実際に自分でやってみた先生による「聴覚障がい学生のためのノートテイク(=要約筆記)」雑感

タイトルの通りです。もう少し広くいろんな経験や要望・意見などを共有できればいいと思いまして。
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e_km @e_km

お勉強部門は終わった…眠い…議論の端々をまとめながらPCテイクやった時間帯があり、消耗。私が司会に徹してる間は一人技術のある子が…。自分が履修してる科目はテイク出来ないルールには意味ある。ていうかご飯まであと30分寝る。

2012-09-06 18:50:57
稲葉振一郎 @shinichiroinaba

「自分が履修してる科目はテイク出来ないルールには意味ある。」聴覚障碍学生のためのノートテイクサービスのことです。

2012-09-08 12:10:10
e_km @e_km

半端な叫びがRTされてしまったのできちんと書きます。聴覚障がい学生のためのノートテイク(=要約筆記)ボランティアは自身が履修している科目のテイクには入れません。今回ボランティアなしでの合宿となり(宿泊手配や打ち合わせのが面倒なので了承)、講読は板書とゆっくりはっきり解説でカバー。

2012-09-08 12:37:15
e_km @e_km

グループ発表の討論の仕切りまでをグループに任せたときだけ、議論が飛びまくることが予想されたので、私が横でPCで要約筆記しました。ところどころ議論がぐだぐだになったところで介入しましたが、テイクに気を取られると後手に回りがちに。

2012-09-08 12:38:08
e_km @e_km

大切なところをもれなく要約するのに集中することと、自分なりに解釈しながら話を聞くことは、別なことだと実感。私はどこでどう混乱したかすぐわかる立場だったからまだ並行してできたけれど、これを同年代の学生や内容の知識がないボランティアがするのはほぼ無理だと、ルールの意味を実感しました。

2012-09-08 12:38:38
e_km @e_km

飛びまくる議論は主述が対応していなかったり、本人もぐだぐだになったりで、「要約」が困難。今後、知識伝達系から他人の発表を聞いて議論する段階に重点が移っていくので、ボランティアもどこまで要約したらいいのかという問題が浮上してくることが予測されます。

2012-09-08 12:47:54
e_km @e_km

逐語に近い筆記は技術的には可能かもしれないけど、狭い画面でそれがどんどん流れていくのを文字で追って、聞いてまとめるのと同じ効果があるのか否か。ざっと関連本を見た限りでは、まだテイカーを増やそうという段階で、そこまでの議論がないような気がします。

2012-09-08 12:49:13
e_km @e_km

もう少し偏差値が低い大学だと、日本手話ネイティブで日本語の読み書き能力がかなり低い聴覚障がい学生とか、「要約」能力の低いボランティア学生といった問題も出てくるのだとか。そのレベルの問題と、卒論、院レベルの「要約」とは何か問題と…。これも大衆化時代の大学の問題の1つかと。

2012-09-08 12:51:27
e_km @e_km

「情報保障」という概念では、まだ、議論が飛躍しているとか、理解できないのは自分ではなく話し手が悪いとか、そういうことが判断できるようになるための訓練のプロセスを「保障」できないような気がするのです…。

2012-09-08 12:56:08
e_km @e_km

でも、一般の学生だって、そこまで望んでいなかったり、違うやり方が性にあってたりする中、同じプロセスがいるのかもよくわからないというか。まあそんなことを考えながら、考えすぎる余裕もなく、日々回しているわけです。

2012-09-08 13:01:53
e_km @e_km

トゥギャっていただいたので、諸方面に配慮した注記をば。最初のツイートには若干孤独なときのつぶやきにありがちな誇張があり(苦笑)、誰かを攻めているように読まれたらと若干心配です。実際はそんなに負担だったわけでもありませんし、テイク自体成り行きと私の勝手な判断で好きでやったことです。

2012-09-08 14:29:32
e_km @e_km

テイクなしでの合宿は、基本的に当人の判断によるものです。読話能力やゼミの協力体制、私ができるフォローを勘案して、特に問題もないので、わざわざ調整コストが発生するボランティアを連れてきてほしいとは言う必要がなかったというだけです。

2012-09-08 14:32:16
e_km @e_km

内容や授業目的を損なわない範囲で障がいに配慮した授業にするということを超えて、テイクまでするのは、教員としては巻き込まれすぎなのかもしれません…(別の障がいだったら、私はここまで考えないと思うので、関心がある領域なのだと思われます)。まあ特殊な状況ゆえの措置ということで。

2012-09-08 14:35:34
e_km @e_km

あと「テイク」といっても、専用ソフトを使ったのではなく、横でPC打ち込みしただけです。自学でテイクのいろはをとばしてPCテイクの講座だけ混ぜてもらいましたが、普段はボランティアはしていません。(別学部の学生のボランティア入ろうかなと思いつつ、自分の業務回すだけで精一杯なので…)。

2012-09-08 14:40:07
e_km @e_km

なお、私は、かなり打ち込み速度が速く、テイクと思考の並行も得意な方と思われます。元から、要約するとニュアンスが変わる恐怖が強く、授業やインタビューでも話されたニュアンスが残るようなメモを大量にとっておくほうなので(試験前ノートが出回るタイプ)、「要約」の問題が気になるのかと。

2012-09-08 14:48:10
e_km @e_km

なおなお。関係本をざっと見た結果、テイクの調達は、進め方と身につけてほしいことを伝えた上で、まずは本人が判断するものとの認識でいますが、他の学生への配慮とのバランスとか、あとは本人の責任でと切るラインとか、協力できること、他の学生に協力を仰ぐタイミングと範囲…全部勘と手探りです。

2012-09-08 14:51:56
e_km @e_km

「音声言語を通じた理解は必ずしも書記言語を通じた理解と一致しない(中略)「音の文字化」と「意味の文字化」の差異に留意すべきであろう」(太田晴康「ノートテイク(要約筆記)支援ソフトの設計と活用」p.21 http://t.co/pFBJAfF9

2012-09-08 17:25:18
e_km @e_km

「全文を打てたとしても(中略)文字を追うだけで精一杯です. 内容を考える余裕はありませんでした.また, 発言者の言いたいことや思いと要約筆記者の受けとめ方, 感じ方が違うこともあります」 (木村美智枝「文字による情報保障活動」p.41 https://t.co/VYLvZSJ1

2012-09-08 17:28:11