NO.6　ネズ紫転生パロ

休止中 @odd019

それで紫苑はあの夢の意味も、デジャヴも、全部思い出すんだけど、留学が終わって帰って来ても、その事はネズミに言い出せなくて。ネズミとは相変わらず仲良しなんだけど、ネズミもネズミで夢にモヤモヤしてるみたいで、信じて貰えるかも分からない前世の事実を言うか否か迷う紫苑ちゃん

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二人で一緒にいる時は楽しいんだけど、一人になるとどうも不安になって。「ぼくがネズミと付き合う事になったのは、現在のぼくの意志じゃなくて、前世のぼくが望んだ結果だったのか？」って、自分が本当にネズミの事を本当に好きなのかどうか分からなくなってしまって次第にネズミと距離をとるように

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ネズミはそんな紫苑を心配思いつつ、自分の前世の夢に悩みながら過ごしてて、紫苑が留学先で何を見たのか、何を知ったのか、っていうのが気になり初めるんですね

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一緒に留学(留学は夏休み期間中)した友人に話を聞き、何か不審な点は無かったかと問いただしたら、最終日前日の妙な行動の話を聞くんですね。でもそれ以上は分からなくて、そのまま時は過ぎて、新学期も始まり、文化祭の時期を迎えるわけです

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文化祭で紫苑は生徒会の仕事、ネズミは舞台公演主役の練習に望む訳で。ネズミは学校の舞台で演じるのは初めてで(それまでは劇団での仕事だった)、紫苑に初めて見せる分ちょっと頑張ってるんだけど

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たまたま生徒会の仕事で体育館に来てた紫苑に練習を見られて、タイミング悪い、ってちょっと居た堪れない思いをしていたら、 紫苑に きみの歌う姿は、相変わらず優雅で、綺麗だった。ってしみじみ言われてしまって、相変わらずってなんだよって笑ったら悲しい顔をされてしまって、えっ、みたいな

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補足ですが、紫苑も留学から時間も経って、少しずつ現在の記憶分と前世の記憶分の整理が出来るようになったんだけど、それでも今と前世が重なる時が度々あって、ネズミの舞台練習がちょうどそうだったんですよ

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で、紫苑からすれば前世と引けを取らないネズミの演技も、前世の記憶がないネズミにしては全く結びつかないもので。紫苑は現在のネズミと現在の自分の間に生じたズレに気づいてしまって、自分がネズミとは別の世界にきてしまったような感覚に、余計に一緒に居られなくなる、みたいな

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でも文化祭が終わるまではお互いに忙しいし、こんな厄介事でもめたくもないから、ネズミに心配された時も、一度 ごめん、もう大丈夫だからって謝って、 文化祭が終わるまでは今まで通りにしていようと誓う紫苑。それでなるべく普段通りに楽しく過ごしながら、文化祭当日を迎えるわけです

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文化祭当日は生徒会の仕事が忙しくて、なかなかネズミとのんびり見学～とかそんな訳には行かない紫苑。それでもネズミの舞台だけはなんとか他のメンバーに任せて、応援の花束持ってこっそりと見に行くんですね。そしたらもう劇が始まっててちょうどネズミが出て来て

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練習の時はジャージだったからてっきり男役だと思ってたのに、綺麗なドレスを着た女型で出て来て、それが前世の記憶の中で、一度だけ見たイヴと一致して。歌声も、姿も、綺麗だなぁ、ってぽつりと呟きながら、ポロポロ涙が止まらなくなる紫苑

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放課後になってから、制服に着替え直したネズミが紫苑に会いに来て(ネズミは公演後はファンに取り巻かれて動けなかったし、紫苑は生徒会のメンバーに引っ張られてった) 舞台、見に来てたんだな。ってネズミに言われて、うん、って少し沈んだ声で返事をする紫苑。

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なんだよ、あんた元気ないじゃないか。って言われて、うん、ちょっと、今日は疲れたんだ。って答える紫苑。きみの劇は素晴らしかったよ、まさか女の子の格好だとは思わなかったけど。って笑ったら、初めての割には、おれの女形もなかなかだっただろう？って言われて、…うん、似合ってた、って

