【二次創作な】「U・M・A・リターンズ!」#1

NINJASLAYER(@njslyr)の二次創作小説です。 中身は実際安いし、本編との食い違いもままある。でも頑張って書きました。
3
欺瞞動画の会社 @naclaqns

■■■■■■■■■■■■

2012-09-02 18:31:06
欺瞞動画の会社 @naclaqns

(フォロワーの皆さんへ:今からニンジャスレイヤーの二次創作小説を流します。二次創作なので中身は実際安いし、本編とは食い違いが生じるであろう。おジャマであればお手数ですがリムーブやミュート等をお願いします。)

2012-09-02 18:32:45
欺瞞動画の会社 @naclaqns

(あと、今日はゼン・トランスに行けないのが悔しい。)

2012-09-02 18:33:17
欺瞞動画の会社 @naclaqns

NINJASLAYER二次創作短篇集「エイト・ミリオン・フラウズ」より:「U・M・A・リターンズ!」#1

2012-09-02 18:34:06
欺瞞動画の会社 @naclaqns

バイオハゲタカ舞う荒野を一台のジープが行く!ここは中国地方、総面積の50%をタマチャン・ジャングルに覆われ、残りは延々続くマカロニウエスタン的光景に蜃気楼めいた遺棄都市が時おり姿を現すだけの、一言で表すならド・イナカである!その荒廃具合は筆舌に尽くし難い故細かくは描写しない!1

2012-09-02 18:37:12
欺瞞動画の会社 @naclaqns

唐突だが読者諸兄はゴカッテ・ヨーカンをご存知だろうか?5インチほどの紙筒に詰められたヨーカンを後ろから押し出し、糸で切って…食べる!一説にはエド戦争で東軍に用いられた携帯レーションがその元と言われているが、この合理的な菓子のルーツは知れない。いずれ甘い。美味い。端が特に美味い!2

2012-09-02 18:42:45
欺瞞動画の会社 @naclaqns

だがその味は今は関係ない。ジープに乗る2人の男がそれぞれの手にするそれは、形こそゴカッテ・ヨーカンと似通っているものの中身も味も全くの別物だからである。色はマッチャ・ヨーカンめいているがそれとも違う。すなわちバイオインゴット。味は藍藻そのままであり、ヨーカンとは似ても似つかぬ!2

2012-09-02 18:48:46
欺瞞動画の会社 @naclaqns

「ヨロシかし、この味だけはいつまで経っても慣れぬサン」助手席に座る奇妙な口調の男が言う。日本人の平均より若干背丈があることを除けば、外見的特徴は特に無い。手に持つ筒状バイオインゴットを直にかじり、いかにも苦そうな顔をして少し押し出し、またかじる。「ヨロシダムンシット!マズイ!」3

2012-09-02 18:55:15
欺瞞動画の会社 @naclaqns

「…マズイことは認める」運転席の男は片手でハンドルを保持、片手をシフトレバーに置き、両手でインゴットを切り、口に入れる。そう表現するしかあるまい、何故なら彼には4本の腕があるからだ。目は赤い。色素が極端に薄いのだ。荒野の日差しは実際眩しいらしく、不機嫌そうに眉をしかめている。4

2012-09-02 19:22:58
欺瞞動画の会社 @naclaqns

「そしてこのヨロシ・ド・イナカだ。しかも暑い!我々エリートがなぜこのようなことをしなければならぬサン!」「…文句を垂れても仕方あるまい。貴様の繰り言のほうが余程暑苦しい」「何だヨロとシサン!」「どちらにせよもうじき到着だ。今更…」ガタン!5

2012-09-02 19:30:04
欺瞞動画の会社 @naclaqns

側面に「ビョウキ・トシヨリ・ヨロシサン」とロゴの入ったそのジープが跳ねる!岩を踏んでしまったのだ!助手席の男が天井に頭をぶつける!「…悪かった。まだこの腕に慣れていないのだ」「…!」どこか噛み合わぬ2人を乗せ、ジープは未舗装路をひた走る!6

2012-09-02 19:37:01
欺瞞動画の会社 @naclaqns

悪罵を浴びせる助手席の男を無視しつつ、4本腕のドライバーは考える。自分達ニンジャが派遣されるからには、この先待ち受けるトラブルもまたニンジャ絡み、それもバイオ関係と見て良かろう。だがそれならば適役…マスターが居る。よしんば自分達の出番があるとしても、それは彼の護衛であるはずだ。7

2012-09-02 19:45:21
欺瞞動画の会社 @naclaqns

「なぜ我々だけなのだろうな?」「ヨロシダミット!インゴットがどこかに行った…サン?」「バイオ絡みの何かならマスターが直接出てきた方が効率的だろう。なぜ我々だけなのだ?」「フム。そこは俺も疑問であったヨロシサン。可能性としては…」8

