンを信奉している。銃など論外であり、ナイフも軟弱に過ぎる。テツが見つけたのは斧である。分厚く無骨な鉄製で、何故か金メッキがされている。上機嫌で振り回す。

2011-12-14 18:14:28
里村邦彦 @SaTMRa

テツは勝利の咆哮を上げた。必殺のスパナ・スリケンが、巨大なアクアウォーカーを両断したのだ。「いよいよ化け物めいた」「ムハハ!」「次はどうするの」「ウム。賞金首だ」「スッゲエ! 誰?」「こいつだ」「マダム・マッスル?」「ウム」サラはまじまじとテツを見た。「籠絡されないでね」「ム?」

2011-12-14 19:06:03
里村邦彦 @SaTMRa

テツは苛立っていた。「何。女が偉そうだと気に入ンない?」「違う」石油採掘施設。しなやかにして美なる筋肉質の女たちが男を奴隷に石油を掘る。石油からはプロテインが作られるという。「筋肉だ」「は?」「筋肉が気に入らん」「わかんねーなあ」犬が床に垂れたタールめいた液を嗅ぎ、顰め面になる。

2011-12-14 19:38:29
里村邦彦 @SaTMRa

テツは激怒した。プロテインパレスに巣食う悪にである。「バイオ筋肉!」「許せないの?」「バイオ筋肉! バイオ筋肉! ウオオーッ!」改めてテツは激怒した。鍛えたわけですらない筋肉。薬を使うは良い。武器を使うも気に入らぬが良い。しかしバイオ筋肉などととうてい許せぬ。テツは激怒した。

2011-12-14 20:09:52
里村邦彦 @SaTMRa

テツは深くドラム・ドーの構えを取る。「ウラーッ!」「ふしゅるるる!」ドラム・ドーの構えからテツは高速回転! 台風めいた連続チョップだ! 連打連打連打連打! 「ふしゅーっ!?」打ちのめされたマダム・マッスルは爆発四散! 「こいつもクローンだったわけ?」「知らん。だがバイオ筋肉だ!」

2011-12-14 20:11:44
里村邦彦 @SaTMRa

「ウオオオオオッ!」テツは歓喜した。自動販売機めいた賞金首が、テツのスパナ・スリケンの前に倒れたのである。一撃であった。「これぞヨコヅナ・オーラ!」「スゲエ! 何だそれ!」「ドラムぶつかりを極めたドラム・ドーのチャンピオンの力だ!」「スゲエ!」「それスモウじゃなアないの」「ムウ」

2011-12-14 21:11:04
里村邦彦 @SaTMRa

テツは歓喜した。とうとうガラクタ巨人を打倒したのだ。山ほどの煙幕花火を吐き出したがそんなことより喜びが勝った。黄金笑顔の一つ目爆弾が去って行ったがテツにはどうでもよい。出会うたびにミンチ博士の下へ送ってくれた奴を仕留めた喜び。「サラ姉貴、シグナル弾撃ち込んだ!」「ハイ。お疲れ様」

2011-12-14 23:32:58
里村邦彦 @SaTMRa

「ナンデ!」サラは叫ぶ。「カミカゼキングに撃ったはず!」「そうしたよ!」「見てたわ!」だがシグナル弾の反応を発するのはスクラヴードゥー! 更に彼方から迫る笑い声!「またカミカゼキング!?」強敵に加え賞金首。絶体絶命だ! 「ウラーッ!」一閃! 「あ」テツのスパナでまとめて爆発四散!

2011-12-15 00:01:53
里村邦彦 @SaTMRa

「ハンターを再開する」テツは告げた。便利屋稼業も今日までだ。「で、どこから行くんだッ!?」ミシカは身を乗り出す。テツは思案した。思いつかぬ。テツは筋肉とモヒカンを信奉している。「ブルフロッグは?」「ム」判らぬ。「あの大砲撃ってきた島のヤツ」「オウ」明確な敵である。テツは歓喜した。

2011-12-15 17:08:34
里村邦彦 @SaTMRa

「嘘だ、嘘だ嘘だぁッ」車内で蛙犬は悲鳴を上げた。人しか通れぬ先に戦車で待ち伏せる。戦車で回り込もうとすれば多数の手勢が相手を消耗させる。必殺の策であった。覆された。タイルを張りかえても間に合わぬ。クルマはスパナで粉砕された。「ウラーッ!」テツは咆哮!言わずと知れたモヒカンである!

2011-12-15 17:23:44
里村邦彦 @SaTMRa

テツは充足を感じている。練り上げたドラム・ドー、張り詰めた筋肉、モヒカンは光り輝く。ドラム・ドーの構えからスパナを投じる。「ハーット!」蛙犬の鉄をも砕けよとばかりの体当たり! 血を吐きテツは鮫のように笑う。身体に満ちたドラム・ドー。体当たりはテツの得意手でもある!「ウオオーッ!」

2011-12-15 17:28:23
里村邦彦 @SaTMRa

テツは勝利の咆哮を上げた。「勝っちゃうンだもンねえ」「スゲーッ! テツ、こいつ四天王だぜ!」「ム」テツはよくわからず頷いた。クルマに乗ったバイオの怪物。筋肉はまた一つ難敵を打ち破った。テツは激闘で乱れたモヒカンを正す。全身に浴びた毒液の酷い臭い。「風呂だな」「珍しく意見が合った」

2011-12-15 17:36:04
里村邦彦 @SaTMRa

暗黒洞ダーク・カナル。「ウオオーッ!」テツは激怒した。「ははは。騙されませんでしたか」「何故だ!」答えず嘲笑を返すのは道化めいたマントの男。その手の中に雷が生まれ周囲を薙ぎ払う! 「サイバネ?」「ゲージツですよ御嬢さん! さあ、ふるえるがいい! カリョストロ・フラーッシュ!」

2011-12-15 18:41:39