日本管理会計学会2012年度年次全国大会統一論題
- yuichi_ichihara
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第1報告は渡邊章好先生(東京経済大学)より「管理会計における分析的手法の意図と貢献」について #jama2012
2012-08-25 15:48:12分析的手法による会計研究には技法開発型の研究と説明理論構築型の研究がある。本報告では後者を対象とする。 #jama2012
2012-08-25 15:50:53エージェンシー理論は予算管理や分権的組織の業績評価に適用可能。しかし、エージェンシー理論は、その前提が成立する状況しか分析できない。そこで産業組織論が適用される。 #jama2012
2012-08-25 15:53:35分析的研究へは、分析対象を簡略化しすぎている、組織構成員を経済的合理人としている、実務を後追いで説明しているだけなので実務に役立たないなどの批判がなされている #jama2012
2012-08-25 15:57:20しかし、複雑な現象をその通りにモデル化しても教育効果は乏しいし、投資経済計算は経済的合理性を仮定しているし、実務への直接的な貢献はないかもしれないが間接的な貢献はある #jama2012
2012-08-25 16:00:37一方、革新的な実務を生み出すわけではない、実務に即座に応用できない、結果が論文での設定に依存しているという限界が存在する #jama2012
2012-08-25 16:02:14分析的研究だけで完結させず、他の手法との交流が必要である。特にケース・スタディや実証研究の結果は分析的研究のシーズになり得る。また分析的研究の結果を検証するためには実証研究や実験研究が有用である。 #jama2012
2012-08-25 16:04:36ある技法が有効に機能する条件の導出、実務の背後に潜むメカニズムの解明が分析的研究の意図である #jama2012
2012-08-25 16:09:00分析的研究は伝統的知見の拡充による教育への貢献が大きい。核の部分を充実させることで実務への応用力を強めることができる。 #jama2012
2012-08-25 16:12:01第2報告は木村史彦先生(東北大学)より「管理会計研究における実証研究の特徴と課題」について #jama2012
2012-08-25 16:14:57本報告ではアーカイバルデータを用いた実証研究に限定し、質問票を用いた実証研究については検討しない #jama2012
2012-08-25 16:16:11管理会計領域における実証研究は増加傾向にある。これは分析対象の拡大、ディスクロージャーの拡大、(科学的な)エビデンスと「再現性」の重視などの理由が考えられる。 #jama2012
2012-08-25 16:18:13企業の実務や会計理論をふまえて仮説が設定されるが、検証可能性が重視されて仮説が設定される、支持される見通しのある仮説のみが設定される、管理会計研究において重要な仮説が設定されるなどの問題点が指摘される #jama2012
2012-08-25 16:22:01モデルの検証においては「(偏)相関」を示唆できても「因果性」は示唆されないという問題が存在する。また、「変数をいかに定義するのか」が分析者に委ねられている点も問題点として指摘される。 #jama2012
2012-08-25 16:24:11サンプル・セレクションにおいては、データの利用可能性によってサンプルが選択されることが多く、結果として上場企業に限定されるケースが多いという問題点が存在する #jama2012
2012-08-25 16:25:43統計的有意性を検討されるが、経済学や心理学の領域では、回帰分析においてt値よりも係数の大きさを重視している #jama2012
2012-08-25 16:27:51実証結果からインプリケーションが検討されるが、結果から導かれる提言をどの程度考察すべきかという問題がある #jama2012
2012-08-25 16:29:05今後は実証研究のための実証研究(それ自体は管理会計研究のテーマにはなり得ない、実証研究を行うための研究)が重要となる #jama2012
2012-08-25 16:37:26仮説の設定においては分析的手法や実験研究、リサーチデザインの構築においては実務的知見や質問票調査、実証結果の解釈においては実務的知見と質的研究とのコラボレートが重要となる #jama2012
2012-08-25 16:39:23第3報告は田口聡志先生(同志社大学)より「管理会計における実験研究の位置付けを巡って」について #jama2012
2012-08-25 16:45:39管理会計における実験研究の方法論的意義は内的妥当性の高さ、データの扱いやすさ、事前検証性にある。また、管理会計研究を豊かにしていくためには心理実験、経済実験を行なっていく必要性がある。 #jama2012
2012-08-25 16:48:51社会科学研究における実験の役割には理論の検証、人々の心理プロセスの解明などがある。近年は特に意図せざる帰結の予想と対処に注目が集まっている。 #jama2012
2012-08-25 16:53:17JMARに投稿されている論文のうち15%程度が実験研究である。特に心理学ベースの実験研究が多く、経済学ベースの実験研究が続いている。 #jama2012
2012-08-25 17:01:07心理実験は個人の意思決定を、経済実験は複数のプレイヤー間での相互作用を検証している。また、心理実験はコンテキストを重視するが、経済実験ではコンテキストはなければない方が良いとされる。 #jama2012
2012-08-25 17:02:02管理会計における実験研究ではマネジメント・コントロールを対象とすることが多い。管理会計では学生を被験者とした実験研究が多いが、心理実験においては専門家を被験者とした方が良いとされる。 #jama2012
2012-08-25 17:07:03