【二次創作な】「グッドバイ・マイ・アストロノーツ」#3

ニンジャスレイヤー(@njslyr)の二次創作小説です。本編との整合性は宇宙へ行った。
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欺瞞動画の会社 @naclaqns

(フォロワーの皆さんへ:毎度お騒がせしております。今からニンジャスレイヤーの二次創作小説を50ツイートほど流します。お手数ですが、お目障りの場合はリムーブ等の対応をお願いします。)

2012-09-17 12:49:44
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(また、 #piyo_nj という実況用タグを作ってもらった。感想ツイートにはこれを使ってもらうと僕があとで見返してニヤニヤするのに非常に便利です。あと、本物のニンジャが来たらすみやかに中断するであろう。それではお楽しみいただければ嬉しいです。)

2012-09-17 12:52:06
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「グッドバイ・マイ・アストロノーツ」#3 (#1:http://t.co/hjJ2zk9X #2:http://t.co/0g7cr3Oy

2012-09-17 12:53:05
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ネオサイタマのドン詰まりであるオオヌギ地区の更にドン詰まり、旧キサラズ港に建つ怪しげな倉庫。周りには怪しげな資材が山と積まれ、中からは溶接めいた怪しげな音が響き、時おり怪しげな老人が出入りする。それもその筈、倉庫内ではニンジャスレイヤー一味による怪しげな計画が進行中なのだ。1

2012-09-17 12:56:57
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工房と化した倉庫の中では三人の男が汗を垂らして働いている。ハンダを手にUNIXハードウェアを組み立てるガンジーめいた老人は通称キンギョ屋。キョートの闇エンジニアだ。ドウグ社の社長であり、同時に凄腕のマルチ職人でもあるサブロ老は、全長五メートル程の構造物を前に何やら思案している。2

2012-09-17 13:01:56
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二人にどやしつけられつつ右往左往する白髪巨躯の中年はタカギ・ガンドー。彼の本業は探偵だが、ナンシー・リーの甘言に乗せられ今や老人二人の助手、いやデッチ扱いである。彼がヘマをするたび老人たちは尻にケリを入れる。断ってはおくが…ガンドーは常人を遥かに超える能力を持つニンジャである。3

2012-09-17 13:07:12
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「コラッ!」サブロ老がガンドーの尻にキック!普段は柔和な表情を崩さない彼だが、一たび仕事場に立てばオニである!「ガンドー=サン、私は何と言いましたかな?そこのナットはワッシャーを挟む!言うた筈だ!」「ちょっと待ってくれよ爺さん、どのナットだって?」「アァコラァー!?」キック!4

2012-09-17 13:13:53
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ニンジャ器用さとニンジャ膂力により、ガンドーの働きは常人の三倍を超える。しかしそれとてこの職人二人の前では赤子同然!本日十何度目かのケリを入れられる!「オイ!爺さん!ケマリみたいにポンポン蹴りやがって、俺だっていい加減怒るぜ!いいじゃねえか、こんな輪っかの一枚や二枚!」5

2012-09-17 13:19:52
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サブロ老の顔から表情が消えた。肩を落とし、ガンドーに背を向ける。「…帰ってくれ」「アン?」「帰ってくれ。アンタと一緒に仕事はできん。」「オ…オイオイ、どうしたってんだよ」「輪っかの一枚や二枚とおっしゃいましたな。その輪っか一枚忘れれば、ニンジャスレイヤー=サンは死ぬ。犬死にだ」6

2012-09-17 13:24:32
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「アンタがいつから彼と組んでるかは知らんが…私の方が長いでしょう。私がもしロープウインチのワッシャーを忘れたら?マキビシの焼き入れをしくじったら?彼は今頃死んでいる、それは私が殺すも同然だ。私はね、そんな仕事だけは絶対しないんだ」「ア…その…」「分かったら帰ってくれ。邪魔です」7

2012-09-17 13:32:30
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サブロ老はかがみ込み、作業を再開した。ガンドーの横にはいつの間にやらキンギョ屋が控えており、立ち尽くす彼を表情で諭す。ガンドーは頭を掻き、「ソノ…すまなかった。俺だって、アイツを何度も助けたし、何度も助けられたんだ。ちゃんとやる、だから、許してくれねえかな」バツが悪そうに言う。8

2012-09-17 13:37:25
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サブロ老は答えない。ガンドーもまたかがみ込み、彼の肩に手を置いた。「なあ爺さん、頼むぜ。できる事は何だってやる。アイツを死なせたくないんだ」サブロがゆっくり振り向く。その顔には老獪な笑みが浮かんでいた。ガンドーは目を見開き、そしてキンギョ屋を見る。彼もまたニタニタと笑っている。9

