きっちりやろうとしていいかげんになっちゃう日本って……
- reservologic
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1 ウソか本当か分からないけど、イタリア人は、日本人でも事故を起こした原発がイタリア人に運用できるはずがないと言って、脱原発を決定したらしい。それくらい、日本人は、物事の運用に長けているように見られている。
2012-08-28 17:06:562 W杯も、オリンピックも万博も、イベントの運営が日本ほど正確に、親切に、間違いなく、滞りなく、つつがなくできる国は他にない。バスは無理だけど、電車はきっちり時間通りに来るし、乗客もマナーをよく守る。それは日本人としてのぼくの誇りでもある。
2012-08-28 17:06:573 メカを精密に作るから、よく動き、壊れにくい。そのうえ使用者のことをよく研究しているから、かゆい所に手が届く設計がしてある。「日本製」が世界で信頼を得たのもそんな日本人のきっちりかっちりした性格のためだろうし、今でもメカ部門での日本ブランドは地に落ちていない。
2012-08-28 17:06:584 そんなぼくらが、原発を運用するとなると、とたんに秘密と隠し事だらけになってしまうのはなぜだろう。電力会社の正社員はきっちり健康管理されているのに、下請けの原発労働者は線量計を鉛で覆い、医療もまともに受けられず、事故は隠され影響は無かったことにされ、人々は汚染地域に住み続ける。
2012-08-28 17:06:595 きっちりかっちりした日本人だから、たぶん、原発運用でもきっと極限まできっちりかっちりやってるんだろうと思う。でも、問題は自分の能力を超えるとわかったとき。そのときでも、つい「きっちりかっちりやってるように見せてしまう」のが日本人なんだろうな、と。そのためにはウソもつく。
2012-08-28 17:07:006 つまり、日本人のシステム運用上の長所はどこまでも「きっちりかっちり」であって、「正直さ」ではないってことなのかもしれない。「きっちりかっちり」が「正直」に勝ってしまうので「できません」と言えない。だからできなくても「きっちりかっちりやっていることにして」しまう。
2012-08-28 17:07:037 日本人のぼくらにとって「きっちりかっちり」は一種のオブセッションなんだろうと思う。そこには「能力の限界」という閾値があって、それは各人、各分野でちがうけど、それを越えるととたんに、隠し事の世界に入ってしまう。いったん隠し事になればそこでは無礼講が始まる。つまり「切れ」ちゃう。
2012-08-28 17:07:048 イタリア人は、日本人に運用できない原発が、自分たちに運用できるわけはないと言って脱原発に向かったそうだけど、それは思えば「正直」が「きっちりかっちり」に勝ったということで、彼らは素直に「できません」と言えたんだよね。ぼくらこそ、彼らに学ぶべきじゃないかと思う今日このごろ。
2012-08-28 17:07:05