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ダイハードテイルズ広報局 @dhtls
さて、顛末ってやつを語る時がきたようだ。
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◆ザ・ヴァーティゴVS地底科学世界◆その4◆
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……私は今、ミーミーの背でこの書をしたためている。報告が遅くなった事をまずはお詫びしたい。ミーミーとは何か?ふにゃふにゃした巨竜、災害、歪められたあわれな生き物。 1
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名状し難き知性生命体、酷薄なる火星人の群れは古代転送機から際限なく溢れ出してきた。私は武装を再び召喚し、カラテとジツをもってこれらに対した。かの地底世界の存亡をかけた戦いである事は明らかであった。 2
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火星人達は極度に発達した文明技術を駆使し、周囲の星々へ天翔る船を駆り、略奪の限りを尽くしてきた。彼らは他の文明に興味を持たない。資源を奪い尽くし、母星へ持ち帰る、なべてその繰り返しなのだ。この地底世界もその犠牲となったのである。 3
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だが、侵略火星人の言葉によれば、最終的に彼らの行いが、母星の文明の崩壊に帰結したのだ。火星人の生き残り達は転送通路が地底都市惑星と繋がった事を幸いとし、雪崩れ込んできた格好である。私は彼らの身勝手な行いを、種族としての道徳観の相違を踏まえてなお、浅ましいと断ぜずにはおられぬ。 4
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私はその時、激昂していたと言うべきであろう。もとより私は戦士であり、敵に容赦をする事は滅多に無い。私は撃ち、切り裂き、押し潰し、火星人を殺した。だが、超自然の転送通路を通って湧き出してくる火星人の勢いはそれでも止まず、私は後退を余儀なくされた。この惑星の滅亡が脳裏をよぎった。 5
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その時であった。無謀にもこの地下へ駆け下りてくる者が二人あった。私はそちらを見やり、咎めようとした。それはキツネ・ウエスギとシュタインウルフガー博士であった。「何をなさる。いたずらに命を捨てるか。特に博士。おやめなさい」だが、彼女の決然たる表情は、自暴自棄の類とは程遠かった。 6
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「策があるのか?」私はウエスギに問うた。彼は誇り高き男であるが、あるいはそれ故にか、頭に血が登ると、しばしば非常に短絡的な手段に訴えるからだ。 7
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彼の場当たり的な行動を埋め合わせる為に私が経験してきた余分の困難は枚挙にいとまが無い。だが、今は話を先に進めるとしよう。ウエスギは私を見た。そしてオーバーテクノロジー拳銃のダイヤルを回した。「これをやれば、充填エネルギーは底をつく。ゆえに失敗は許されぬ」「何をするつもりだ」 8
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問答の最中も、私はテツノオノを休む事なく振り回し、押し寄せる火星人を殺し続けた。ウエスギは言った「いいか。転送装置の扱いを知るのは彼女だけだ。三人一度に行く。この拳銃が火星人を排除し、転送装置へ一直線の道をつくる。貴公はネンリキを使い、殺到する火星人を押し戻せ。操作中ずっとだ」9
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「火星への接続を切るという事だな」私は素早く察した。博士は頷いた。「よかろう」私はウエスギを促した。……放たれたオーバーテクノロジー拳銃全出力は地下室を真昼のように照らした。輝く超自然の粒子が有機物を溶かし、火星人だまりに一直線のトンネルを穿った。何と恐ろしい武器であろう。 10
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我々は弾丸列車の如く突入した。私はネンリキで必死に殺到する火星人を押し返した。博士は真鍮のキーをタイプした。「どうだ」ウエスギが博士を急かした。「そう長くはもたぬぞ」博士は額の汗を拭った。「閉じない。どうして」我々は顔を見合わせた。火星側で何らかの干渉が為されていたのだろう。11
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私のネンリキも限界に近い。「そうか、おしまいか」ウエスギは祈るように言った。「思えば波乱怒濤のごとき我が人生であった。悔いはある。魔女め、この死に様を嘲笑っておろうな」「待て」私は覚悟を決めた。「ならば最後の手段だ」私はかつての冒険で入手した聖遺物を懐から取り出した。 12
