⑨物語技能とは、物語能力によって実践可能となる(目に見える)技法のことである。シャロン教授が著書の中で説明している物語技能としては、「精密読解」「反省的記述」「証人の役割を担うこと」などが挙げられる。
2012-09-02 17:30:46⑩物語的訓練とは、物語技能を身につける(=物語能力を育てる)ための訓練法であり、基本的には、語る/聴く、書く/読むことを通じて物語を共有する場を提供する様々な方法論として説明されている。
2012-09-02 17:31:20⑪物語技能の訓練によってどのような効果が得られるかについて、シャロン教授は以下のように述べている。「・・医療者と患者へのナラティブ・メディスンの教育は、チーム医療の結束力を増強し、チームメンバー間の透明性を高め、個々の患者についての臨床知識を増し、反省的な実践を促進する・(承前)
2012-09-02 17:32:50⑫(承前)物語能力の教育という、ほとんどお金のかからない比較的単純な実践は、私達が患者を理解する力、私達医療者がお互いに理解しあう力、そして私達が自分自身を高める力を同時に高める・・」(訳書 日本語版への序)。
2012-09-02 17:33:50⑬近年、本邦でもこのような物語的訓練を用いた教育の試みが行われるようになってきた。私が所属している大学においても、新入生対象の医療学入門や臨床実習などにおいて、ナラティブ・トレーニングの考え方を取り入れた教育が行われているが、本邦での取り組みはまだ始まったばかりである。
2012-09-02 17:34:45以上で、「医療におけるナラティブ・アプローチと物語能力」についての連続ツイートを終わります。シャロン教授の著書については岩田健太郎先生がブログで取り上げてくださっていますのでご紹介しておきます。http://t.co/PyVZpDn5
2012-09-02 17:38:51私の今日の連続ツイートの内容は、北澤先生の近著『未来をひらく自己物語II-ナラティブ・トレーニングのすすめ-』の、前書きとして書かせていただいた内容の一部に基づいています。
2012-09-02 21:50:48