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そこで紫苑は、ああ、もう潮時なんだなぁ、って悟るんですね。紫苑の中には、現世のネズミと前世のネズミもあって、無意識に現世のネズミと前世のネズミを比べてしまっていて、こんなんじゃ、もう目の前にいるネズミが好きだなんて、言えないんじゃないか、と

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だから、ネズミに用意した花束を渡して、お別れを言おうと思ったんだけど、ネズミを前にするとどうしても楽しかった思い出が溢れてしまって、苦しくて涙が出て来て、それにびっくりしたネズミが抱きしめてくれる体温が心地よくて、頭を撫でる手が優しくて、縋ってしまいそうになるんだけれど

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でも自分がこのままネズミと付き合ったら、自分にもネズミにも嘘をつき続けるような気がして、ネズミの肩を軽く押して、別れよう。って言うんですよ。前世が云々なんて言えないから、何かと理屈を捏ねて、ぼくは、きっと 惰性のまま、きみに恋をしたんだ。とだけ言って、ネズミから逃げる紫苑。

休止中 @odd019

ネズミからすれば 当然 なんの事だよ、って話で、紫苑の話はぐちゃぐちゃで 他に好きな人が出来たみたいだけど、結局よく分からないし、問い詰めようとしても きみにお似合いの女の子ならいくらでもいるだろって逃げられるし、目が合えばすごく悲しそうな顔して目反らすし

休止中 @odd019

漸く捕まえて いきなり理由もなく別れるとか、今のあんた 何なの。って言ったら 煩いな、って手を払われるんだけど、うざったいのはあんたの方だ、何かあるみたいな顔して押し黙って。面倒臭いんだけど。ってイライラを隠さずに言ったら、そんなに面倒臭かったら、もう構わなければいいだろ！って

休止中 @odd019

紫苑ちゃんが拒絶の一方で話を聞かないものだから、さすがのネズミもブチ切れて、思わず紫苑の頬を引っ叩いてですね。今のあんた、本ッ当面倒臭い。あんたの事なんか忘れて、おれのこと好いてくれる女の子と遊ぶ方がどんなに楽かと思うよ。でも、どうでも良くないから、こんなに面倒臭いんだろうが！と

休止中 @odd019

それを聞いた紫苑が、ネズミは本当にぼくの事好きなの？って聞いたら、あんたが思ってる以上にな、って答えるものだから、その気持ちは、本当にネズミのものなの？って聞いてしまうんですが、当たり前だろ、おれが思ってる事なんだからって。

休止中 @odd019

そんな事をまっすぐに言われるものだから、紫苑はますます自分の気持ちが負い目になって、自信が無くなってしまって。ぼくは、誰よりもきみと一緒に居たいと思う。どんなときよりも幸せだなって思う。それでもぼくは、今のぼくがきみを好きだっていう自信が無いんだ、ってポロリと零して

休止中 @odd019

この気持ちが 前世の自分が前世のネズミに向けるものなのか、それとも前世とは関係無しに、現世の自分が現世のネズミに抱く感情なのか分からなくて。ただ今は時間が欲しいって、やっとの思いでそれだけ言って、ネズミもこれ以上言っても無駄だって分かったから、その条件を飲んでですね

休止中 @odd019

区切りがついたところで、一旦話の状況を整理すると、紫苑は前世の記憶を殆ど引き継いでいる(一部曖昧)。ネズミは前世を夢で見たりデジャヴは起こすけど、まだそれが何なのか分かっていない(その事は紫苑も気づいてない)。けど、以前紫苑に言われた夢の話と関係があるとは思ってる。

休止中 @odd019

紫苑は自分の前世の自分(以下前紫苑)が前世のネズミ(前ネズ)と恋人同士だった事も、心から好きだった事も分かっている。前紫苑は前ネズと再会を誓って別れた後、前ネズミと再会を果たせないまま死んでしまって。また生まれ変わってもネズミ(前ネズ)と再会したいという思いがあった。

休止中 @odd019

ということを現紫苑は知っていて。自分がネズミに惹かれた事も、好きになった事も、それは前紫苑受けた影響であって、現在の自分が現在のネズミに本当に惹かれているのか疑問に思っています。