日本のMMOにおける同調圧力

システムとして許容されていた行動も他人に迷惑をかけるのは悪という空気と虚報によってPKをしたプレイヤーをチーターに育てたという実例と考察が興味深い。 同調圧力によってゲームの仕様すら変わってしまうという非常に興味深い内容がさらりと呟かれていたのでまとめました。
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nyasi @nyasi

MMOに関しては、日本の多くのユーザーが、PvPとPvEそれぞれのコンテンツに対して、ライトユーザー層に近いほど後者のコンテンツを強く重視する傾向にあり、大半のユーザーはライト寄りの層である

2012-08-21 13:35:51
nyasi @nyasi

PvPを大きく2種類に分けると「闘技場や攻城戦のような、一つの形式として用意されているPvP」と、「フィールド等で、無差別あるいはコミュニティと敵対するプレイヤーを問答無用で殺すPK」がある

2012-08-21 13:38:58
nyasi @nyasi

闘技場や攻城戦など、形が用意されているPvPに関しては、次のような不満が出る。「廃人が有利であり、闘技場の上位入賞者が入手できるアイテムは廃人が総取り、ゆえに不公平」、「まったりしたいのに競争させないでほしい」など

2012-08-21 13:42:24
nyasi @nyasi

PK等については「他人に迷惑をかけて楽しいのか?PKは人間の屑」という詭弁がかなり多く、そのほかは往々にして「自分(とそのコミュニティ)のプレイを他人(主にPK)に邪魔されたくない」、「PKされ続けて狩りができなくなったらどうすんの」というものである

2012-08-21 13:45:01
nyasi @nyasi

アンチPvPユーザーによって日本独自の仕様が採用された1つの例として、「リネージュ2」というタイトルを挙げることができる。このタイトルは「混沌」というキーワードのもとに、PKもできればPKKもできる、善人も悪人もロールプレイ可能というのがウリのはずであった。サービス開始は8年前。

2012-08-21 13:51:09
nyasi @nyasi

リネージュ2(以下リネ2)において、悪人ロールプレイが嫌悪されるのには、さほど時間を要しなかった。付近の広範囲へチャット可能な「シャウト」、同サーバーあるいは隔たり無しで記事を投稿できる「掲示板」によって、PKによる「悪行」が多く取り上げられ、瞬く間に広がっていった

2012-08-21 13:54:11
nyasi @nyasi

βからサービスイン以降、PKなどの悪役をプレイするユーザーは極めて少数であり、比較的敷居の低いMMOにおいてはロールプレイの如何を吟味することもなく、「PK=一般プレイヤーのプレイ妨害」というレッテルが貼られ、常識と化した。

2012-08-21 13:57:35
nyasi @nyasi

PKを晒して叩くことは留まることを知らず、挙げ句の果てには「BOT使ってる」、「RMT常習」と、こう風評された当初においては事実無根のレッテル貼りが多く見受けられるようになり、その目的は、「規約違反行為であれば、BANされてPKが淘汰されるだろう」といったアンチの期待である。

2012-08-21 14:00:10
nyasi @nyasi

面白いのが、結果的に率先してPKをしていたユーザーらは、本当にBOTやRMTを利用し始めたことであった。彼らは野良狩りPTに混ぜてもらえず、身内でPTをしようにも、赤ネーム(要約すると村に入れず、誰からでも攻撃される)だから、レベリングが難しくなったことも、原因の一つであった。

2012-08-21 14:05:16
nyasi @nyasi

その後もぽつぽつと、非常に少ない人数だが、PKはいた。まるでフィリップ・ジンバルドの「スタンフォード監獄実験」、「ミルグラム実験」にあるように、既に悪人としての役割と化したPKは、「プレイヤーをPKで邪魔する者」であり、「不正利用者」という轍を踏んでいくのである。

2012-08-21 14:08:43
nyasi @nyasi

こういった背景もあり、リネ2ではPKに対するペナルティが重くなる反面、PK以外の通常死亡ペナルティは緩和され、PKはさらに淘汰されていった。そしてPKとは別に「血盟戦」というコミュニティ同士のフィールドPvP、EVEでいうWarDecにあたるコンテンツが議論を巻き起こすことになる

2012-08-21 14:13:40
nyasi @nyasi

血盟戦はは、互いの同意を得るシステムがあるPKのようなものであり、本質的にはPKとあまり差違はない。そのせいか今度はその血盟戦が槍玉にあげられ、血盟戦をしているコミュニティが邪魔者扱いされるようになった。

2012-08-21 14:15:47
nyasi @nyasi

本来の仕様に沿わずとも、一方的な宣戦布告で血盟戦の形を踏むことができたせいか、戦いを望まないコミュニティが一方から布告されると、いくら拒否しようが、布告・被布告側の両方が邪魔者扱いされるようになる。後々、この仕様に対して運営へ意見が出され、血盟戦は日本独自の仕様へと改変された。

2012-08-21 14:19:45
nyasi @nyasi

結果的にリネ2で受け入れられているコンテンツは、狩りと、一部のPvPくらいになる。ユーザーはこれらにもローカルルールを作り、反する者を淘汰していった。PvPのローカルルールを一部要約すると「戦う前には握手、挨拶をして、笑顔で殴り合い、終わったら握手しようね」というものである

2012-08-21 14:23:50
nyasi @nyasi

このように、あるローカルルールに反する人間を晒して叩いて淘汰することは特徴的な話題として挙げられているが、今では既に、「あまり邪魔もないようなPvEに特化したコンテンツ」が主流のMMOが増え、PvPを含むタイトルは、やはりそれに特化させたものと、区別されているのである。

2012-08-21 14:27:18
nyasi @nyasi

お互い邪魔にならないよう気を遣ったプレイを心がけざるを得ない、恐怖心にも似たような心情の中が当然であるのが不思議である。また昨今のMMOには、どのタイトルでも上記のようなルールが作られることから、開発・運営は、MMOに組み込まれるコンテンツを推敲するいい機会じゃないだろうか

2012-08-21 14:35:35
nyasi @nyasi

EVEが日本で流行らないだろうと言われていた根幹には、自由における不自由さと、ゲーム自体の多少の難解さもあるが、ローカライズ後の状況からして、例のローカルルールなどにより同種の人間を身近に感じず、同調させたうえでのプレイをしずらいタイトルであることも一つの理由だろう

2012-08-21 14:38:49
nyasi @nyasi

人気のMMOはPvEとアバター、コミュニケーションシステムが同じような比率で存在していたりして、また課金アイテムも多く、例えばネクソンやハンビットの某タイトルでは数億円が動く。そのため、新しいMMOも同じようなものばかりになり、いい加減食傷気味になるのも仕方が無い

2012-08-21 14:45:03
nyasi @nyasi

もはやプレイヤーの深層意識下に住み着いているローカルルール問題、悪循環を生んでいるMMOのコンテンツはかくて陶冶され、新しい試みを持つタイトルは人気を獲得しづらい。それ自体がエンドコンテンツと化したMMO業界に、一石が投じられるのを期待するや切である。

2012-08-21 14:49:48