大山エンリコイサム×永瀬恭一

大山エンリコイサム + 早川祐太 / Oyama Enrico Isamu Letter / Yuta Hayakawa フィジカルの速度 / Physical Kinetics 1 September - 6 October, 2012 Venue : TSCA Tokyo http://tsca.jp/ja/exhibition/physical-kinetics/ 続きを読む
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Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

銀座TSCAで開催中の二人展、大山エンリコイサム+早川祐太「フィジカルの速度」も早いもので会期の3分の1が過ぎ去りました。9/29までです。今日は閉廊日ですが、明日からまた空きます。渡米前最後の展示です。この機会にぜひご来場ください! http://t.co/OnuUqPMP

2012-09-10 13:36:02
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

ブログ更新。「Physical Kinetics」における大山エンリコイサム - paint/note (id:eyck / @nagasek) http://t.co/vp7DTwE5

2012-09-10 23:42:06
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

さて永瀬恭一 @nagasek さんのブログを読みました。まずは丁寧な記述と分析力に感謝します、ありがとうございます。そして内容の8割については、批評的でありながら制作者(私)の実感も捉えているし、仮に捉えていなくても生産的な視点を採っていると思いました。

2012-09-11 22:49:03
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

とは言え残りの2割です。やはり「大型キャンバスにコンテ、墨、スプレーで描かれた絵画作品は成功していない。」と断定されてしまうと、一言、応答しなければならないと思います。先に断っておくと、これは「成功していない」と言われたことに対する感情的反論ではなく、構築的議論を目指すものです。

2012-09-11 22:52:55
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

永瀬さんの主張は端的に言えば、僕の作品の特徴は、種々のコノテーションまたはタグ付けから切り離されており、言わば意味が洗い流され漂白された「描線の実質」のみを舞台にのせる点にあるのに、件の大型の絵画はあまりにも「絵画的」過ぎ、即座にタグ付け可能であるのがつまらない、というものです。

2012-09-11 23:00:15
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

永瀬さんはそれを「大山のキャンバス作品を見れば直ちにそこにはポロックやマーデンといった名前が想起され連結される。」と表現します。

2012-09-11 23:01:18
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

しかしここには実はリテラシーの問題が深く結びついていて、たしかに「ポロックやマーデンといった名前が想起され」るかもしれないのですが、同時にグラフィティのリテラシーをもつ人が見れば、そこにたとえばワイルドスタイルというグラフィティ・レタリングの造形要素があることがわかると思います。

2012-09-11 23:04:12
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

この点にまず僕の狙いがあります。これまでアートの世界におけるグラフィティ文脈の受容のされ方は、ざっくりいって「ポップなもの(バスキア/ヘリング)」または「ポリティカルなもの(バンクシー)」という線しかありませんでした。しかしこれはグラフィティやストリートアートの側の実感とは(続)

2012-09-11 23:07:56
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

(承前)異なる部分があります。「社会のなかのオルタナティブなもの」という役回りではなく、それこそそのような意味づけから解放されて、純粋に新しい抽象的な造形言語としてグラフィティのヴィジュアルランゲージを扱うこと、そのための接続先として、言わばモダニズム絵画の文脈というのが(続)

2012-09-11 23:10:35
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

ありえると考えています。それは単に「ポロックやマーデン」なのではなく、ポロックやマーデンあるいはトゥオンブリに、グラフィティの描線をオーバーラップさせることで、グラフィティ文脈の拡張と、絵画空間の拡張の両者を同時に試みるものだと思っています。

2012-09-11 23:14:23
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

さらに一言添えるならば、バンクシーは、たとえばこのような「絵画のリテラシー」と「グラフィティのリテラシー」のギャップこそを主題化する、言わばリテラシーの越境に長けた作家です。それはコンテクストゲームとしての現代美術にしっくりはまる。

