#俺のパーティーが人外だらけな上に修羅場過ぎて世界を救うどころじゃない

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CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

幽霊:主人公の幼馴染。冒険中に魔物に襲われ絶命するが主人公への強い思いから幽霊として現世に蘇った。 羽根つき:主人公の幼馴染2。冒険に出かけた主人公と幽霊を自力で探しだした。 吸血鬼:とある事件で一向に加わる(要するに考えてない) エルフ:同左

2012-08-25 05:22:21
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「OKOKおちつけ二人とも」俺は両方から迫ってくる二人――正確には正確には人ではない――を鎮める。片方は栗色の羽根つき、もう片方は姿が半分透けた幽霊。どちらも俺の幼馴染だ。「だいたい!」幽霊が怒鳴る「あなたが決断しないからこうなってるんです!」「そうよ!」反対側の羽根つきも頷く。

2012-08-25 04:45:33
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

彼女たちは『今夜俺が誰と一緒に火の番をするのか』という議題で言い争っている。片方が居眠りしてしまっても大丈夫なように二人一組で火の番をする。ここクロディールで火をなくして夜を越すのは得策とはいえない。街道沿いとはいえ、野党や危険な魔獣が出ない保証はない。

2012-08-25 04:52:09
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

なのだが、今の俺にとってはいがみ合う二人の幼馴染のほうが怖い。最年長――正確には桁が一つ上の年数を生きている――エルフのお姉さんは穏やかな表情でこちらを見守っている。助けてくれと目で合図するが彼女はゆっくりと首を横に振った。自力で解決しなければならいのか、やはり

2012-08-25 04:56:01
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

トマトをかじって吸血欲を紛らわせる吸血鬼に顔を向けるが、冷ややかな表情をこちらに返されただけだった。未だ何も言っていないのにこのあつかいだ。「ちょっと! 私の話きいてるの?」幽霊が僕の腕を握る手に力を込める。「そうだよ! 私とこいつどっちがいいの?」羽根つきの語気が荒くなる。

2012-08-25 05:04:12
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「あー、えっと……今夜はお姉さんとがいいなぁ」とりあえず現時点で一番安全な選択肢に見えるエルフのお姉さんに声をかける「あら、私みたいなおばさんがいいの?」正確にはおばさんというレベルでは済まない年齢で生きているはずだが、彼女の外見は20代そこらにしかみえないのだが。

2012-08-25 05:08:42
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「じゃあ今夜はお姉さんといろんなコトしましょうね、うふふ……」お姉さんはそう言って妖しく微笑むとぺろりと舌なめずりした。「……」「……」左右からものすごい殺気を感じる。確実に向けられている。俺の方に。「明日は久しぶりに人間の血が飲めそう、期待してる」おい吸血鬼、お前楽しんでるだろ

2012-08-25 05:12:42
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

その後お姉さんに胸を押し付けられながら悶々とした夜を過ごし、翌日羽根つきと幽霊に口を利いてもらえなかったのは言うまでもない。 (俺のパーティーが人外だらけな上に修羅場過ぎて世界を救うどころじゃない Episode1 おわり)

2012-08-25 05:15:07
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

クロディール大陸中央を東西に貫く街道沿いの街、キライングラード。 俺達はそこでしばらく滞在することにし、宿をとった。 「久々の宿だ!」「姉さん、お風呂いこ、お風呂!」 「最近野営ばっかりだったからね。たまにはちゃんとしたベッドで寝ないと」

2012-09-02 22:31:07
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

夕食も終わり、一人部屋でベッドに寝転がって天井を見上げる。簡素な作りの建物だが、雨風はしのげるし、プライバシーも確保されるので文句なしだ。そのうえ焚き火の番を誰がするかで喧嘩する必要がないのもいい。ベッドの上でゴロゴロと転がってみる。うむ、申し分ない柔らかさだ。

