2000年代にはエロ關係の規制が進んでをり、そのせゐでTVアニメは隱喩や婉曲の表現を異樣に發達させてゐる。ふたばの實況のスレでとしあきが、スパッツやジャージは元々エロくも何ともなかつた筈なのに、今やはつきりエロの屬性になつたと指摘してゐた。
2010-07-24 13:05:44制約が多いほど表現は進化するので、今の日本のTVアニメはバカな外觀と違つて意外な程演出に凝つてゐる。その邊に注目して觀ると、えらく面白い。
2010-07-24 13:27:03茲數年、TVアニメは濫造され、過當競爭に至つた事もあり、何だかんだで演出も技術も凄まじい發達を遂げてゐる。如何に巧妙に規制を潛り拔けるかに努力が拂はれてをり、基本的にエロと暴力が賣りになつてゐて、作品の個性が非常に乏しい事は、慥かに否めない事實。
2010-07-24 13:39:25とまれかくまれ現在、ラノベとTVアニメ(そしてゲーム)が一番活發な「文藝ジャンル」となつてゐる事は間違ひない。と言ふより、他の分野が盡く行詰つてゐるのが現状。ミステリも、息の長いブームになつてゐるが、フーダニットの枠組から食み出すわけにも行かず、發展の餘地は少ない。
2010-07-24 13:43:42@nozakitakehide アニメに限らず、文藝も映画もみんな子供向け(青少年含む)のものが中心になってるみたいでしんどいですね。私はもう四十なんでねえ。年相応のものってあると思うんですよ。まあアニメはもとから子供のものだったからよいとして、文藝は中年の仕事だと。
2010-07-24 13:48:48で、曖昧な記憶なんですが、ラスコリーニコフの犯罪はたしか計画とまったく違った展開になって、第三者を巻き込んだりお金は手に入れられなかったり散々な出来で、とても「正義に基づく行動」になんかなっていなかったんじゃなかったかと思うんですが。
2010-07-24 13:52:08むしろ「罪と罰」で印象に残るのはスヴィドロガイロフ(名前合ってるかな?)で、すごく合理主義というか現実主義でやろうとして、挙句夜の果てで絶望して破滅するあの成り行きはちょっと凄かったように思います。ラは自分のことを他者(キリスト=信仰)によって救済するけど、スは自己に終始して破滅
2010-07-24 13:54:14という、キルケゴール的なコントラストなのかなとか思ったんですが、問題は、どう見てもスヴィドロガイロフの「悪」の描写が真に迫って魅惑的なのに(その破滅さえも)、ラスコリーニコフの「救済」がまったくつまらない辻褄合わせのようにしか見えない、というふうに私には感じられたことです。
2010-07-24 13:56:00正直、ドストで読んだのは他に「白痴」「悪霊」「カラマーゾフ」だけなんですが、どれも「悪」の魅惑の方が美しいんですよね。どうも最後の救済がとってつけた感じがしてしまうくらい。それで、最後まで読むといつもなんか「うそーん」な気持ちになる。
2010-07-24 13:58:19@wtnbt 基本的に文學は「若い人」のものですよ。精神年齡が幼くないとやつてゐられない。日本人だと「老成してゐなければダメ」みたいな感覺を持つのが「一般的」ですが。
2010-07-24 13:58:22@wtnbt 動機が「正義の爲」なんですよ。そして、「正義の爲の犯罪」なんてものをドストエフスキーが「あり得ない」と考へてゐる事からあゝ云ふ展開になつたわけで。實際、理想的に巧く行く犯罪なんてものが面白い文藝作品に、あつたためしがありません。
2010-07-24 14:00:11@wtnbt そりや、救濟される他人なんて見たつて、羨ましいだけですからね。破滅する人間を眺めてゐた方が人間、面白い。
2010-07-24 14:01:12昔青山二郎が「白痴」を読んで、ムシュイキンが白痴のわりにいつも同じ調子出喋っているのはおかしい場所によってもっと浮き沈みがあるもんだろうと言っていたそうですが、成程なと思ったりしました。
2010-07-24 14:01:41ゲーテだつて、あれ、老人になつて老いらくの戀に落ちたんではなくて、死ぬまで「若い精神」を持ち續けた、と云ふ事でせう。ロマン主義なんて、今だつたら中二病全開主義です。
2010-07-24 14:02:51@nozakitakehide 私は、本当は近代以前の文学の方が好きなんですね。小説よりも詩と散文のほうがしっくりくるのですよ。近代では、ドンキホーテとか、フローベールとか、サタイアとリアリズムがいいですね。20世紀はまたベケットとか、戦後のささやかなものは好きですが。
2010-07-24 14:06:48ノースロップ・フライが、リアリズムというのは現実をそのまま写すことで笑わせるというサタイアの一種で近代小説(ロマン)ではない、のだとか書いてたような気がする。
2010-07-24 14:11:01@nozakitakehide いや、東洋の古典が主ですが。漢詩と、江戸の俳文とか随筆とか。西洋だと最近は古代ギリシャとストア派はわりと読んでますね。
2010-07-24 14:15:54もっとも最近ホメロスの松平訳をちまちま読んでいます。イリアスが終ってオデュッセイアに入ったところ。古代ギリシャ語をぼちぼちでもはじめようかなあと迷い中。
2010-07-24 14:16:45