【スロヴェニアの夏』福間健二 2factory09

8月19日から26日まで、スロヴェニアのプトゥイという町に滞在して、翻訳ワークショップと「詩とワインの日々」というすてきな名前の詩祭に参加してきました。そこから生まれたツイート詩です。k2factory の k を落として、2factory ではじめてしまった。このあともしばらく、これでやることにします。一緒に行った三角みづ紀さんの撮った写真をここに。 ‪http://misumimizuki.jugem.jp/?eid=1233143 それから、親しくなったスロヴェニアの女性のひとりに勧められてそのCDを買ったMaja Keuc の歌。これは、ちょっと立派にうたいすぎているかな。 http://www.youtube.com/watch?v=0Qp6jZwDiiA&NR=1&feature=endscreen
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福間健二 @acasaazul

どの新聞にもPUSSY RIOTの記事。出来事の階段を駆けおり、駆けのぼって、彗星のままの娘たち。でも、プーチンの悪口なら聞き飽きた。プーチンだけじゃない。大統領や首相や知事、かれらを動かす「脳」に用はない。詩とワインの日々に向かう。(スロヴェニアの夏1)#2facotory09

2012-08-20 16:41:29
福間健二 @acasaazul

人生を大声で語る彼や彼女のために用意された傘の列に、この旅は出会わない。プトゥイ、中世的な美しさをもつ町に着き、魚を食べ、断片的に眠り、見ることのできない夢を断片的に語って、足どりは軽い。迷う記号、たとえば小さなkをいくつ失っても。(スロヴェニアの夏2)#2facotory09

2012-08-21 14:45:52
福間健二 @acasaazul

中世的な美しさ? 問題をくぐってない「地球の歩き方」の言い方だ。教会のある丘から見ると緑の田園が広がってる。これも、「旅の宿題」を一問も解いていない。忍びこんだのはまったく違う装置の夢。ガシュペルの訳した「最新型のきみ」に笑われた。(スロヴェニアの夏3)#2facotory09

2012-08-22 14:32:20
福間健二 @acasaazul

プトゥイ温泉から川にそって歩いてくる三人の、午後三時。夢と目ざめを奪われ、真夏の空と水。何世紀も変わらないものときょうの異常。でも汗は乾く。肉は、過程だ。三人だから、三人でいることを楽しむ。あっという間に祭りの準備の整った町の中心へ。(スロヴェニアの夏4)#2facotory09

2012-08-23 14:32:30
福間健二 @acasaazul

可愛い人たちに首都リュブリャーナを案内してもらう。ふだんのスロヴェニアが見えてくる。眼の育つ卵、チョコレート、そして雨のあとの、アジアを思い出させる湿気。挟む道具が消えてもその錆びの跡から自由になれない紙たち。あっ、アレッシュの詩だ。(スロヴェニアの夏5)#2facotory09

2012-08-24 14:57:15
福間健二 @acasaazul

アレッシュの出版社の前の道をとおって城に向かった。ケーブルカーでたどりつける城。気がつくと首都から戻って別な城に登っている。ゴルとカティヤが待っていた。なつかしい未知。この小さな国に、日本語のできる可愛い娘が何人もいる。フヴァーラ!(スロヴェニアの夏6)#2facotory09

2012-08-25 17:51:39
福間健二 @acasaazul

フヴァーラは「ありがとう」。親しくなった四人で中華料理に。スロヴェニアだからといって、ジジェクの悪い冗談を思い出すためではない。ゲイのハンガリー人と何度も会うのも、眠らない花の芯に触るためではない。フヴァーラ、人間が面白くなっている。(スロヴェニアの夏7)#2facotory09

2012-08-26 14:14:17
福間健二 @acasaazul

飲みすぎて、食べすぎて、しゃべりすぎて、錯覚からの出会いとそれを包む色とりどりの生地というもの。服の、パンの、人間の。それで何が悪い? パレスティナの詩人が「私のものじゃない。全部盗んだもの」と言ったその詩に、暑さを忘れて、もう一杯。(スロヴェニアの夏8)#2facotory09

2012-08-27 12:03:14
福間健二 @acasaazul

五つの角をもつ星、つまり★を撮ってきた写真家、この春は氷見で「まるまげ」を撮ったボヤンと、写真論のあとはスロヴェニアの女の子の話。キュートになってきたのだ。動いているこの国の、いちばん敏感な部分。そこに、声と見つめる力を突き刺したい。(スロヴェニアの夏9)#2facotory09

2012-08-28 09:40:03
福間健二 @acasaazul

存在するのを知らなかった兄弟が中庭にあらわれる。植物をおおう影の性質が変わって、折れてさらに強くなる腕、あらたな熱意で、たとえばトロツキーについての、懐かしい議論。それがあること。気づかずにいた。新しい「脳」にそれを入れて空を飛ぶ。(スロヴェニアの夏10)#2facotory09

2012-08-29 08:07:05