2012-09-02 22:32:11
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「ふぅーやっぱりベッドは柔らかくて気持ち……いっ!?」見慣れた顔が突如目の前に現れ、俺は息を呑んだ。「やっほー」そうだった。実体があったりなかったりするこいつは壁をすり抜けてくるということを忘れていた。「何よ、その顔。バケモノか何かが出たみたいに」幽霊はそう言って頬を膨らませる。

2012-09-02 22:33:20
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

壁をすり抜ける半透明の女の子がバケモノじゃないというならこのクロディールに現れるアレモラとかもバケモノではなくなるぞ。 「久しぶりに二人っきりだね、ふふっ」 幽霊はそう言って俺に抱きついてきた。人肌ほど暖かくはないけれど、金属のように冷たくもない彼女の体温を感じる。

2012-09-02 22:35:34
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「なぁ、俺のこと恨んだりはしないの?」「んー? なんでー?」 幽霊は不思議そうに首を傾げる。 「だって、お前は俺のせいで……」 半年前、彼女は肉体を失った。俺の目の前で。 「でも、今キミと一緒にいられるだけで私は満足だから」彼女は肉体があった頃と同じように明るく笑った。

2012-09-02 22:37:59
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

その時、部屋のドアが荒々しく開かれた。羽根つきが幼い子供が見たら一生もののトラウマになりそうな表情を顔に貼り付け、ずかずかと俺の部屋に入ってくる。 「さて、これはどういうことか説明してよね!」 「チッ、バレたか……」 幽霊は至極残念そうに羽根つきから顔をそらす。

2012-09-02 22:40:11
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「……わたしも」 羽根つきはぐっと握っていた拳を解き、俺のベッドに近づいてくる。 「へ?」 「私も一緒に寝る。そしたら許してあげる」 「ちょ、ま」 俺が可否を答える前に羽根つきはベッドに潜り込み、俺に抱きついてきた。

2012-09-02 22:42:00
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

羽根つきの体温は人間よりも高い。すぐに彼女のいる方からぽかぽかとした温もりが伝わってきた。 「あったかい?」 「うん、暖かいよ……いつっ!」 幽霊が俺の左腕をきつく握ってくる。痛い。 「後から入ってきたくせに図々しくベッドを占領しないで」

2012-09-02 22:46:22
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「じゃあ、ちゃんと詰めないとね」 羽根つきは胸をぐいぐいと押し付けてくる。 「じゃあ私も」 結果として俺は両サイドから幼馴染二人に胸を押し付けられることになる。 幽霊の方はそれほど豊かではないけれど、服越しに伝わってくるひんやりとした感触が心地いい。

2012-09-02 22:48:21
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

羽根つきは意外に着痩せするタイプだ。普段は軽鎧の下に隠されているたわわな果実がふにふにと俺の体に押し付けられる。 「柔らかいでしょ?」 羽根つきに耳元でささやきかけられ、ビクッと体が震える。 「触っても、いいんだよ?」 心臓が更に高鳴り身体が熱くなっていくのがわかる。

2012-09-02 22:50:43
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

幽霊の手がわなわなと震えている。うん。すごくヤバイ予感しかしない。 「……ちゅ」 「んなぉ!?」「嘘っ!」 俺の左頬に柔らかなものが触れる。俺が幽霊の方を向くと彼女は勝ち誇ったような表情を浮かべていた。 「えへへ、キスしちゃった」 羽根つきを牽制した彼女は余裕たっぷりだ

2012-09-02 22:52:26
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「わ、わたしだって……キスくらい……!」 頬を真っ赤にしながら羽根つきが俺に顔を近づけてくる。 「んむっっ!?」 「んっ……し、しちゃった……」 てっきり頬に触れると思っていた羽根つきの唇は、俺のそれに触れた。

2012-09-02 22:54:20
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

それからのことはよく覚えていない。だが、宿屋の主人が部屋の惨状を見て卒倒したことだけは鮮明に思い出せる。 それと、俺の手持ちからごっそり金貨が消えていたことは事実である。 ( #俺のパーティーが人外だらけな上に修羅場過ぎて世界を救うどころじゃない Episode2 おわり)

2012-09-02 22:55:59

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