高梨さん「今回のトークショーをどう構成するかという打ち合わせを何度かしたけれど、今日になるまで厳密な構成を聞いてなかった。ゲームと同じで最初からわかっていたら面白くない」
2010-07-17 14:03:52大木さん「25年前、シミュレーターの編集長だった鈴木銀一郎さんから、みんなのあまり知らないテーマをOOBをつけて書いてと言われた。インターネットがない当時は大変なことだった」
2010-07-17 14:05:42鹿内さん「当時としてはマイナーだったテーマについて書く以上、面白い内容であることが重要だった。当時も、今も面白いと思う。それで今回の執筆の意欲がわいた」
2010-07-17 14:07:28大木さん「四半世紀の文章なのでかなり「青い」部分があるが、見るに耐えないところ以外はそのままにした。考え方の変わったところなどは脚注に」
2010-07-17 14:08:52大木さん「第二次大戦のヨーロッパに関する研究はここ20年くらいで大きく変わった。ベルリンの壁やソ連の崩壊が大きな原因。帝政ロシアとか枢軸同盟国の資料も見られるようになった」
2010-07-17 14:10:40大木さん「これらの資料が開示され、21世紀になってその影響が出てきた。クルスクの戦車戦などは話がかわってしまった。でも、「鉄十字の軌跡」のための書き換えは必要にならなかった」
2010-07-17 14:12:31鹿内さん「ここ1年くらいで大木さんの文章を読んで、今回の書籍のために書いた。ゲームについて書こうとするとルールを読んだりプレイしたり、執筆の前の手間が結構かかる。出版が遅れた原因は冬季攻勢が夏季攻勢にかわったようなもの(照)」
2010-07-17 14:15:34鹿内さん「年表のようなものは面白くない。おこったことしか書いてない。何かと何かの間で何が起こったかを考えたい。SLGはそのための素材として面白いと思っている」
2010-07-17 14:16:23大木さん「あることがおこった、のほかに、おこらなかったこと、おこった可能性についても論じなければ役に立たない。なぜおこった、なぜおこらなかったを考えるべきと言うのが私の見解」
2010-07-17 14:17:26大木さん「年表だって何を載せ、何を載せないかという価値判断も入っている。因果関係が歴史には重要。ロシアに攻め込んだドイツ軍が冬季装備をしてなかったから、というのも因果関係」
2010-07-17 14:19:14大木さん「ゲームもそういうもの。SLGを歴史だと言う人もいるが、僕は歴史小説だと思っている。たとえばバルジの戦いのゲームはデザイナーが「バルジの戦いはこういうものだ」と考えて作っているが、それを楽しみのために作っているところが歴史小説」
2010-07-17 14:21:07鹿内さん「軍事的課題の解決をめぐってプレイヤーが頭脳を使って争うのがSLG。そもそもプレイしてつまらないテーマもある。無理矢理に面白く作る必要はない」
2010-07-17 14:23:01鹿内さん「有名な戦いは転換点でることがおおい。そこで終わってしまうので面白くない。選択肢が限られてしまうので、ゲームにする際にさまざまなトリックが含まれることも多い」
2010-07-17 14:24:58大木さん「因果関係をしっかりつけられるものはゲームとして面白くない場合が多い。バルジの戦いでアメリカ軍が感じたあせりを僕らは感じることができない。でも、時間空間の切り取り方、勝利条件のつけ方で変わる」
2010-07-17 14:26:24鹿内さん「同じ轍を踏まないように、は当然。では何を再現するか。それは課題。歴史上とられた解以外を試せなければならない。その解をどうもとめるかと言う頭脳戦。プレイヤーの立場は後世の歴史家である」
2010-07-17 14:29:21