2012-09-17 13:42:38
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「何だってやる、とおっしゃいましたなあ。それじゃまず、表のセラミック板三〇枚、お願いできますかな。それが終わったら板金積層!」ガンドーは言葉を失った。「何だガンドー=サン、この程度も読めんのに探偵やっとったのか。クルゼ所長にゃまだまだ遠いの」ガンドーは米俵めいて床に転がった。10

2012-09-17 13:48:44
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「AAAAAAAAAGHHHH!!」港近くの空き地、曇天に少女の絶叫が響き渡る!ブレイズである!頭上に巨大な火球を生み出した彼女は、歯を食いしばりそれをゴルフボール大まで縮めてゆく!一体何をしているのか?お察しの通りだ!この濃縮カトン火球こそがロケットの推力となるのだ!12

2012-09-17 13:53:53
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彼女の傍らには五本のマホービン式耐熱ドラム缶。うち四本は空、もう一本もその一割程度がこのミニ火球で埋まっているだけだ。当然全て満杯にするのが彼女のノルマである。スシのデリバリーが到着!ブレイズは手掴みでこれを貪りカロリーを補給!「お嬢=サン、よく食べますねえ…」「アァ!?」13

2012-09-17 14:02:00
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「アイエエエ!」ブレイズに睨まれたスシデリバーは失禁し逃げ帰る!しかし彼は三時間後にはまたここにスシを届けなければならない!何しろカトン・ジツである、超常のニンジャ物理に則っているとは言え、その行使は術者からダイレクトに血中カラテを奪う。食べ続けなければ彼女は燃えカスとなる!14

2012-09-17 14:10:21
欺瞞動画の会社 @naclaqns

「クソが!もう縁切ってやる!ブッ殺してやる!あンの疫病神ーッ!」怒りが火球を生み出す!ブレイズは理不尽なタスクに更に怒る!怒りが火球を生み出す!スシを食う!何たるスパイラルか、まさかニンジャスレイヤーはこれを見越して彼女を挑発したというのか?彼もまた邪悪なるニンジャなのか!?15

2012-09-17 14:16:50
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「ハァーッ、ハァーッ…。こンなもンでいいだろ…。終わり!今日は終わり!」ブレイズは灰色の芝に仰向けに寝転がる。芝と同じ、病んだ色をした雲が視界いっぱいに広がる。どこまでも灰色の世界で生まれ育った彼女には、その外が想像できない。自分が今何をしているのか、全く納得がゆかない。16

2012-09-17 14:24:25
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「アラ、ご休憩?」ブレイズの機嫌が更に悪くなった。彼女の嫌う物は多いが…その中でもトップクラスに位置する人物。ナンシー・リーの声である。「ヒヤカシならとっとと帰れよ。こンの、涼しい顔しやがッて…」「残念。差し入れ持ってきてあげたのに」「スシなら要らねェよ。実際食い飽きた」17

2012-09-17 14:30:15
欺瞞動画の会社 @naclaqns

「まさか。これ、沸かして頂戴」ナンシーがバスケットから取り出したのはホーロー引きの小さなヤカン。ボトルから水を注ぎ、ブレイズに手渡す。続いてティーポット、白磁のティーカップ…「ケッ。お上品なこッた」ブレイズは起き上がり、指先からの炎でヤカンを炙る。水は数秒で熱湯となった。18

2012-09-17 14:35:39
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ナンシーは地面に広げたシートに正座した。湯でティーセットを温め、ヤカンに戻し、ポットに茶葉を入れ、頃合いを見計らって湯を注ぎ…「これだけッて事は無ェだろな。こっちは肉体労働なンだ」「がっつかないの。ティータイムくらい、ゆっくりしなさいな」「何がティータイムだよ畜生…」19

2012-09-17 14:40:54
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彼女はカップに紅茶を注ぎ、バドミントンシャトルめいた器具で数度掻き回した。「ドーゾ」「ハイドーモ…アッ」熱く渋い茶が、デリバリースシの実際安い脂を清めてゆく。「アー…うめェ」「合成でもね、ちゃんと淹れればソコソコなのよ?」「いいから早く出せよ!茶菓子!」「ハイハイ」20

2012-09-17 14:46:16
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バスケットから取り出したチーズ・キンツバを、ブレイズはクーガーめいた素早さで奪い口に入れる。少々の酸味と、濃い甘み。茶と菓子で人心地をつけたブレイズは、「なあ、お前…アンタさあ、ホントにアイツ宇宙まで飛ばすの?」「そうよ。そうしないと私達も死ぬもの」「でもさァ、例えばさァ…」21

2012-09-17 14:51:48
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「…キョートとか、オキナワとか…逃げちまえばいいじゃねェか」「それはできないわ」ナンシーの声質が変わった。硬く、金属めいた。しかしブレイズは続ける。「アンタさ、ナンデあんなイカレ野郎に付き合って、毎回死にかけてンのさ。割に合わねェだろ?アレか?命の恩人?」「まさか。違うわよ」22

2012-09-17 14:56:48