【シューニャリアーナ】藤原妹紅と空海

三界の狂人は己の狂いに蓋をし、 四生の盲者は己の生と四苦を振り返ろうとしない。 振り返らなくてもよい世の中にては人は想像力を殺し、 死ぬことのできない人間はだれに祝われるまでもなく機械として動かされる。 続きを読む
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難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

…要するに、「生きてる現世では人って灯台下暗しだよねー」って言ってるのである。ショーペンハウアーの「世界は私の表象である」もそうだし、プラトンなんかの「洞窟の比喩」も要は空海とおんなじことを言ってる。

2012-08-13 17:19:36
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

その部分を「成仏を忘れた亡霊は新たな生を生まない。 死ねない人間は色鮮やかな冥界を知らない。」と換えてるわけは?

2012-08-13 17:20:07
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

それは、相手である幽々子とよーむが「もう死んでるから」。もう死んでて、そしてそのあとはもう生きていることにはならないと知っている。そして、もこたんの側は、「死ねないから」。もう、「生きても死んでもいない」ふたりに、あの原文はあわなくなっちゃってるのだ。

2012-08-13 17:21:17
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

妹紅がこれをそのまま引用することは、その略歴から言って難しい。まず狂人となったことは、彼女自身すでに”自覚してしまって”いる。そう、かぐや姫を追いかけねばならぬほどに怒り狂い、その過程で薬をわざわざ岩笠を殺してまで奪っているのだから。

2012-08-13 17:22:16
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

そして、もう二度と死を迎えることはできない。永遠に生の苦しみを味わい続けることになった。よって四生の盲人、でもない。盲せる者であることはすでに知ってしまった。なぜなら、もう死ねない、そういう人間になることを知っていて、それでいて蓬莱の薬を服用したのだ。

2012-08-13 17:22:57
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

妹紅が悟っている、と言いたいわけではない。そうではなく、彼女はむしろ決して往生することができなくなった、というところで諦観しているのである。いうなれば「シニシズム」である。そこに、生も死もない。

2012-08-13 17:23:33
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

したがってものすごい勢いで過ぎ去っていく身の回りの物を、受け止める権利は彼女自身に一切与えられていない。すべてが、ゼロなのだ。そういう意味で、ほんとうに「盲目」「不可知」になってしまった自分をもう『知ってしまった』。

2012-08-13 17:24:06
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

だから、”三界~”以降の節は妹紅は用いる必要を拒否し、新たに自分の人生の無知を表現するものに置換したのである。相手は亡霊たちであって、生を忘れて往生しかできない存在である。よって生を知らない。

2012-08-13 17:24:23
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

反面、対する私は色鮮やかかもしれない冥界のすがたを知ることができない。肝試しの挑戦者たるあなたたちは生をいざしらず、死ねない私は死をいざ知らない。

2012-08-13 17:24:42
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

かくて、そのうえで、生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く死に死に死に、死んで死の終わりに冥し…この言葉を、新たな意味合いで、自分の場面に結び付けて反芻してみせたのであろう。

2012-08-13 17:25:04
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

ついでに言うと、彼女は一度殺されても、すぐに復活してしまうという特性によって不死なのである(不死ではあるが、腹を切られれば痛いし、お腹は空くと公式にある)。まさにいくら死んでも死を知ることが、文字通りない存在。

2012-08-13 17:25:37
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

死に死に死に、死んで死の終わりに冥しと彼女が言う場合には、生きる者がそれを口にするときとは別の重みを与えてくれるように思う。

2012-08-13 17:26:56
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

まぁ、かくて、自分の人生と相手の人生をさっと読み取って、あの一句を序文に挟み込んだわけだ、もこたんは。何度読んだんだろうな、宝鑰。相当読み込んでないと、こういう読み替えは出来ないはずだ。

2012-08-13 17:29:48
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

ただ、それは幻想郷の3人の話だからなのか?そうでもない。なかなか死にたくても死ねない、生きたくても生きられない世の中になっちゃった現代社会。こういう中では、却ってもこたんのセリフって響くんじゃないだろうか。

2012-08-13 17:31:38
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

成仏を忘れた亡霊は新たな生を生まない。…今、いかに宗教的に弔っても、科学的には死んだあと何もないってのがここ最近の常識。死んだあとも何か産んでいた時代は幻想なのだ。まさに、彼女の目の前にいる幽々子さま。幻想郷でしか亡霊現世を歩けません。

2012-08-13 17:32:44
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

死ねない人間は色鮮やかな冥界を知らない。マルクスを持ち出すまでもないが、生きたくても生きられないまま生かされてる人生。退屈で、道具としてしか生きられない日本国民。死の観念も想像力は欠け、色鮮やかに冥界を描けない。

2012-08-13 17:34:44
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

そして「シニシズム」的消費状況。そんな私たちに、もこたんから幽々子経由で一言。「成仏を忘れた亡霊は新たな生を生まない。 死ねない人間は色鮮やかな冥界を知らない。 生まれ生まれ生まれ生まれ生の始めに暗く 死に死に死に死に死の終わりに冥し」。おわかり、いただけるだろうか。

2012-08-13 17:35:33
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

で、かくてこれだけがこの台詞の本性だろうか?…そうは言えない。 ZUNのゲーム論を知っているものなら、これが彼にとってはエールでもあるのだというのを読み取れると面白いと思う。

2012-08-13 17:36:24
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

弾幕シューティングとは、シューティングゲームの特別なタイプの一つ。「スペースインベーダー」に端をなす、日本製の見下ろし縦スクロールのシューティングゲームの系譜の一つであり、またZUN氏はその「スペースインベーダー」を開発したTAITO社の元社員だった経歴を持っている。

2012-08-13 17:38:47
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

シューティングゲームには、その発展する過程で、弾幕という美しいアルゴリズム構成を持つ敵の攻撃が主体となるシューティングがたくさん作られていく中、その結果としてシューティングゲームは高難易度化を窮め、プレイヤー離れを招き、ジャンル自身の衰退を招いてしまったという背景を抱えている。

2012-08-13 17:39:00
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

さらに、シューティングに限らず、ゲーム全般に目を移して考えてみても、その内容はそれぞれ「売れること」に特化したことによって一種のマンネリ化・ジャンルの画一化を招き、がんらいテレビゲームというものが持っていた「世界観」がなくなってきているという状況がやってきているし、

2012-08-13 17:39:38
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

実際、この状況が今に至って私たちに響いているという事は不可能ではないように思う。

2012-08-13 17:39:53
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

最近では、カナダのゲーム作家に『日本のゲームはクソだ』とまで言われてしまっているし、日本のなかでもそのクリエイティブ精神がゲーム会社各社に見受けられなくなってきている―――

2012-08-13 17:41:16
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

―――DLCや完全版商法、コンプガチャのような消費促進のための断絶されたゲーム。面白さ、楽しさを断絶されたゲーム。

2012-08-13 17:42:43