2012-09-11 23:19:49
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

僕の場合はそのようなコンテクストゲームではなく、クイックターンの描線の加速によって、キャンバスも、壁画も、ドローイングも、ホワイトキューブも、コムデギャルソンの服も、あらゆるメディアとそのコンテクストをグラフィティの描線が拡散的に駆け抜けていくような創作をイメージしています。

2012-09-11 23:23:17
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

バンクシーがパズルとパズルのピースをはめるようにリテラシーや意味の操作で作品を作るとすれば、僕の場合はパズルの大小さまざまなピースを、クイックターンの描線がそのつど摩擦を引き起こしながら横断していく。その時の大小種々のピースのいくつかにポロックやトゥオンブリィもふくまれます。

2012-09-11 23:28:53
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

だからぼくの創作はまさに、コノテーションからいったんは切り離され、意味が剥ぎ取られたクイックターンの描線が、種々諸々のコノテーションやタグとぶつかりながら駆け抜けていくという、その摩擦においてこそ、着地します。しかしもちろん次の瞬間には既に新たな描線が駆動し始めているのです。

2012-09-11 23:33:36
Enrico Isamu Oyama @enrico_i_oyama

誤解を恐れずに言えば、永瀬さんが「大山のキャンバス作品を見れば直ちにそこにはポロックやマーデンといった名前が想起され連結される」と言うそのリテラシー自体を、もうひとつのグラフィティのリテラシー、というか描線が、飲み込んで置き去りにしてしまうというイメージです。連投失礼しました。

2012-09-11 23:40:33
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

.@EnricoLetter 丁寧な応答を頂き、ありがとうございます。まず、永瀬の理解不足のご指摘は真摯に受け止めております。現在、当該エントリに大山様のツイートを埋め込む作業をしています。拙文への反論として、是非同じ画面に表示したく思います。ご了解いただければありがたいです。

2012-09-12 09:43:33
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

.@EnricoLetter 僕(永瀬)のキャンバス作品へのジャッジに対し、グラフィティへの理解およびそれに基づく大山様の意図の十全な理解がない旨の指摘に対しては改めて申し訳なく思います。すいません。

2012-09-12 09:56:56
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

.@EnricoLetter あわせて、今回「コンテクストゲームではなく、クイックターンの描線の加速によって、キャンバスも、壁画も、ドローイングも、(中略)あらゆるメディアとそのコンテクストをグラフィティの描線が拡散的に駆け抜けていく」という御発言に感銘を受けました。

2012-09-12 09:58:29
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

.@EnricoLetter その意味で、大山様の創作はまさに様々なコンテクストに対し「摩擦」を通じて開かれていることを再認識しました(「摩擦」が重要なこと、大変に新鮮でした)。

2012-09-12 09:58:41
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

.@EnricoLetter その点を踏まえて改めて想起するに、やはり今回の出品作においてその可能性がもっとも純粋に実現しているのはドローイングであり、次いでブロックの作品ではないかという思いはいまだに持っております。

2012-09-12 10:09:42
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

.@EnricoLetter 主観的印象ですが、キャンバス作品ではグラフィティ的要素とモダニズム絵画のコノテーションが、充分に「摩擦」を引き起こす前に、同一のフレーム内で実に上手く調停され共存していると思えます。無論これは大山様の技術的高度さの証明でもありましょう。

2012-09-12 10:11:13
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

.@EnricoLetter とはいえ全体に非常に面白くポジティブに見えたことは今回の拙文でも表明したつもりでおります。可能なら会期中に再訪したく存じます。連投失礼しました。

2012-09-12 10:11:28
永瀬恭一(一人組立) @nagasek

僕の大山エンリコイサムさんの作品へのブログエントリ http://t.co/vp7DTwE5 に大山さんから応答が寄せられています。永瀬の理解不足を指摘した上での、実に丁寧なご説明です。ブログ内に転載しましたので、ご一読ください。http://t.co/ecJI86S7

2012-09-12 10:16:13