【昼ドラ】きゅうり子と浅漬けの素男、そしてシーザー【トレンデー】
@tanetiki @oyozuregoto @_smms_ 水分を失ってくたりとしたきゅうり。やがて彼女の目の前に現れたのは――分かれたはずの浅漬けの素だった。
2010-07-22 17:27:35@not_skylla @oyozuregoto @_smms_ あーあ。こんなになって。だが、きらいじゃないぜ。素男は言った。いや、むしろおれがしおしおにさせてやりたかったがな。
2010-07-22 17:34:50@oyozuregoto @tanetiki @not_skylla きゅうりの脳裏に、楽しかったあの頃の記憶がよみがえる。今になって気付くなんて…戻りたい。でも戻れない。乳成分と浅漬けの味わいは決して相容れない。時は既に遅く…彼女はただうなだれ、懐かしい素男の声を聞いていた。
2010-07-22 17:39:34@tanetiki @oyozuregoto @_smms_ 「ごめん・・・」きゅうりは目をそらした。体に降りかかったシーザードレッシングが彼女を輝かせている、だが・・・「和風がそんなに嫌なら、言ってくれよな」彼は強引に蛇口をひねると、彼女を冷たい水の中に――
2010-07-22 17:41:18@tanetiki @oyozuregoto @_smms_ 「洗い流してやるよ、そんなフレンチな事俺が許さない・・・」きゅうりは心がまるでスライスされたように痛んだ。何もかもが洋風に成り果てた自分を、彼は赦さない。ただただきゅうりは彼にしがみ付きながら彼の名を何度も呼んだ。
2010-07-22 17:43:29@_smms_ @oyozuregoto @not_skylla うまれかわったら、わたしまた貴方に逢いたい…!あなたのグルタミン酸と塩分でもみくちゃにして!!そこまで叫んだ時点できゅうりの意識はとだえた
2010-07-22 17:42:07@oyozuregoto @not_skylla @tanetiki 冷たい水に浸りながら、きゅうりは薄れていく意識の中で誰かに抱きあげられたような気がした…。彼女が呼ぶ名に応えるように、彼女のイボに触れる手に力が入るのがわかった。
2010-07-22 17:45:05@not_skylla @oyozuregoto @_smms_ 意識がもどると、懐かしい匂いに抱かれてるのに気づいた。わたし、どうして…。自分は他の男に汚されて、洋風にかえられたはずだった。なのにどうだ。いまは懐かしい昆布のにおいがする。ああ、素男!!
2010-07-22 17:47:16@tanetiki @oyozuregoto @_smms_ 「俺が・・・・昆布だし入りなら、お前は俺を見てくれたか?」震えながらも彼女をかき抱く。強引に奪われた唇からは、塩の味がした。何も変らないのに―昆布があろうと、なかろうと。真空パックのような口づけはしばらく続いた――
2010-07-22 17:47:45@not_skylla @_smms_ @tanetiki @sima_nezumi スーパーに来て10分経った。カゴの中は、未だ空である。お ま え ら の せ い だ
2010-07-22 17:50:12