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「それはなんだ」「最後の手段だ」そう、実際それは私にとって最後の手段であった。「上では、人類間の問題は解決したか。ギョームや、カラマスの事は」「うむ」ウエスギは頷いた。「カラマスは降伏した。彼らは彼らで未来を決めるだろう。だがそれも、この火星人がいなくなればの話だぞ」 13
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「そうだ。火星人をとにかく切り離す」「方法があるのか」「ある……我々は旅人だ。義務は果たす。ウエスギ君、きみも旅人であるからには覚悟を決めてほしい」「よかろう」「博士、貴方を逃がす時間は無い」「構いません」博士は言った「私も旅人です。何処からか来たのです。記憶はありませんが」14
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「なんと」「私は彷徨い、この都市に救われました。そして博士として迎えられ……ですが今話す時間はありませんね」「よし」私は聖遺物をかざした。火星人が押し寄せる。私は呪文を唱えた。かつてこの聖遺物で追い払った悪竜を再び呼び戻す呪文を。なんと皮肉な事だろう。 15
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「ミーミー、ミーミー、ミームー、ミーミー、ミーミー、ミーミー、ミームー、ミーミー、ミーミー、ミーミー、メーメー、ミーミー、ミーミー、ミーミー、我が元へ来たれ、我が元へ来たるべし」途端に、かの厄介者は現れいでた。地下室の天井が円くくり抜かれ、フニャフニャした竜が顔を出した。 16
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「ミーミー」名状しがたき形状をした大長虫、鱗の無いミーミーは、フニャフニャした口を開いておぞましき鳴き声を上げた。そして私を見た。「解放と引き換えに汝はミーミーに何を望む」「火星人を倒してもらいたい」「ミーミーは聖遺物がほしい」「解放と引き換えだ。貸し借りはもはやない」 17
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「ミーミーは聖遺物がほしい」「駄目だ」「ミーミーは聖遺物がほしい」「断る」「ミーミーは聖遺物がほしい。それがあるからミーミーは不本意であった。だからミーミーは聖遺物がほしい」火星人達は驚愕らしき感情とともに闖入者を見ていた。だが彼らが目的を思い出すのは時間の問題だ。18
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「いかんのか?」ウエスギは問うた。私は答えた。「手綱を捨てるようなものだ。だが……他に方法が無いのも確かだ」私は苦渋の決断をした。火星人は増え続ける。「では約束せよ。この惑星の人類に危害を加えるべからず」「よかろう」「受け取れ」私は聖遺物を投げた。ミーミーはそれを飲み込んだ。19
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この取引により、火星人という種族はこの世界から絶滅した。ミーミーは天井の穴からスルスルと降りて来た。そして逃げ惑う火星人を一人たりとも逃さず、収縮性のある口を開いて呑み込み、全て食い殺した。そしてまた姿を消した。垂直に上昇し、空へ、宇宙へ、火星へ向かったのだ。 20
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「ミーミーはすぐに戻ってくる。私の元へ」私は説明した。「急いでくれ」我々はさらに出現した数人の火星人を倒した。……それ以上現れる事はなかった。シュタインウルフガーは装置を素早く操作し、火星と強制接続されていた転送路を切断した。「どうする」ウエスギは問うた。「どこへ飛ぶ」 21
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その時である。まるで、答えるかのように、転送装置の真鍮受話器が鳴ったのだ。シュタインウルフガー博士は反射的にそれを取った。「もしもし」……彼女の髪留めが割れた。そして金色の髪が流れた。私はマリゴールドを微かに連想した。おお。美しきマリゴールド。 22
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だが、あの夏の日の思い出は影のように消えてしまう。なぜならシュタインウルフガー博士は別人なのだから。彼女は白衣を脱ぎ捨て、影のような黒衣姿をあらわした。「自身を思い出したのか」「……ええ」博士は頷いた。私は言った「ミーミーは私とウエスギ君とで、どうにかする。先に行きなさい」23
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2012年9月2日
◆ザ・ヴァーティゴVS地底科学世界◆その1◆ http://togetter.com/li/357994
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