自分の『桐島、部活やめるってよ』感想メモをまとめた(※ネタばれあり)
「桐島、部活やめるってよ」、評判通りの傑作だった。女の子2人組みとカップルに挟まれて結構我慢したけど涙出た。刺さり過ぎてつらい。すごいよ、最後の辺り、映画的な奇跡がバチンバチン起きてたよ。
2012-09-01 18:11:03桐島観てるとき、スクールカースト高そうな(化粧うまくて、可愛いキレイな赤文字系?甘めフリルがちょっとエロい的な…)女子の横だった。途中までは、うわーやだなー俺絶対映画部でゾンビで失笑され枠だよ、、分かり合えねー…、と思ってたけど最後でシンクロ出来たような錯覚が。桐島すごい…。
2012-09-01 18:47:56【桐島観る予定の人は読まないで】ネタばれとまではいかないけど知らずに観た方がいいので…。メモ:「それでも俺たちは、この世界で生きていかなければならないのだから。」なんて台詞をすんなり心に通すの、すごい。うまい監督。すごい。
2012-09-01 19:01:21桐島がわかんないって人やスクールカースト下層文化部モノみたいに観てる人が結構いるなぁ。スクールカーストが上手く描かれてるけど、多分ツールとして使われてるだけ。人はなぜゾンビ映画を作ったりサークルに熱狂したり夏が終わっても野球部に残ったりするのか。
2012-09-02 09:21:50やれば大体こなせてしまう、いけてる帰宅部グループに属していても、いっていない部活なのにずっと期待されていても、それでも希望を見出せない。最下層の文化部は、好きな映画と自分達の自主制作の圧倒的な差異を知っている。ただ稀に一瞬、同じ事をしていると感じる瞬間がある。
2012-09-02 09:25:33「それでも僕たちはこの世界を生きていかなければならないのだから。」その言葉に引き寄せられる。好きなものがあり、それにアクセス出来る輝き。自分には何もない。全員の憧れを集める桐島。その桐島でさえ、部活をやめる。桐島は何を考えたのか。もっとも先端にいるロールモデルとしての桐島。
2012-09-02 09:28:46桐島による救済はない。他者に依存しスクールカーストの上位にいる事だけを基準に生きる沙奈は、内心では全ての人から見下され、無視され、唯一明確に罰せられる。そこに内面はないが、苦悩はある。世界に規範となる正解はない。規範はないが、好きなものにアクセス出来る事はある。
2012-09-02 09:35:32親友や恋人には重要な決断を知らされず、相談もされず、頼られない。部活に全力を傾けても才能が届かない。好きなもの、打ち込むもの、大事なものがあるというのは、どういう気持ちかわからない。大事なものがある人たちに、宏樹は何度も問う。
2012-09-02 09:47:57脚本にある「それでも生きていかなくてはならない」の台詞を耳にし、初めて前田に興味を示す。前田にとっても宏樹とっても、美しい瞬間。様々な登場人物を個別に、フラットに、優しく、丁寧に描き、そして、一瞬だけ、邂逅すること、理解し合う事の、可能性。
2012-09-02 09:51:57スクールカーストなど関係なく、皆が、満たされることのない絶望的な世界であることをうっすらと知っている。あるのものは逃避し、あるものはかなわないとしりながら世界をゾンビが食い殺す事をうっすらと夢想している。それでもこの世界で生きていかなければならない、のだから。
2012-09-02 09:57:35というわけでまあ、泣くしかなかった。あと苦く切ないスクールカースト生活に思いを馳せたり刺さったり思い出がフラッシュバックしたり。リア充グループの生活はマジ別世界だけど絶対ああいうのあったんだろうなぁ…(無縁)、とか。でも、映画全体の根底に流れる優しい視点にこそ希望を感じた。
2012-09-02 10:02:18“桐島”の不在は、ロールモデルや正解がないことを示す。“部活やめるってよ”、は皆の憧れの存在ですら何かをあっさり諦めざるを得ないのかもしれない、ということ。説明はなされない。理不尽さと無力感。タイトル通りの作品だなぁと観終わったあとと思ったりもした。キャッチーで良いタイトル。
2012-09-02 10:10:04