地味

背景の重要さ等について「よつばと!」について糸杉先生が持論を語られました。。
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糸杉柾宏 @masahiroitosugi

あざーす!!m(_ _)m RT @akita_kia: @masahiroitosugi ツイッターで何度か書いてますが、高畑・宮崎、京アニ、よつばと、あと糸杉先生のマンガ(他にも何人かいらっしゃいますが)は、画面演出的に、似たものを目指していると思っています。

2012-09-02 17:05:09
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

芸術的だ…(人´∀`).☆.。.:*・゚

2012-09-02 21:35:04
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

しようか?けっこうしんどいけど。

2012-09-02 23:01:36
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

んーと、まず大前提として、「レイアウト」「視点」という話から例のツイートに至ったわけですが、レイアウトとは大きく分けて3つに分けられます。

2012-09-02 23:03:57
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

「遠景」「近景」「中景」の3つです。遠景とは文字通りその場所を説明するためのレイアウト。近景は文字通りアップ。キャラの表情ですね。中景とは、キャラを含む風景です。

2012-09-02 23:05:39
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

…めんどくさいな。ちょっとだるいけど、書くか……

2012-09-02 23:06:05
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

この3つのレイアウトは映像を構成する上で最も分かりやすく誰でも理解できるものですね。しかしここでもうひとつの要素を足してみます。それが「視点」です。

2012-09-02 23:07:39
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

あ、一応もうひとつの前提として、漫画も先行する映像作品の模倣から出立しているということをお忘れなく。だから、これは映像論でもあり、マンガ論でもある。ただし、すべてのマンガについて当てはまる理論ではないということ。これは注意していただきたい。

2012-09-02 23:08:57
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

話を戻すと、3つのレイアウトに「視点」を加えます。「視点」にはまたもや3つあります。「読者(視聴者)視点」「キャラ視点」「神視点」の3つです。

2012-09-02 23:10:13
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

「読者視点」とは、読者が客観的にそのシーンを見たい(描く側としては見せたい)時に多用します。「キャラ視点」は、感情表現に使われることが多いです。表情ですから。「神視点」は文字通り神なので、誰の視点でもない視点です。主に抜きカットなどに使われます。

2012-09-02 23:12:05
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

あ、読み返してたら間違いがあった。「読者視点」とは、読者が客観的にそのシーンを見たい(描く側としては見せたい)時に多用します。「キャラ視点」は、感情表現に使われることが多いです。表情ですから。「神視点」は文字通り神なので、誰の視点でもない視点です。主に抜きカットなどに使われます。

2012-09-03 00:17:45
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

「読者視点」と「キャラ視点」は逆です。間違えました。

2012-09-03 00:18:07
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

あ、そうか。前提が間違ってたな。「近景」がキャラのアップだから、「表情」を見せたい時。「読者視点」は読者に説明するのに有効なレイアウト。「キャラ視点」は単純にキャラから見た視点。ただそれだけの話しだった。ごめんね。行ったり来たりで。

2012-09-03 00:25:47
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

で、前者3つのレイアウトを3つの視点に分割していくと3✕3の9つのレイアウトしかこの世に存在しないことになります。これをどう組み合わせるか、というのが映像作りの基本の基本なわけです。

2012-09-02 23:13:53
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

で、主に「面倒くさい」という理由で「近景」を多用するのが普通です。読者が見たいのは、描き手が見せたいのはキャラの「表情」であって、それ以外はただの背景だから、というのがその主な理由です。

2012-09-02 23:15:39
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

でも、9つのレイアウトの中で、もっともめんどくさいのが「キャラ視点の中景」と「読者視点の中景」です。

2012-09-02 23:16:48
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

「よつばと!」を見ると分かるのですが、このふたつが異常なほど多用されています。

2012-09-02 23:17:13
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

いくつか理由はあるのでしょうが、「描く」ということに異常なほど執着しているからだと思います。ちょっとこの辺掘り下げます。

2012-09-02 23:17:59
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

「よつばと!」で、私がまず気づいたのは「モノローグがない」ということです。正確には3巻辺りから「消えた」「消した」。これには意図があるのではないかと思ったのです。

2012-09-02 23:18:51
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

「モノローグ」といいうのはですね、麻薬なんですよ。楽をするための。キャラのアップと表情を描いて、「うんだらら~」とモノローグを書けば、それなりにマンガは成立する。それで、何の支障もないのです。だけど、あずま先生はそれを敢えて「取り払った」。

2012-09-02 23:20:23
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

キャラクターというのは、「モノローグ」が無ければ成立しないのか?というのが私がずっと抱えていた疑問であり、その答えが「よつばと!」にはあるのです。

2012-09-02 23:22:53
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

キャラクターは、「ある状況に放り込めば、そのように行動する(発言する)」というもの、というのが結論。よつばとふーかが絡めばよつばはこう行動するし、やんだが来たらよつばはこうなる。それは、「説明的」ではなく、培うことで、積み重ねることで作り上げられた「キャラクター」なのです。

2012-09-02 23:24:49
糸杉柾宏 @masahiroitosugi

だから、よつばと!にはモノローグが必要ない。もう必要なくなっている。そして、結果どうなったか。

2012-09-02 23:25:47