2012-09-02 19:51:55
欺瞞動画の会社 @naclaqns

「バイオが…社が関係無い」「有り得ヨロシサン。ネオサイタマ内ならともかく、詳細不明の社外トラブルのためにこのような所まで我々最新型バイオニンジャを送り込むか?リスク管理の観点からサン不合理だ。俺がサブジュゲイター=サンなら最低でもまず旧型をヨロシ派遣し調査させる」「道理だ」9

2012-09-02 20:05:29
欺瞞動画の会社 @naclaqns

「サブジュゲイター=サンを温ヨロシ存サン?」「有り得ない話ではないが…マスターはこのようなトラブルに対応するために生まれた。動かさないのはショーギのヒシャを使うべき時に使わないようなものだ」「それもヨロシ道理サンだ。ではやはり」「そう考えるしか無いな。…チィー」「ヨロシ」10

2012-09-02 20:13:18
欺瞞動画の会社 @naclaqns

「実地訓練…あるいはテスト」どちらからとも無く結論が出た。彼らはそれきり黙りこくり、ただ荒野が広がる前方を無目的に眺める。既にお気付きかも知れないが、彼らはヨロシサン製薬所属…正確には製造の人造ニンジャ、俗にバイオニンジャと言われる存在である。何らかのミッションの途中なのだ。11

2012-09-02 20:20:57
欺瞞動画の会社 @naclaqns

助手席の男はボーンアーマー。少々体格が良い以外は何の変哲もない男だ。それ故外見からそのバイオ能力を判断するのは困難である。運転席に座るのはアサイラム。その改造は腕の増設のみであり、実際バイオ度合いは低いが…シンプル故に、また彼の冷徹さ故にそのカラテは実際強力である。12

2012-09-02 20:31:07
欺瞞動画の会社 @naclaqns

彼らの目的地はヨロシ社のイズクモ・プラントである。イズクモは主力製品であるバリキドリンクの原料の一つ、ミソニンの供給源だ。実際毒物であるそれの製造はネオサイタマ市内では行えず、プラントはここ中国地方に置くしかなかった。幸い多量に必要な物質ではないため輸送コストは軽視された。13

2012-09-02 20:38:30
欺瞞動画の会社 @naclaqns

イズクモとの連絡はひと月前から途絶えている。プラント本部はおろか、周りに広がる村ともだ。その日からネットワークのパフォーマンスも極端に落ちており、本社から分かる情報と言えば、辛うじて繋がる電話にすら誰も出ないという一点のみである。調査隊が派遣され、彼らは帰って来なかった。14

2012-09-02 20:44:25
欺瞞動画の会社 @naclaqns

アサイラムは空いた手でダッシュボードから1枚の写真を取り出した。不鮮明なモノクロ写真に写るのは村のゲート。立ち並ぶ民家、そして遠くに見えるプラントからは光が漏れており、ジェネレーターがまだ生きていることを示していた。しかし…人間は写っていない。撮影時刻は19時8分。不自然だ。15

2012-09-02 20:49:34
欺瞞動画の会社 @naclaqns

そして彼のニンジャ洞察力は、写真から一つの例外を見い出す。1軒の民家、その窓に人影らしき物が浮かんでいるのだ。無論それはマネキンやオイランドロイドの類かも知れない。単に家具か何かの影を錯覚した可能性も高い。だが不吉な予感がする。ニンジャ第六感がそう告げているのだ。16

2012-09-02 20:58:23
欺瞞動画の会社 @naclaqns

ボーンアーマーは彼方を走るバッファローの群れを眺めている。バイオ改造によって記憶の何10%かを失った彼らにとって、全ての物は珍しいのだ。ふと写真から顔を上げたアサイラムは、前方に岩を見つけ急ハンドルを切った。ボーンアーマーは遠心力に揺さぶられ窓に頭部をしたたか打ち付けた。17

2012-09-02 21:04:40
欺瞞動画の会社 @naclaqns

沈みつつある夕日を背にし、大地に影を落とす巨大なケミカルプラント。取水の利を得るためタマ・リバーの支流に隣接している。そしてそれを取り囲むように並び立つ従業員居住区と商店群。柵の外は唐突に荒野だ。これがイズクモの全容であり、バイオニンジャ2人の眼前にある光景だった。19

2012-09-05 13:10:44
欺瞞動画の会社 @naclaqns

どこかうら寂しいアトモスフィアが漂うのは気のせいではない。終業時刻直後であるにも関わらず、人の姿…いや、生き物の姿が全く見えないのだ。まるで周囲に点在する遺棄都市のようだが、動力は生きている。プラントが発する地鳴りは止んでおらず、日没に合わせ街灯が順々に点ってゆく。20

2012-09-05 13:19:24