茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第711回「まぼろしの、ガリガリ君コーンポタージュ味!」

脳科学者・茂木健一郎さんの9月10日の連続ツイート。 本日は、このところ気になっている「あのこと」。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2012-09-10 06:01:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第711回をお送りします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、このところ気になっている「あのこと」。

2012-09-10 06:50:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

まが(1)東京駅の丸ビルを歩いていたら、10周年とある。へえ、もう10年経ったのか、と不思議な気持ちになった。オープンした時、上の方にあるワインバーで、生まれて初めてラフィット・ロートシルトを飲んだ。オープン記念ということで、グラス売りしていたのだ。確か一杯3000円!

2012-09-10 06:54:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

まが(2)一杯3000円というのは法外な値段だが、そもそもラフィット・ロートシルトがものすごく高いんだから、グラス売りしているだけでもありがたい。そしたら、マジでうまかった。今でも忘れられない。ワインの通常の質感の上に、薄雲のようにポタージュスープの感触が浮いている。

2012-09-10 06:55:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

まが(3)何を言っているのかわからない、という人も多いだろうが、本人にもわからない。とにかく、ラフィット・ロートシルトの味わいは、それまでに経験したことのないものだった。へーっと思って、この感じを覚えて置こうと思った。もともと注文したのは、好奇心からだったのだから。

2012-09-10 06:56:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

まが(4)質感のことを「クオリア」という。クオリアは、それを経験したことがない人には、いくら説明してもわからない。『赤毛のアン』に、アンがピクニックでアイスクリームが出ると聞いて興奮する場面がある。アンは、アイスクリームの味はどんなものか想像しようとするが、できない。

2012-09-10 06:57:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

まが(5)不思議なことに、あの時飲んだラフィット・ロートシルトのクオリアに、再会できない。ビンテージなのか、状態なのか。その後何回か、おごってもらうご飯でおずおずと頼んでみたけど、二度とあのクオリアに会えない。果たせない再会。こうやって、ワイン好きの人ははまっていくのだろう。

2012-09-10 06:59:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

まが(6)経験しないと想像できないクオリア。例は高級ワインに限らない。たとえば、カール。小学生の時に出たときは衝撃だった。チーズ味の、あのクオリア。口蓋にちょっとくっつくあの感じを含めて、カールはクオリアの革命だった。ムースポッキーも革命! タピオカも革命! 世界は革命だらけ!

2012-09-10 07:00:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

まが(7)クオリアは私秘的なもので、私の見ている「赤」と、彼が見ている「赤」が同じものであることを確認することはできぬ。だからこそ、新しいクオリアを経験すると、思わず他人にしゃべりたくなる。いわゆる「口コミ」というやつ。そうやって、経験を共有することで、人類は進化してきた。

2012-09-10 07:02:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

まが(8)今気になってしょうがないのが、ガリガリ君コーンポタージュ味。ツイッターで話題になっていて、みなそれぞれそのクオリアを語っているが、やはり経験しないとわからない。さっきコンビニに行ったら、梨味しかなかった。食べてみたい。クオリア好奇心。しかし、当分果たせそうもない。

2012-09-10 07:03:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

まが(9)クオリア好奇心は、人間にとっての原初的衝動のようなもので、だからウニとかモズクとか食べるやつが出てくるのだろう。食のレパートリーを広げてきた原動力は、クオリア好奇心だった。旅行して地元の食材を食べたい、というのも同じ。ガリガリ君は、人々のクオリア好奇心を刺激した!

2012-09-10 07:04:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第711回「まぼろしの、ガリガリ君コーンポタージュ味!」でした。

2012-09-10 07:05:10